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元気さんは私のことを真っ直ぐと見詰めてくる。



「なかったことになんてしない。
だから美鼓ちゃんもなかったことにしないでよ?
ちゃんと次に進んで。」



元気さんの言葉に今度は私が下を向いた。
次に進まないといけないらしい。
私は次に進まないといけないらしい。
元気さんの所に立ち止まっていてはいけないらしい。



「トイレに行ってきます・・・。」



泣きそうになってしまい、慌ててバッグからタオルハンカチとポーチを手に取った。



そして立ち上がろうとした時・・・



「それ、使ってくれてるんだ?」



元気さんが嬉しそうな顔で笑いながら私が手に持っているタオルハンカチとポーチを指差した。
元気さんから貰ったタオルハンカチとポーチを。



それに泣きそうになりながらも笑って頷き、トイレへと急いだ。
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