14 / 19
ロカンタ
しおりを挟む
トルコに行ったらぜひ訪れたい観光地がふたつあった。
ひとつはカッパドキア。これは昨日満喫した。
もうひとつはパムッカレだ。トルコ語で「綿の宮殿」という意味。
写真を見ると、棚田のような形状の真っ白い石灰棚が高台から低地まで連綿とつづき、棚のひとつひとつにエメラルドブルーに輝く温泉がたまっている。美しい……。
しかしこの観光地、温泉が涸れ、がっかりスポットと化しているという記事がネットで散見された。
がっかりかあ。
あまり期待しないで行くことにしよう。
ネヴシェヒルのホテルをチェックアウトし、オトガルに行って、パムッカレ観光の起点の街デニズリまでのチケットを購入した。
バスの発車時刻まで時間がある。その間に昼食を取ろう。
わたしはオトガルの近くにあるロカンタに入った。
ロカンタとはトルコの家庭料理などが食べられる大衆食堂のこと。
ショーケースにたくさんの料理が並んでいた。
煮込み料理が多い。どれも美味しそうで、選択に迷った。
クル・ファスリエというトルコ人のソウルフードがある。それを食べてみよう。
乾燥した白いインゲン豆を水で戻してから、トマト、羊肉、玉ねぎ、にんじんなどとともに煮込んだ料理で、トルコの家庭ではピラフとともに食べることが多いらしい。
ショーケースのどの料理がそれなのかわからない。
「プリーズ、クル・ファスリエ、アンド、ピラフ!」とわたしは言った。
店員が笑顔で料理を盛ったお皿をふたつ渡してくれた。
わたしは頭を軽く下げ、トレイを持って、空いているテーブルを探した。
クル・ファスリエは要するにトマト味の豆スープだった。
肉も入っていて、とても美味しい。
ピラフも塩とバターで味付けされていて旨い。
トルコ料理ははずれが少なくて、当たりが多い。トマトが嫌いだったり、ヨーグルトソースが苦手だったりする人にとっては、はずれが多くなるかもしれないが、わたしは好き嫌いがほとんどない。甘いのも辛いのも好き。肉も魚も野菜も好き。お米も麺も好き。
トルコ料理が大好きだ。思い返してみれば、はずれが少ないどころか、いままではずれたことが一度もない。
ロカンタいいな、と遅まきながら気づいた。
イスタンブールでは屋台以外は、きちんとしたレストランにばかり入っていたが、ロカンタを使えば、格安で絶品料理が食べられる。
イスタンブールにも数多くのロカンタがある。入っておけばよかったな。
ひとつはカッパドキア。これは昨日満喫した。
もうひとつはパムッカレだ。トルコ語で「綿の宮殿」という意味。
写真を見ると、棚田のような形状の真っ白い石灰棚が高台から低地まで連綿とつづき、棚のひとつひとつにエメラルドブルーに輝く温泉がたまっている。美しい……。
しかしこの観光地、温泉が涸れ、がっかりスポットと化しているという記事がネットで散見された。
がっかりかあ。
あまり期待しないで行くことにしよう。
ネヴシェヒルのホテルをチェックアウトし、オトガルに行って、パムッカレ観光の起点の街デニズリまでのチケットを購入した。
バスの発車時刻まで時間がある。その間に昼食を取ろう。
わたしはオトガルの近くにあるロカンタに入った。
ロカンタとはトルコの家庭料理などが食べられる大衆食堂のこと。
ショーケースにたくさんの料理が並んでいた。
煮込み料理が多い。どれも美味しそうで、選択に迷った。
クル・ファスリエというトルコ人のソウルフードがある。それを食べてみよう。
乾燥した白いインゲン豆を水で戻してから、トマト、羊肉、玉ねぎ、にんじんなどとともに煮込んだ料理で、トルコの家庭ではピラフとともに食べることが多いらしい。
ショーケースのどの料理がそれなのかわからない。
「プリーズ、クル・ファスリエ、アンド、ピラフ!」とわたしは言った。
店員が笑顔で料理を盛ったお皿をふたつ渡してくれた。
わたしは頭を軽く下げ、トレイを持って、空いているテーブルを探した。
クル・ファスリエは要するにトマト味の豆スープだった。
肉も入っていて、とても美味しい。
ピラフも塩とバターで味付けされていて旨い。
トルコ料理ははずれが少なくて、当たりが多い。トマトが嫌いだったり、ヨーグルトソースが苦手だったりする人にとっては、はずれが多くなるかもしれないが、わたしは好き嫌いがほとんどない。甘いのも辛いのも好き。肉も魚も野菜も好き。お米も麺も好き。
トルコ料理が大好きだ。思い返してみれば、はずれが少ないどころか、いままではずれたことが一度もない。
ロカンタいいな、と遅まきながら気づいた。
イスタンブールでは屋台以外は、きちんとしたレストランにばかり入っていたが、ロカンタを使えば、格安で絶品料理が食べられる。
イスタンブールにも数多くのロカンタがある。入っておけばよかったな。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
結婚式の夜、突然豹変した夫に白い結婚を言い渡されました
鳴宮野々花
恋愛
オールディス侯爵家の娘ティファナは、王太子の婚約者となるべく厳しい教育を耐え抜いてきたが、残念ながら王太子は別の令嬢との婚約が決まってしまった。
その後ティファナは、ヘイワード公爵家のラウルと婚約する。
しかし幼い頃からの顔見知りであるにも関わらず、馬が合わずになかなか親しくなれない二人。いつまでもよそよそしいラウルではあったが、それでもティファナは努力し、どうにかラウルとの距離を縮めていった。
ようやく婚約者らしくなれたと思ったものの、結婚式当日のラウルの様子がおかしい。ティファナに対して突然冷たい態度をとるそっけない彼に疑問を抱きつつも、式は滞りなく終了。しかしその夜、初夜を迎えるはずの寝室で、ラウルはティファナを冷たい目で睨みつけ、こう言った。「この結婚は白い結婚だ。私が君と寝室を共にすることはない。互いの両親が他界するまでの辛抱だと思って、この表面上の結婚生活を乗り切るつもりでいる。時が来れば、離縁しよう」
一体なぜラウルが豹変してしまったのか分からず、悩み続けるティファナ。そんなティファナを心配するそぶりを見せる義妹のサリア。やがてティファナはサリアから衝撃的な事実を知らされることになる──────
※※腹立つ登場人物だらけになっております。溺愛ハッピーエンドを迎えますが、それまでがドロドロ愛憎劇風です。心に優しい物語では決してありませんので、苦手な方はご遠慮ください。
※※不貞行為の描写があります※※
※この作品はカクヨム、小説家になろうにも投稿しています。
株式投資日記
小狸日
経済・企業
自分が行っている株式投資の記録を残しています。
初心者は記録を付けた方が良いという話を聞いて、今からでもと自分の行動の見直しを考え行う事にしました。
正直、株って難しいけど、面白いかも。
生活資金位は稼げる様にと奮闘中です(;^_^A
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ありのままのわたしを愛して
彩華(あやはな)
恋愛
私、ノエルは左目に傷があった。
そのため学園では悪意に晒されている。婚約者であるマルス様は庇ってくれないので、図書館に逃げていた。そんな時、外交官である兄が国外視察から帰ってきたことで、王立大図書館に行けることに。そこで、一人の青年に会うー。
私は好きなことをしてはいけないの?傷があってはいけないの?
自分が自分らしくあるために私は動き出すー。ありのままでいいよね?
あなたがわたしを本気で愛せない理由は知っていましたが、まさかここまでとは思っていませんでした。
ふまさ
恋愛
「……き、きみのこと、嫌いになったわけじゃないんだ」
オーブリーが申し訳なさそうに切り出すと、待ってましたと言わんばかりに、マルヴィナが言葉を繋ぎはじめた。
「オーブリー様は、決してミラベル様を嫌っているわけではありません。それだけは、誤解なきよう」
ミラベルが、当然のように頭に大量の疑問符を浮かべる。けれど、ミラベルが待ったをかける暇を与えず、オーブリーが勢いのまま、続ける。
「そう、そうなんだ。だから、きみとの婚約を解消する気はないし、結婚する意思は変わらない。ただ、その……」
「……婚約を解消? なにを言っているの?」
「いや、だから。婚約を解消する気はなくて……っ」
オーブリーは一呼吸置いてから、意を決したように、マルヴィナの肩を抱き寄せた。
「子爵令嬢のマルヴィナ嬢を、あ、愛人としてぼくの傍に置くことを許してほしい」
ミラベルが愕然としたように、目を見開く。なんの冗談。口にしたいのに、声が出なかった。
愛されなければお飾りなの?
まるまる⭐️
恋愛
リベリアはお飾り王太子妃だ。
夫には学生時代から恋人がいた。それでも王家には私の実家の力が必要だったのだ。それなのに…。リベリアと婚姻を結ぶと直ぐ、般例を破ってまで彼女を側妃として迎え入れた。余程彼女を愛しているらしい。結婚前は2人を別れさせると約束した陛下は、私が嫁ぐとあっさりそれを認めた。親バカにも程がある。これではまるで詐欺だ。
そして、その彼が愛する側妃、ルルナレッタは伯爵令嬢。側妃どころか正妃にさえ立てる立場の彼女は今、夫の子を宿している。だから私は王宮の中では、愛する2人を引き裂いた邪魔者扱いだ。
ね? 絵に描いた様なお飾り王太子妃でしょう?
今のところは…だけどね。
結構テンプレ、設定ゆるゆるです。ん?と思う所は大きな心で受け止めて頂けると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる