【完】幼なじみの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す

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8-11

俺が親父の会社で偉くなり、いつか真知子を入社させる・・・。
そう、思ったいた・・・。



そう思っていたのに・・・。



「そんな怪しい奴の会社やめとけよ！！」



俺が大学3年になる直前、真知子がスナックに来ていた男が立ち上げる会社に入ることになった。



俺がそう叫ぶと、真知子は苦しそうな顔で俺を見る。



俺は握り締めていた眼鏡を、もっと握り締める・・・。



「どんな奴なんだよ！？」



「あの・・・」



「うるせーよ！！！」



真知子が何かを言おうとするけど、聞きたくもなかった。
真知子が俺じゃない他の男からの誘いに乗ったことが嫌だった。



許せなかった。



まだ社会人にもなれていない自分が許せなかった。



真知子がスナックではなく会社で働くことを喜んでやれない、そんな性格の悪い自分が許せなかった。



「俺にその話、二度とするな！！！」



聞きたくもなかった。



聞きたくもなかった。



早く、早く・・・



早く、早く・・・



偉くなるしかなかった・・・。