【完】約束したでしょ？忘れちゃった？(カットページ掲載済2023.4.30、詳細は内容欄に記載)

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「お疲れ様です。」



「お疲れ！」



ビニール傘を差している唯斗君が私の元に歩いてきた。



「急に降ってきたけどやっぱり美鼓ちゃんは傘持ってきてたんだ！」



4月に見た時よりも随分とげっそりした顔で笑っていて、光りがないような唯斗君の瞳を見詰めながら頷く。



「ちょっとお茶しない？」



そう言われて少しだけ悩んだ。
でも、少しだけ。



元気さんのハトコだという唯斗君のことが純粋に心配だと思ったから。



「はい。」



私の返事に唯斗君が凄く安心した顔をして・・・



「お洒落なお店ですね。
人も全然いませんし。」



凄くお洒落で静かなお店に連れてきてくれた。



「ここ会員制だからね！
うちの財閥でも本家と血の近い人間しか会員になれてない！」



そんな話にどう反応していいか困っていると、唯斗君はお洒落なグラスに入ったアイスコーヒーを飲んでから小さく笑った。



「美鼓ちゃんから言ってくれない？
増田社長か譲社長にさ・・・。
俺を戻した方がいいって。」