2 / 37
ツイッター中毒
しおりを挟む
数年前までツイッターにはまっていた。今はやっていない。
始めたときは、SNSが何なのかも理解していなかった。知り合いがツイッターをやっていて、面白いよと言うので、じゃあ僕もやってみようかという軽い気持ちで始めた。
仕事に支障を来たすほどはまるとは、そのときは思っていなかった。
最初は使い方もよくわからなかった。フォローとフォロワーが何かも知らなかった。とにかく140文字以内で何か書いて発信するのだな、という程度の理解しかなかった。とりあえず始めたが、プロフィール画像はしばらく初期設定の鳥のままだった。
僕は文章を書くのは割と好きな方で、ほとんど苦にならない。深夜アニメのことを書いて、発信し始めた。僕のことをフォローしてくれる人が現れた。おお、と思った。うれしかった。フォロー返しをした。
アニメについて書いている人を何人かフォローしてみた。すると、フォロー返しをしてくれる人がいた。そうか、こうやってフォローとフォロワーを増やしていくのだな。大勢の人と繋がれるのだ、ということがわかってきた。
僕は主にアニメについて精力的に発信し、フォロー返しを期待して、たくさんの人をフォローした。返してくれない人のフォローはやめた。そのようにして、フォローとフォロワーを増やしていった。最終的にはどちらも軽く千人を超えた。こちらからフォローをしないで、発信力だけでフォロワーが千人になったのならそれなりに大したものなのだろうが、こんな手法で増やした千人だから多いとは言えない。たぶん著名人ではなく、特別に優れたツイートができるわけでもないふつうの利用者は、僕と同じようなやり方をしているのではないかと想像する。
フォロワーと対話するようなことも増えてきた。ツイッター、なんて楽しいんだと思い、はまり出した。この初期の段階が、ツイッターを一番純粋に楽しんでいた頃だ。好きなアニメ、小説、アートについて発信していると、作家やアーティストからツイートが舞い込んでくることもあった。え、これ本人なの、と思ってびっくりした。著名人と繋がれて、対話ができる。すごい。ツイッター、なんて面白いんだ。
僕は趣味でイラストを描くので、プロフィール画像を自分で描いたアニメキャラに変えた。
フォロワーをどんどん増やしたいと思い、フォローしまくり、フォロー返しがなければ翌日にはフォローをやめるというようなことを毎日やっていた。釣りが好きなので、釣りについてのツイートをして、同じく釣りについて発信している人とも繋がろうとした。
僕のツイートに反応してくれる人は少なかったが、何人かはいた。タイムラインを見てこちらから絡んでいくと、返信してくれる確率が高いことも知った。親しく話せる人が何人かできた。対話は楽しかった。
何人かとはオフ会すらした。これがオフ会というものかと思い、感動していた。生身のつきあいで親しい人もできて、何回かオフ会を重ねる人まで出現した。ダイレクトメッセージのやりとりをした。異性だと思っていた人が、同性だったこともあって驚いた。なるほど、SNSでは性別を変えて遊んでいる人がいるのだなと知り、それは別にめずらしいことではないのだろうと理解した。
さて、ここまでは楽しいことばかり書いてきたが、みなさんご存じのとおり、SNSには負の側面がある。オフ会で実際に会ってみたら、期待していた人とはちがってがっかりしたり、対話して議論になり、不愉快になってブロックしたりといったようなことが起こる。匿名なので、過激なことを書いてしまうこともあり、うっかりすると、誰かを批判したりする。批判程度ならまだいいかもしれないが、中傷となるといけない。それをやりかねない怖さがある。下手をすると、炎上することになる。ツイッターで自殺や自傷行為を助長することもあるようだと知った。有名な女性がツイッターで数百件もの誹謗中傷を受けて自殺した事件はまだ記憶に新しい。
僕はそれほどひどいことは体験しなかったが、軽く批判し、批判される程度のことはあった。不愉快になるだけなので、こいういうツイートはするまい、批判されたら無視しようと決めた。
しかし僕にとって最大のツイッター問題は時間を取られ過ぎることだった。朝起きたらすぐにツイッターを見る。仕事から帰ってきたときも同様だ。僕に対するツイートがあれば、ていねいに返信しなければならない。ツイッターが気になってつなぎっ放し。睡眠時間も削ってツイッターをしている。仕事をしているとき、眠くて仕方がない。
これはツイッター中毒だと自覚した。ツイッターの時間を減らさなければならない。このままでは仕事が破綻しかねない。人生も破滅するかもしれない。恐るべしツイッター。
しかし時間を減らすことはむずかしかった。気になって気になってしょうがない。ツイッターで親しくなった人と対話し続けたい。ツイートを減らせば縁が切れてしまうかもしれない。それは避けたい。
うまくツイッターとつきあっている人は、こんなにはまらず、上手に利用しているのだろう。僕もうまくつきあえればよかったのだが、性格的に無理だった。のめり込んでしまう性質なのだ。ギャンブルをやったら破滅するとわかっているので、絶対にやらないと決めている。
僕は人生を守るために、アカウントを削除した。かなりつらい決断だったが、そうするしかなかった。ツイッターのために、睡眠時間が極端に減り、仕事に支障が出て、他のあらゆる趣味の時間が食われている。ツイッターをやめるしかなかった。しばらくは禁断症状と戦わなくてはならなかった。
今また、小説投稿サイトにはまっている。小説等を書くのは苦しいが大好きなので、今度はうまくつきあっていきたい。対話よりも圧倒的に発信が多いので、うまくコントロールできそうな気もするが、自信はない。仕事が忙しくなったり、人生がヤバくなったら、活動休止をするつもり。
始めたときは、SNSが何なのかも理解していなかった。知り合いがツイッターをやっていて、面白いよと言うので、じゃあ僕もやってみようかという軽い気持ちで始めた。
仕事に支障を来たすほどはまるとは、そのときは思っていなかった。
最初は使い方もよくわからなかった。フォローとフォロワーが何かも知らなかった。とにかく140文字以内で何か書いて発信するのだな、という程度の理解しかなかった。とりあえず始めたが、プロフィール画像はしばらく初期設定の鳥のままだった。
僕は文章を書くのは割と好きな方で、ほとんど苦にならない。深夜アニメのことを書いて、発信し始めた。僕のことをフォローしてくれる人が現れた。おお、と思った。うれしかった。フォロー返しをした。
アニメについて書いている人を何人かフォローしてみた。すると、フォロー返しをしてくれる人がいた。そうか、こうやってフォローとフォロワーを増やしていくのだな。大勢の人と繋がれるのだ、ということがわかってきた。
僕は主にアニメについて精力的に発信し、フォロー返しを期待して、たくさんの人をフォローした。返してくれない人のフォローはやめた。そのようにして、フォローとフォロワーを増やしていった。最終的にはどちらも軽く千人を超えた。こちらからフォローをしないで、発信力だけでフォロワーが千人になったのならそれなりに大したものなのだろうが、こんな手法で増やした千人だから多いとは言えない。たぶん著名人ではなく、特別に優れたツイートができるわけでもないふつうの利用者は、僕と同じようなやり方をしているのではないかと想像する。
フォロワーと対話するようなことも増えてきた。ツイッター、なんて楽しいんだと思い、はまり出した。この初期の段階が、ツイッターを一番純粋に楽しんでいた頃だ。好きなアニメ、小説、アートについて発信していると、作家やアーティストからツイートが舞い込んでくることもあった。え、これ本人なの、と思ってびっくりした。著名人と繋がれて、対話ができる。すごい。ツイッター、なんて面白いんだ。
僕は趣味でイラストを描くので、プロフィール画像を自分で描いたアニメキャラに変えた。
フォロワーをどんどん増やしたいと思い、フォローしまくり、フォロー返しがなければ翌日にはフォローをやめるというようなことを毎日やっていた。釣りが好きなので、釣りについてのツイートをして、同じく釣りについて発信している人とも繋がろうとした。
僕のツイートに反応してくれる人は少なかったが、何人かはいた。タイムラインを見てこちらから絡んでいくと、返信してくれる確率が高いことも知った。親しく話せる人が何人かできた。対話は楽しかった。
何人かとはオフ会すらした。これがオフ会というものかと思い、感動していた。生身のつきあいで親しい人もできて、何回かオフ会を重ねる人まで出現した。ダイレクトメッセージのやりとりをした。異性だと思っていた人が、同性だったこともあって驚いた。なるほど、SNSでは性別を変えて遊んでいる人がいるのだなと知り、それは別にめずらしいことではないのだろうと理解した。
さて、ここまでは楽しいことばかり書いてきたが、みなさんご存じのとおり、SNSには負の側面がある。オフ会で実際に会ってみたら、期待していた人とはちがってがっかりしたり、対話して議論になり、不愉快になってブロックしたりといったようなことが起こる。匿名なので、過激なことを書いてしまうこともあり、うっかりすると、誰かを批判したりする。批判程度ならまだいいかもしれないが、中傷となるといけない。それをやりかねない怖さがある。下手をすると、炎上することになる。ツイッターで自殺や自傷行為を助長することもあるようだと知った。有名な女性がツイッターで数百件もの誹謗中傷を受けて自殺した事件はまだ記憶に新しい。
僕はそれほどひどいことは体験しなかったが、軽く批判し、批判される程度のことはあった。不愉快になるだけなので、こいういうツイートはするまい、批判されたら無視しようと決めた。
しかし僕にとって最大のツイッター問題は時間を取られ過ぎることだった。朝起きたらすぐにツイッターを見る。仕事から帰ってきたときも同様だ。僕に対するツイートがあれば、ていねいに返信しなければならない。ツイッターが気になってつなぎっ放し。睡眠時間も削ってツイッターをしている。仕事をしているとき、眠くて仕方がない。
これはツイッター中毒だと自覚した。ツイッターの時間を減らさなければならない。このままでは仕事が破綻しかねない。人生も破滅するかもしれない。恐るべしツイッター。
しかし時間を減らすことはむずかしかった。気になって気になってしょうがない。ツイッターで親しくなった人と対話し続けたい。ツイートを減らせば縁が切れてしまうかもしれない。それは避けたい。
うまくツイッターとつきあっている人は、こんなにはまらず、上手に利用しているのだろう。僕もうまくつきあえればよかったのだが、性格的に無理だった。のめり込んでしまう性質なのだ。ギャンブルをやったら破滅するとわかっているので、絶対にやらないと決めている。
僕は人生を守るために、アカウントを削除した。かなりつらい決断だったが、そうするしかなかった。ツイッターのために、睡眠時間が極端に減り、仕事に支障が出て、他のあらゆる趣味の時間が食われている。ツイッターをやめるしかなかった。しばらくは禁断症状と戦わなくてはならなかった。
今また、小説投稿サイトにはまっている。小説等を書くのは苦しいが大好きなので、今度はうまくつきあっていきたい。対話よりも圧倒的に発信が多いので、うまくコントロールできそうな気もするが、自信はない。仕事が忙しくなったり、人生がヤバくなったら、活動休止をするつもり。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
カルバート
角田智史
エッセイ・ノンフィクション
連想させるのは地下を走る水。
あまり得るものはないかもしれません。
こんな人間がいる、こんな経験がある、それを知る事でまたあなた自身を振り返る、これからのあなたを考える、そのお手伝いが少しでもできればいいかなと思っています。
また時折出てくる対人間関係のアドラー、フロム、ニーチェに感化された僕の考え方が今後の皆様の生活の参考になる事があれば、幸いです。
もし最後まで、僕にお付き合いされる方がいらっしゃれば、心より感謝致します。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
絶対に笑える作者の日常・爆笑した話集
湯川仁美
エッセイ・ノンフィクション
作者:湯川梨乃(32歳)
職業・小学校保健室勤務。
見かけは派手だが、中身は超絶真面目で堅物人間。
夫:湯川総一郎(35歳)
職業・大手会社員の若手管理職。
日本有数の高級住宅街で生まれ、育ったお坊ちゃま。
そんな夫婦を中心に起こる日常の爆笑話。
※名前、年齢、登場人物の年齢や名前はもちろん仮名ですが設定や内容は事実です。
さたけの男女四人ルームシェア日記
茶竹抹茶竹
エッセイ・ノンフィクション
20歳の男女2人と30歳男2人が色々あってルームシェア。部屋が足りなくてリビングにテントをこしらえたり、極度の人見知りが故に1人はずっと部屋から出てこなかったり。
なし崩し的に家長となった私のノンフィクションエッセイ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる