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第51話 在位九日めの出陣
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新女王は在位九日めにして、最大の危機を迎えた。
すなわち、野豚の大群のブダペストへの到来。
首都が陥落するかもしれないほどの危機など、豚王国史上初のことであった。
豚王国は、大牧場の主であった初代豚王が、大牧場主同士の抗争に勝ち抜いて建国された。その発祥の牧場があったのが、ブダペストであった。多くの街道が集まる地の利もあったことから、ここは豚王国の首都とされた。この地はいつも厳重に守られ、他国の侵略を許したことは一度もなかった。
しかし野豚は遊子高原から北上し、ロンドン軍が迎撃作戦を敢行した煉獄盆地を突破し、以後さえぎる者もないまま、ブダペストへ向かって突進してきた。
女王自ら徴兵活動に邁進し、彼女は二百万人の兵を得た。この軍勢が、ブダペストを守る最後の盾であった。
在位九日めの未明、彼女は侍女に起こされ、黒い軍服を着た。左胸に最高司令官を表す金の三つ星の徽章がついている。
軍務大臣が迎えに来て、彼女を城門までエスコートした。
そこで女王と大臣は人骨車に乗り込んだ。
豚五頭が引く人骨車は八キロメートルほど南へ走り、日の出の頃、キャベツ畑が広がる平原に到着した。そこにはすでにブダペスト防衛軍二百万が布陣していた。
ブダペスト師団と近隣都市の師団など、生粋の豚王正規軍が十三万。これは先鋒に配置されていた。彼らが斬り込み役となって野豚の大群を止めなければ、数は膨大だが烏合の衆である志願兵は、たちまち逃散してしまうだろう。
女王の呼びかけに応じて集まった民間人の志願兵は二百万弱。よくもこれだけ集まったものだと言っていい。しかし彼らは武器を支給されただけで、ほとんど訓練も受けておらず、整列もままならない急造の軍隊である。まともに戦えるのか、はなはだ疑問であった。
この民兵の大軍が機能しなければ、到底勝つことができないところに、野豚との戦いの苦しさがあった。彼らが一人前の兵士としての働きをしなければ、未だ億を超える野豚の大群を粉砕することはできない。
全軍の最深部に司令部のテントがある。女王は軍務大臣と共にそこに入った。周りには女王の親衛隊千名が守備を固めている。
テントにはキャベツの旗印がひるがえっていた。豚王国伝統の豚鼻マークを女王が嫌い、急遽つくられた旗だった。その軍旗は正規軍の兵士たちを少し残念がらせ、志願兵たちには圧倒的に支持されていた。
午前八時頃、女王はテントから外に出た。まだ野豚の姿は見えない。
「みんな、ブダペストを守ろう! あたしのためじゃなく、ブダペストのために戦ってくれ!」と彼女は叫んだ。
「女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!」
全軍が女王コールをした。
午前九時頃、野豚があげる土煙が見えてきた。地平線全体に広がるこの世のものとは思えない土煙のカーテンが、ブダペスト防衛軍を包み込むように接近してくる。
二百万もの大軍が一回の会戦でその総力を出して戦ったことは、豚王国の建国戦争のときですら例はない。それほどの大軍も、野豚の大群を前にすると、ろうそくの灯のように頼りなかった。
野豚がつくり出す局地性地震で、司令部のテントも揺れていた。
「この揺れ、やつらのせいなの?」と女王はつぶやいた。
動物が地表を揺らすなんて、どうかしている。彼女は、揺れやまない地震と耳をふさぎたくなるような地鳴りが信じられなかった。
軍務大臣もこれほどのものとは予想していなかったのか、沈痛な表情をしていた。
「厳しい戦いになりそうですね。やつらはブダノーサを一日で破壊し尽くした、と聞いています。進むことしか知らず、何もかもぶち壊して行進すると。我々は全滅覚悟で最後の一兵まで戦わねばなりません」
「二百万の大軍でもだめなの?」
「野豚の数を仮に十億とすれば、我々は一人で五百匹の豚を殺さねばなりません。それも猛々しく突進してくる野豚を。そんなことは不可能です。疲れ切って、やつらに飲み込まれてしまう。私が期待しているのは、やつらの何割かでも討ち果たし、やつらの進路をブダペストから逸らすことです」
二百万の大軍を集めて勝てる、と思っていた女王の顔がみるみる曇っていった。彼女はテントの隙間から野豚のつくり出す土煙をのぞき見た。その異常な光景が、軍務大臣の言葉を裏付けていた。
土煙と地震と地鳴りのため、兵士たちは明らかに動揺していた。彼らの「だいじょうぶなのか?」「あんなのと戦うのかよ」「無理だろ?」などというざわめきが、女王の胸をぎゅっと締めつけた。
「陛下、そんな顔をなさらないでください」
「だって、あの人たちがみんな死んじゃうかもしれないんでしょ? 全滅覚悟だなんて、あたし、そこまで考えてなかった。勝てると思っていたの! 負ける戦いだったら、あの人たちを徴兵するんじゃなかった!」
「勝つか負けるかは、やってみなければわかりません。我々はブダペストを守るために全力で戦うのみです。陛下は兵士たちが喜んで死ねるように、笑っていてください」
軍務大臣は慈父のようなやさしい口調で言った。
女王は自分が即位したのを後悔した。兵が喜んで死ねるように笑う?
そんな笑みは浮かべたくなかった。そんなつらい微笑みをすることが女王の役目だと知っていたら、即位しなかった。
彼女はそれでも微笑んだ。
「わかった。軍務大臣、みんな、祖国のために死んで……。あたしも死ぬから……」
大臣と軍の首脳たちはうなずいた。
「最前列の野豚が見えてきました!」
連絡将校がテントに駆け込んできて注進した。女王と軍務大臣が同時に立ち上がった。
女王はテントから出た。
彼女は二百万の兵士たちの視線がいっせいに集まるのを意識した。自分を見て、彼らの顔がまぶしいぐらいに輝くのがわかった。
彼女は必死に笑顔をつくって、右手を挙げた。兵士たちが大歓声をあげた。
もうだめだ、とても笑ってなんかいられない。
女王は目を閉じて、両手を合わせ、信じ切れない勝利を祈った。
軍務大臣は参謀長、ブダペスト師団長と最後の打ち合わせをした。師団長は最前線で戦闘の指揮をとることになっていた。
野豚との距離が二百メートルを切ったら、まず正規軍十三万がいっせいに矢を射かける。そのあとで、白兵戦を展開する。豚王軍精鋭の総力を挙げて野豚の突進を止め、民兵がそれに続く、というシンプルな作戦だった。
その確認を終え、ブダペスト師団長は早豚に乗り、精鋭たちの待つ最前線へと出ていった。
すなわち、野豚の大群のブダペストへの到来。
首都が陥落するかもしれないほどの危機など、豚王国史上初のことであった。
豚王国は、大牧場の主であった初代豚王が、大牧場主同士の抗争に勝ち抜いて建国された。その発祥の牧場があったのが、ブダペストであった。多くの街道が集まる地の利もあったことから、ここは豚王国の首都とされた。この地はいつも厳重に守られ、他国の侵略を許したことは一度もなかった。
しかし野豚は遊子高原から北上し、ロンドン軍が迎撃作戦を敢行した煉獄盆地を突破し、以後さえぎる者もないまま、ブダペストへ向かって突進してきた。
女王自ら徴兵活動に邁進し、彼女は二百万人の兵を得た。この軍勢が、ブダペストを守る最後の盾であった。
在位九日めの未明、彼女は侍女に起こされ、黒い軍服を着た。左胸に最高司令官を表す金の三つ星の徽章がついている。
軍務大臣が迎えに来て、彼女を城門までエスコートした。
そこで女王と大臣は人骨車に乗り込んだ。
豚五頭が引く人骨車は八キロメートルほど南へ走り、日の出の頃、キャベツ畑が広がる平原に到着した。そこにはすでにブダペスト防衛軍二百万が布陣していた。
ブダペスト師団と近隣都市の師団など、生粋の豚王正規軍が十三万。これは先鋒に配置されていた。彼らが斬り込み役となって野豚の大群を止めなければ、数は膨大だが烏合の衆である志願兵は、たちまち逃散してしまうだろう。
女王の呼びかけに応じて集まった民間人の志願兵は二百万弱。よくもこれだけ集まったものだと言っていい。しかし彼らは武器を支給されただけで、ほとんど訓練も受けておらず、整列もままならない急造の軍隊である。まともに戦えるのか、はなはだ疑問であった。
この民兵の大軍が機能しなければ、到底勝つことができないところに、野豚との戦いの苦しさがあった。彼らが一人前の兵士としての働きをしなければ、未だ億を超える野豚の大群を粉砕することはできない。
全軍の最深部に司令部のテントがある。女王は軍務大臣と共にそこに入った。周りには女王の親衛隊千名が守備を固めている。
テントにはキャベツの旗印がひるがえっていた。豚王国伝統の豚鼻マークを女王が嫌い、急遽つくられた旗だった。その軍旗は正規軍の兵士たちを少し残念がらせ、志願兵たちには圧倒的に支持されていた。
午前八時頃、女王はテントから外に出た。まだ野豚の姿は見えない。
「みんな、ブダペストを守ろう! あたしのためじゃなく、ブダペストのために戦ってくれ!」と彼女は叫んだ。
「女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!女王!」
全軍が女王コールをした。
午前九時頃、野豚があげる土煙が見えてきた。地平線全体に広がるこの世のものとは思えない土煙のカーテンが、ブダペスト防衛軍を包み込むように接近してくる。
二百万もの大軍が一回の会戦でその総力を出して戦ったことは、豚王国の建国戦争のときですら例はない。それほどの大軍も、野豚の大群を前にすると、ろうそくの灯のように頼りなかった。
野豚がつくり出す局地性地震で、司令部のテントも揺れていた。
「この揺れ、やつらのせいなの?」と女王はつぶやいた。
動物が地表を揺らすなんて、どうかしている。彼女は、揺れやまない地震と耳をふさぎたくなるような地鳴りが信じられなかった。
軍務大臣もこれほどのものとは予想していなかったのか、沈痛な表情をしていた。
「厳しい戦いになりそうですね。やつらはブダノーサを一日で破壊し尽くした、と聞いています。進むことしか知らず、何もかもぶち壊して行進すると。我々は全滅覚悟で最後の一兵まで戦わねばなりません」
「二百万の大軍でもだめなの?」
「野豚の数を仮に十億とすれば、我々は一人で五百匹の豚を殺さねばなりません。それも猛々しく突進してくる野豚を。そんなことは不可能です。疲れ切って、やつらに飲み込まれてしまう。私が期待しているのは、やつらの何割かでも討ち果たし、やつらの進路をブダペストから逸らすことです」
二百万の大軍を集めて勝てる、と思っていた女王の顔がみるみる曇っていった。彼女はテントの隙間から野豚のつくり出す土煙をのぞき見た。その異常な光景が、軍務大臣の言葉を裏付けていた。
土煙と地震と地鳴りのため、兵士たちは明らかに動揺していた。彼らの「だいじょうぶなのか?」「あんなのと戦うのかよ」「無理だろ?」などというざわめきが、女王の胸をぎゅっと締めつけた。
「陛下、そんな顔をなさらないでください」
「だって、あの人たちがみんな死んじゃうかもしれないんでしょ? 全滅覚悟だなんて、あたし、そこまで考えてなかった。勝てると思っていたの! 負ける戦いだったら、あの人たちを徴兵するんじゃなかった!」
「勝つか負けるかは、やってみなければわかりません。我々はブダペストを守るために全力で戦うのみです。陛下は兵士たちが喜んで死ねるように、笑っていてください」
軍務大臣は慈父のようなやさしい口調で言った。
女王は自分が即位したのを後悔した。兵が喜んで死ねるように笑う?
そんな笑みは浮かべたくなかった。そんなつらい微笑みをすることが女王の役目だと知っていたら、即位しなかった。
彼女はそれでも微笑んだ。
「わかった。軍務大臣、みんな、祖国のために死んで……。あたしも死ぬから……」
大臣と軍の首脳たちはうなずいた。
「最前列の野豚が見えてきました!」
連絡将校がテントに駆け込んできて注進した。女王と軍務大臣が同時に立ち上がった。
女王はテントから出た。
彼女は二百万の兵士たちの視線がいっせいに集まるのを意識した。自分を見て、彼らの顔がまぶしいぐらいに輝くのがわかった。
彼女は必死に笑顔をつくって、右手を挙げた。兵士たちが大歓声をあげた。
もうだめだ、とても笑ってなんかいられない。
女王は目を閉じて、両手を合わせ、信じ切れない勝利を祈った。
軍務大臣は参謀長、ブダペスト師団長と最後の打ち合わせをした。師団長は最前線で戦闘の指揮をとることになっていた。
野豚との距離が二百メートルを切ったら、まず正規軍十三万がいっせいに矢を射かける。そのあとで、白兵戦を展開する。豚王軍精鋭の総力を挙げて野豚の突進を止め、民兵がそれに続く、というシンプルな作戦だった。
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