悪魔少女狩り

みらいつりびと

文字の大きさ
上 下
19 / 34

第19話 ピスタ湖 水着の美少女たち

しおりを挟む
 翌朝、ホテルのロビーに6人が集まった。
 第99悪魔少女狩り小隊のメンバー、ダダ、シャン、ノナ、ユウユウ。
 その案内係アモン。
 そして、ダダの恋人のふりをしているパンピー。
「さて、今日はボクとパンピーちゃんのデートの日だ。他の4人は付き人ということでよろしく」
「あたしはふたりきりがいいんだけどなあ」とパンピーが言った。その方がダダを殺しやすい。
「いいじゃないか。護衛付きというのも、気分がいいものだよ」
 ダダは油断していない。パンピーが悪魔少女ではないかと疑っている。
「どこかいい遊び場所はないか、アモン」
「夏に人気のあるところは、ピスタ湖です」
「ピスタ湖? どんなところだ?」
「美しく澄んだ青い水があり、白いサラサラの砂浜がある湖です。北へ1時間ほど歩けば、到着できます。のんびり砂浜でくつろぐのもいいし、水泳を楽しむこともできます」
「水泳? それはいいな!」
 ダダは神聖少女騎士たちの方を向いた。
「おまえたち、水着は持っているか?」
 3人とも首を振った。
「水着が必要だ。この村で手に入るか?」
「商店街にあるイラス服飾品店で売っています」
「よし、おまえたちの水着はボクが買ってやる。パンピーちゃんは持っているかい」
「家にあるけど、胸がきつくなっているかも」
 パンピーは村役場の敷地内にある村長邸に住んでいる。
「パンピーちゃんの水着も買ってあげるよ。みんなで服飾品店に行こう! 昼食はホテルに頼んで、サンドイッチでも用意させよう」

 彼らはイラス服飾品店へ行った。まだ開店前だったが、ダダが扉を激しく叩いて、無理矢理に開けさせた。
「なんでも好きなものを買っていいぞ。露出多めが推奨だ。あはははは」
 ダダは上機嫌だ。少女たちの水着姿を見るのが楽しみだった。
 女の子たちは水着コーナーをじっくりと見た。
「どれを買うっすか、シャン」
「そうね。ダダ様が露出多めと言うからには、ビキニタイプにするわ」
「そっすねー」
「あたしもビキニにしよっかなーっ」
「ワタシはビキニは着ませんから」
 女性の買い物には時間がかかる。その間にダダとアモンはさっさとメンズの水着を買った。
 少女たちもきゃいきゃい言いながら、試着し、水着を購入した。
 パンピーはピンクのビキニタイプの水着。
 シャンは黒のビキニ。
 ノナは白のビキニ。
 ユウユウは青いワンピースの水着を選んだ。
「じゃあ湖へ行こう。アモン、案内しろ」
「はい」

 一行は北へ向けて歩いた。市街地を抜けると農業地帯になり、小麦畑や野菜畑があった。
 さらに進むと、大自然が広がっていた。なだらかな起伏のある草原には、ところどころに向日葵が咲いている。原生林もあって、蝉たちが懸命に鳴いていた。
 鬱蒼とした森林の中の小道をしばらく歩いていると、ふいに空が明るくなった。ダダたちの前に眩しいほど白い砂浜と澄んだ水を湛えた清らかな湖があった。
 ピスタ湖だ。
 水際で子どもたちが数人遊んでいた。砂浜に座り、少年少女たちを見守っている大人たちもいる。彼らはビールを飲んでいるようだ。
「おお……。確かにいいところだな」
「綺麗なところですわね。ダダ様、わたくしたちは森で着替えてきますわ」
「この砂浜で着替えてもいいんだぞ」
「それはさすがに恥ずかしいですわ」
 4人の美少女たちは暗い森へ戻り、服を脱いだ。

 彼女たちが着替えて砂浜へ戻ってくると、ダダとアモンは目を見張った。
 眼福としか言いようのない光景だ。
 シャンの乳房は並はずれて大きかった。彼女が歩くと、ぷるるんと揺れる。それでいて、腹筋が割れている。身体を鍛えている証拠だ。
 ノナは華奢な体型だった。手足の長いほっそりとした身体。
 ユウユウはふだん体型がわかりにくいワンピースを着ているが、脱ぐとかなり豊満な身体をしていた。むちむちとして、男性の目を惹く色気があった。
 3人ともそれぞれに美しい。
 しかし、圧巻なのはパンピーだった。胸は美しくボリュームがあり、腰は折れそうなほどキュッとくびれているのに、その下のお尻は大きい。太ももはむっちりとしていて、足首は細く締まっている。長く美しい曲線を描く究極の美脚。
 ダダは放心して見惚れ、アモンは鼻血を流した。
 彼女たちが砂浜を歩いていき、湖で遊ぶようすを、ふたりの男はうっとりと眺めた。
 4人の美少女の水に濡れた水着姿。
 いつまでも見ていたい。どんなに見ても見飽きない。
 パンピーを抱きたい、とダダは痛切に思った。

 ダダは湖へ突進していき、いきなりパンピーに抱きついた。その身体は柔らかくむにっとしていて、彼は至福の心地になった。
「きゃーっ、やめてよーっ」
「いいじゃないかーっ。ボクたちは恋人同士なんだし」
「いやーん。人前で恥ずかしいわ」
「キスさせてーっ」
「ここではだめ」
 パンピーはダダを突き飛ばした。彼はぶっ倒れ、水しぶきが上がった。
「バカップル……」
 ユウユウは、死ねばいいのに、と言わんばかりの冷ややかな目でふたりを見ていた。

「ふう、楽しいな」とダダがつぶやいた。
 彼らはひとしきり水遊びをし、砂浜でサンドイッチを食べていた。
 湖に流れ込む小川にはサワガニがいた。
 湖面でニジマスが跳ねた。
 太陽が美少女たちの素肌を輝かせていた。
 ここは天国だ、とダダは思った。
 彼はパンピーに恋していた。もし彼女が悪魔少女だったとしても、殺したくない、と思い始めていた。
 正義の悪魔少女、神聖少女騎士にしたい。
 パンピーは真逆の思考をしていた。
 笑顔を見せながら、この好き勝手し放題の男をどうやって地獄に落とすか考えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

元悪の組織の怪人が異能力バトルなどに巻き込まれる話(旧題:世の中いろんなヤツがいる)

外套ぜろ
ファンタジー
 狼谷牙人は、いわゆる「悪の組織」に改造手術を受けた「悪の怪人」だった。  その組織が正義のヒーローに敗れて滅亡してからはや一年。正体を隠してフリーター生活を送っていた彼は、ひょんなことから路地裏で「異能力」を操る者たちの戦闘に巻き込まれる。 「君の力も、異能力だ」 「違うな」  謎の勘違いをされた牙人は、異能力の世界へと足を踏み入れることになる……。  どうやら、この現代社会には、牙人のように「不可思議な事情」を抱えた者たちがそれなりに暮らしているらしい。  ——これは、そんな彼らの織り成す、少し変わった青春の物語。  不定期更新。  カクヨム、小説家になろうでも連載中。

【完結】ヒトリぼっちの陰キャなEランク冒険者

コル
ファンタジー
 人間、亜人、獣人、魔物といった様々な種族が生きる大陸『リトーレス』。  中央付近には、この大地を統べる国王デイヴィッド・ルノシラ六世が住む大きくて立派な城がたたずんでいる『ルノシラ王国』があり、王国は城を中心に城下町が広がっている。  その城下町の一角には冒険者ギルドの建物が建っていた。  ある者は名をあげようと、ある者は人助けの為、ある者は宝を求め……様々な想いを胸に冒険者達が日々ギルドを行き交っている。  そんなギルドの建物の一番奥、日が全くあたらず明かりは吊るされた蝋燭の火のみでかなり薄暗く人が寄りつかない席に、笑みを浮かべながらナイフを磨いている1人の女冒険者の姿があった。  彼女の名前はヒトリ、ひとりぼっちで陰キャでEランク冒険者。  ヒトリは目立たず、静かに、ひっそりとした暮らしを望んでいるが、その意思とは裏腹に時折ギルドの受付嬢ツバメが上位ランクの依頼の話を持ってくる。意志の弱いヒトリは毎回押し切られ依頼を承諾する羽目になる……。  ひとりぼっちで陰キャでEランク冒険者の彼女の秘密とは――。       ※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベリズム」さん、「ネオページ」さんとのマルチ投稿です。

神様に妻子の魂を人質に取られたおっさんは、地球の未来の為に並行世界を救う。

SHO
ファンタジー
相棒はあの名機! 航空自衛隊のベテランパイロット、三戸花乃介。 長年日本の空を守ってきた愛機も、老朽化には勝てずに退役が決まる。そして病に侵されていた彼もまた、パイロットを引退する事を決意していた。 最後のスクランブル発進から帰還した彼は、程なくして病で死んでしまうが、そんな彼を待ち受けていたのは並行世界を救えという神様からの指令。 並行世界が滅べばこの世界も滅ぶ。世界を人質に取られた彼は世界を救済する戦いに身を投じる事になる。これはチートな相棒を従えて、並行世界で無双する元自衛官の物語。 全ては、やがて輪廻の輪から解き放たれる、妻子の生きる場所を救うために。 *これは以前公開していた作品を一時凍結、改稿、改題を経て新規に投稿し直した作品です。  ノベルアッププラス、小説家になろう。にて重複投稿。

魔法公証人~ルロイ・フェヘールの事件簿~

紫仙
ファンタジー
真実を司りし神ウェルスの名のもとに、 魔法公証人が秘められし真実を問う。 舞台は多くのダンジョンを近郊に擁する古都レッジョ。 多くの冒険者を惹きつけるレッジョでは今日も、 冒険者やダンジョンにまつわるトラブルで騒がしい。 魔法公証人ルロイ・フェヘールは、 そんなレッジョで真実を司る神ウェルスの御名の元、 証書と魔法により真実を見極める力「プロバティオ」をもって、 トラブルを抱えた依頼人たちを助けてゆく。 異世界公証人ファンタジー。 基本章ごとの短編集なので、 各章のごとに独立したお話として読めます。 カクヨムにて一度公開した作品ですが、 要所を手直し推敲して再アップしたものを連載しています。 最終話までは既に書いてあるので、 小説の完結は確約できます。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

処理中です...