153 / 362
5
5-42
しおりを挟む
そう言って・・・また、歩き始めた。
歩きながら、自分の格好を見下ろした。
男の子の格好をしていた。
樹里は、男の子の格好をしていた。
それもただの男の子の格好じゃない。
お兄ちゃんからのお下がりで、古い物。
サイズも合っていない。
右手で、お姉ちゃんから貰った赤いリボンのヘアゴムを触った。
子ども用だけど、これだけが樹里が女の子だと分かるたった1つの物。
幼稚園の時にあった可愛い身に付ける物は全部、お父さんが死んでしまった時に棺に入れたから。
お父さんが天国で寂しくないように。
お父さんが天国でも樹里のことを忘れないように。
だから、樹里は女の子の可愛い物を何も持っていない。
お姉ちゃんからクリスマスに貰ったこのヘアゴムだけが、樹里の女の子の物。
それを触った後に、スルッと指で髪の毛を触り右手の人差し指に巻き付けた。
やっぱり、樹里の髪の毛は糸みたいで・・・
そのまま、左手を見た・・・。
これは、薬指を見ているんじゃなくて・・・
小指を見ていた・・・。
樹里にとっては、小指の方が大切だったから。
“親父”だった時の“エロ親父”が言っていた話・・・
「赤い糸・・・」
樹里の小指にある赤い糸は、誰と繋がっているんだろう・・・。
歩きながら、自分の格好を見下ろした。
男の子の格好をしていた。
樹里は、男の子の格好をしていた。
それもただの男の子の格好じゃない。
お兄ちゃんからのお下がりで、古い物。
サイズも合っていない。
右手で、お姉ちゃんから貰った赤いリボンのヘアゴムを触った。
子ども用だけど、これだけが樹里が女の子だと分かるたった1つの物。
幼稚園の時にあった可愛い身に付ける物は全部、お父さんが死んでしまった時に棺に入れたから。
お父さんが天国で寂しくないように。
お父さんが天国でも樹里のことを忘れないように。
だから、樹里は女の子の可愛い物を何も持っていない。
お姉ちゃんからクリスマスに貰ったこのヘアゴムだけが、樹里の女の子の物。
それを触った後に、スルッと指で髪の毛を触り右手の人差し指に巻き付けた。
やっぱり、樹里の髪の毛は糸みたいで・・・
そのまま、左手を見た・・・。
これは、薬指を見ているんじゃなくて・・・
小指を見ていた・・・。
樹里にとっては、小指の方が大切だったから。
“親父”だった時の“エロ親父”が言っていた話・・・
「赤い糸・・・」
樹里の小指にある赤い糸は、誰と繋がっているんだろう・・・。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる