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「あの・・・どうしてここに・・・?」



慌てながら自分のデスクの所まで歩き、“結子さん”の旦那さんを見上げながら聞いた。
みんなの視線を感じるけれど、結子さんの旦那さんは何も気にしている様子がないまま私に口を開いた。



「国光さん、どのくらい余力ある?
もっと仕事出来る?」



「仕事ですか・・・?
はい、それは・・・。
派遣かパートでしたけど、もっと仕事はしていましたので・・・。」



何故こんな質問を結子さんの旦那さんが私にしてくるか分からないけれど、聞かれた質問には答えた。



結子さんの旦那さんは満足そうに笑った後に小関部長の方を見て、それから大きな口を開けた。



「前会長からの指示を勝手に無視したらダメじゃないっすか、小関部長。
国光さんにちゃんと仕事回してくださいよ。」



「譲(ゆずる)君、でも・・・」



「“でも”じゃねーから!」



小関部長の言葉の途中で結子さんの旦那さんが声を大きく上げた。



「それに“譲君”じゃねーだろ、社長ってちゃんと呼べ。
俺は社長だろ?」



そんな言葉に驚きながら結子さんの旦那さんを見上げると、結子さんの旦那さんは凄く怖い顔で小関部長を睨み付けている。



「はい、社長・・・。」



小関部長が小さな声でそう言いながら、結子さんの旦那さんから顔を少しだけ逸らした。
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