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第52話 野豚対人類
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野豚の大群は煉獄盆地で数千万匹を失った。しかし、人間のつくった大都市を粉砕するパワーをまだ充分に持っていた。気が遠くなるほどの巨大な群れにとって、その損失はかすり傷程度のものでしかなかったのである。
豚は自分たちの個体数を数えはしないし、人間もその巨大な群れの正確な数を把握していなかった。ただ推定をするのみ。おそらく五億から十億の範囲内であろう、と考えられていた。
ブダペスト師団長は間近に迫る野豚の大群を見て、「壮観だのう」とつぶやいた。彼は白いあご鬚を整えながら、かたわらに立つ兵士に話しかけた。
「やっと軍人らしい働きができる。最近、指なし党の鎮圧があったが、あれは内乱だからなぁ。ようやくわしらは豚王国の軍人らしく、外敵と戦える。人間じゃないがな。はははは」
彼は乾いた笑い声を立てた。
「失礼ですが、閣下は戦闘を経験なさっておいでですか?」と兵士が訊いた。
「はっはっはっ、痛いところを突くのう。ずっと平和な時代が続いていたからなぁ。恥ずかしながら、このわしは初陣だよ」
師団長が茶飲み話でもするように力みなく言った。兵士は緊張がほぐれたように感じた。
「今日はわしも剣を抜き、一戦士として戦う覚悟じゃ」
前線の指揮官は、前を向いて剣の柄を握った。
野豚がブダペスト防衛軍の先鋒から一キロにまで接近したとき、重低音の地鳴りに混ざって、ゴフッゴフッという豚の鼻息が聴こえてきた。凶暴な野生の豚が視界を圧して殺到してくる。さすがの豚王軍精鋭も腰が引ける思いだった。
これは、死を覚悟した特攻にも似た戦いなのだ。
「矢をつがえー」
正規兵に決断を求めるかのように、ブダペスト師団長の声が響いた。
野豚が速度を増して突っ込んでくる。
「射てっ!」
命令が下った。十三万本の矢が一斉に宙を飛んだ。空中で弧を描き、落下して、何割かが野豚の体に突き刺さった。その多くがどうっと倒れたが、一部の豚は矢が刺さったまま走り続けた。
二の矢、三の矢が飛んだ。さらに何万匹かの豚が倒れたが、野豚の行進は止まることなく、弓矢が使えたのはそこまでだった。
野豚が目の前まで迫り、豚王軍十三万の兵がいちどきに抜刀した。彼らは突進し、野豚の大群に斬り込んだ。
正規兵たちは阿修羅のように戦った。
いささかも速度を緩めようとしない豚の体に剣を刺し、首を斬った。頭骸骨を割り、顔を斜に斬り、胴体を両断した。瞬時も休むことなく剣を振るい続け、殺しまくった。そうして豚を排除しなければ、後続の豚に吹っ飛ばされてしまう状況だった。兵士たちは命を捨ててかかり、超人的な体力で豚を薙ぎ倒し続けた。まさに死兵であった。
豚王軍には剣の達人と呼べる者も多かった。達人の剣はあまりにも抵抗なくスパッと豚の首を刎ねてしまうので、斬られた豚は自分が死んだことに気づかず、しばらく走り続けてから、パタリと倒れた。
槍部隊の働きもすさまじかった。彼らは豚の首に狙いを定め、無駄のない動きで首を貫き、もっとも効率的に豚を殺した。
雄叫びをあげながら、兵士たちは死豚の山をつくった。血飛沫が飛び交い、彼らは返り血で真っ赤になっていた。古いねばねばした血糊の上に、新たな鮮血がふりかかった。
十三万の豚王軍正規兵は大きな戦果をあげた。しかし、野豚はほとんど無尽蔵である。精鋭たちがいかに奮戦しようと、崖っぷちでもがいているようなものだった。豚はあとからあとから押し寄せ、斬っても斬ってもきりがなかった。
「くそっ、いくらでも湧いて出やがる」
「終わりが見えねえ」
「まだまだ来るぞっ」
防戦がかろうじて成立している、というのがこの局面の実態であった。
疲労がじわじわと兵士たちの力を奪っていった。息をつけば、その瞬間に暴走豚に跳ね飛ばされた。
「うわぁっ」
「ぎゃあああっ」
「がはっ」
力尽きて血まみれの勇者たちが百名、千名と斃れ、野豚に踏みつぶされていった。
限界が近づいていた。野豚の進行を阻む力が尽きかけ、豚王軍は総崩れの危地に立った。
総勢二百万に近い志願兵たちが動いたのは、そのときである。
その大軍は初め、野豚に圧倒されて、一歩も前に踏み出せなかった。彼らの指揮はブダガーナ師団長に任されていた。その師団長が突撃命令を出しても、民兵たちは立ちすくんでいた。戦うどころか、敵前逃亡しかねない雰囲気があった。
きっかけは、ほんの数人がつくった。正規軍の壮絶な戦いを見せつけられ、興奮して何人かが飛び出したのである。
彼らの突出が民兵たちの心を揺さぶった。棒立ちしているのが耐えがたくなり、理性が消え、闘争心が恐怖心を凌駕した。
気がつくと、彼らは走り出していた。雪崩のような民兵の突撃が始まったのである。すさまじい鬨の声がわきあがり、彼らは剣や斧をふりかざして野豚の大群に挑みかかった。
剣などふるったことのない彼らはやけっぱちで野豚を斬った。やってみると、意外と簡単に野豚は絶命した。あとは無我夢中だった。狂戦士のようになって、彼らは殺戮に邁進した。
ブダペスト市民軍二百万の一斉突撃は、平原を屠殺場に一変させた。眠っていた狩猟民族の血がめざめたように、彼らは目を血走らせて凶暴に野豚を狩った。全戦域で志願兵はわめき、叫び、我を忘れて剣をふるった。武器が弾き飛ばされたら、素手で野豚の鼻を叩いた。
民兵たちの戦いは洗練されていなかったが、それだけに凄絶だった。二百万のにわか狩人たちは初陣の熱狂をそのまま野豚に叩きつけた。豚津波は強靭な堤防にぶち当たったのだ。このとき初めて、人間軍は優位に立ったのである。
人間軍の攻勢は、野豚の前進の性質を劇的に変えた。今までは闇雲に突進していただけだったのに、人間と人間の間をかいくぐろうとするようになったのだ。草食動物の本能がよみがえったみたいだった。彼らの顔に一様に怯えが走った。
野豚の群れ全体に、人間恐怖症が伝染していった。彼らは前の豚がするように、人間を避けて前に出ようとし始めた。
すり抜けようとする野豚を狩るのは、狂ったように暴走してくる豚を殺すより、遥かに容易だった。プレッシャーが段ちがいに少ない。怖さがない。
人間軍はますます勢いづき、歓声をあげてばっさばっさと斬りまくった。煉獄盆地で火攻め、水攻めをものともしなかった野豚が、今は家畜豚のようになっていた。
移り気な勝利の女神が気まぐれな微笑みを人類に見せていた局面であった。
豚は自分たちの個体数を数えはしないし、人間もその巨大な群れの正確な数を把握していなかった。ただ推定をするのみ。おそらく五億から十億の範囲内であろう、と考えられていた。
ブダペスト師団長は間近に迫る野豚の大群を見て、「壮観だのう」とつぶやいた。彼は白いあご鬚を整えながら、かたわらに立つ兵士に話しかけた。
「やっと軍人らしい働きができる。最近、指なし党の鎮圧があったが、あれは内乱だからなぁ。ようやくわしらは豚王国の軍人らしく、外敵と戦える。人間じゃないがな。はははは」
彼は乾いた笑い声を立てた。
「失礼ですが、閣下は戦闘を経験なさっておいでですか?」と兵士が訊いた。
「はっはっはっ、痛いところを突くのう。ずっと平和な時代が続いていたからなぁ。恥ずかしながら、このわしは初陣だよ」
師団長が茶飲み話でもするように力みなく言った。兵士は緊張がほぐれたように感じた。
「今日はわしも剣を抜き、一戦士として戦う覚悟じゃ」
前線の指揮官は、前を向いて剣の柄を握った。
野豚がブダペスト防衛軍の先鋒から一キロにまで接近したとき、重低音の地鳴りに混ざって、ゴフッゴフッという豚の鼻息が聴こえてきた。凶暴な野生の豚が視界を圧して殺到してくる。さすがの豚王軍精鋭も腰が引ける思いだった。
これは、死を覚悟した特攻にも似た戦いなのだ。
「矢をつがえー」
正規兵に決断を求めるかのように、ブダペスト師団長の声が響いた。
野豚が速度を増して突っ込んでくる。
「射てっ!」
命令が下った。十三万本の矢が一斉に宙を飛んだ。空中で弧を描き、落下して、何割かが野豚の体に突き刺さった。その多くがどうっと倒れたが、一部の豚は矢が刺さったまま走り続けた。
二の矢、三の矢が飛んだ。さらに何万匹かの豚が倒れたが、野豚の行進は止まることなく、弓矢が使えたのはそこまでだった。
野豚が目の前まで迫り、豚王軍十三万の兵がいちどきに抜刀した。彼らは突進し、野豚の大群に斬り込んだ。
正規兵たちは阿修羅のように戦った。
いささかも速度を緩めようとしない豚の体に剣を刺し、首を斬った。頭骸骨を割り、顔を斜に斬り、胴体を両断した。瞬時も休むことなく剣を振るい続け、殺しまくった。そうして豚を排除しなければ、後続の豚に吹っ飛ばされてしまう状況だった。兵士たちは命を捨ててかかり、超人的な体力で豚を薙ぎ倒し続けた。まさに死兵であった。
豚王軍には剣の達人と呼べる者も多かった。達人の剣はあまりにも抵抗なくスパッと豚の首を刎ねてしまうので、斬られた豚は自分が死んだことに気づかず、しばらく走り続けてから、パタリと倒れた。
槍部隊の働きもすさまじかった。彼らは豚の首に狙いを定め、無駄のない動きで首を貫き、もっとも効率的に豚を殺した。
雄叫びをあげながら、兵士たちは死豚の山をつくった。血飛沫が飛び交い、彼らは返り血で真っ赤になっていた。古いねばねばした血糊の上に、新たな鮮血がふりかかった。
十三万の豚王軍正規兵は大きな戦果をあげた。しかし、野豚はほとんど無尽蔵である。精鋭たちがいかに奮戦しようと、崖っぷちでもがいているようなものだった。豚はあとからあとから押し寄せ、斬っても斬ってもきりがなかった。
「くそっ、いくらでも湧いて出やがる」
「終わりが見えねえ」
「まだまだ来るぞっ」
防戦がかろうじて成立している、というのがこの局面の実態であった。
疲労がじわじわと兵士たちの力を奪っていった。息をつけば、その瞬間に暴走豚に跳ね飛ばされた。
「うわぁっ」
「ぎゃあああっ」
「がはっ」
力尽きて血まみれの勇者たちが百名、千名と斃れ、野豚に踏みつぶされていった。
限界が近づいていた。野豚の進行を阻む力が尽きかけ、豚王軍は総崩れの危地に立った。
総勢二百万に近い志願兵たちが動いたのは、そのときである。
その大軍は初め、野豚に圧倒されて、一歩も前に踏み出せなかった。彼らの指揮はブダガーナ師団長に任されていた。その師団長が突撃命令を出しても、民兵たちは立ちすくんでいた。戦うどころか、敵前逃亡しかねない雰囲気があった。
きっかけは、ほんの数人がつくった。正規軍の壮絶な戦いを見せつけられ、興奮して何人かが飛び出したのである。
彼らの突出が民兵たちの心を揺さぶった。棒立ちしているのが耐えがたくなり、理性が消え、闘争心が恐怖心を凌駕した。
気がつくと、彼らは走り出していた。雪崩のような民兵の突撃が始まったのである。すさまじい鬨の声がわきあがり、彼らは剣や斧をふりかざして野豚の大群に挑みかかった。
剣などふるったことのない彼らはやけっぱちで野豚を斬った。やってみると、意外と簡単に野豚は絶命した。あとは無我夢中だった。狂戦士のようになって、彼らは殺戮に邁進した。
ブダペスト市民軍二百万の一斉突撃は、平原を屠殺場に一変させた。眠っていた狩猟民族の血がめざめたように、彼らは目を血走らせて凶暴に野豚を狩った。全戦域で志願兵はわめき、叫び、我を忘れて剣をふるった。武器が弾き飛ばされたら、素手で野豚の鼻を叩いた。
民兵たちの戦いは洗練されていなかったが、それだけに凄絶だった。二百万のにわか狩人たちは初陣の熱狂をそのまま野豚に叩きつけた。豚津波は強靭な堤防にぶち当たったのだ。このとき初めて、人間軍は優位に立ったのである。
人間軍の攻勢は、野豚の前進の性質を劇的に変えた。今までは闇雲に突進していただけだったのに、人間と人間の間をかいくぐろうとするようになったのだ。草食動物の本能がよみがえったみたいだった。彼らの顔に一様に怯えが走った。
野豚の群れ全体に、人間恐怖症が伝染していった。彼らは前の豚がするように、人間を避けて前に出ようとし始めた。
すり抜けようとする野豚を狩るのは、狂ったように暴走してくる豚を殺すより、遥かに容易だった。プレッシャーが段ちがいに少ない。怖さがない。
人間軍はますます勢いづき、歓声をあげてばっさばっさと斬りまくった。煉獄盆地で火攻め、水攻めをものともしなかった野豚が、今は家畜豚のようになっていた。
移り気な勝利の女神が気まぐれな微笑みを人類に見せていた局面であった。
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