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二章 恋愛編
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私より一時間後に一賀課長は帰宅した。
夕飯を食べて入浴を済ませて、あとは寝るだけの状態でリビングのソファーに座って二人でテレビを見ている。同じソファーの端と端に座っているので、ふたり分くらいのスペースが間には空いている。
まあテレビを見ているのは私だけで、一賀課長は雑誌を読んでいるのだけど。
喧嘩しているわけではないけれど、妙に気まずい。
色々聞かなければいけないことがあって、どれから聞こうか考えるものの、いまいち考えがまとまらない。
噛み跡をなぜ隠さないんですか、とか、つがいって結局何、とか。
それと、
私たちってお付き合いしているんですか、とか…………。
でも聞いていいのかな? これ聞いていい質問なのかな? ひょっとしてアンタッチャブルな部分だったりしない? そうだ、同級生から聞いた恋バナで、そういうのを聞くと重い女に思われるとか聞いたことある。だからタイミングを見計らって聞かなきゃいけないとーーータイミングがわからないよ!
手から変な汗が出てきて、持っていたリモコンを落としてしまった。
「…………っくく」
なぜか笑いを堪えたような声が聞こえた。思わず一賀課長を睨む。どうやら私が懊悩していたのを観察していたらしい。趣味悪い。知ってたけど。
「俺に何か聞きたい?」
よく分かるなと感心する。何か言いたい? じゃなくて聞きたい? だもんね。
このまま言わないで察して頂けないだろうか。じっと見ると一賀課長はため息をつく。
「……だめだよ。ちゃんと自分の口から説明して」
やっぱりだめか。
篤と道雄は私に対して異様に察しが良くて、質問や疑問は聞く前に察して答えてくれるタイプだ。そういうのに慣れてしまうと一から説明して質問をする、というのは慣れないので難しい。もちろん会社ではそんな事は言っていられないので、きちんと質問疑問は口にして聞く努力はしているけれど。
……まずは簡単なところから聞くことにした。
「その首の噛み跡、隠しませんか?」
「必要ない」
即答で一蹴された。そう言うのはわかってた。
……もういいや。課の人は見ているだろうし今更絆創膏貼ったところで手遅れだ。でも一賀課長のファンが気がついていたら、たぶん刺激する部分だから、それだけが気が重い。
「……つがい、って、なんですか」
「そのうちわかるよ」
……なんか課長が悪い顔になってるんですけど。なに、そのうちって。身をもって体験しろと言うわけですか? 酷い。
「他は?」
「え?」
「他に聞きたい事は?」
「……」
一番聞きたい事はある。
でもそれを聞いて、もし、違うって言われたら。
(どうしよう)
答えを聞くのが怖くて質問する口が動かない、なんて初めて知った。
私は、一度瞬いた。
それだけなのに、なぜか目から大粒の涙がポロポロ落ち出した。
感覚としては、本当に目から水が溢れたみたいな感覚だった。だからきっと私の顔もびっくりしていたと思う。
「……なぜ泣く?」
眉間に皺を寄せながら一賀課長が聞く。
確かに、いきなり泣くのはおかしい……それに鬱陶しい。これだと本当に重い女だ。
とりあえず涙を拭くタオルを取りに行こうとソファーから立ち上がるとーーーすぐに腕を引っ張られて凄い勢いで引き戻され向かい合うように座る事になった。顔が近い。
「なんで泣いたの」
それでも言い出せない私の涙は止まらなかった。涙っていうより水。水が止まらない。
すると一賀課長は涙を吸い取るように、顔中にキスをする。
「……ほら言って?」
この後に及んで言わせたいらしい。
優しいキスとは対照的に、言わなければ解放してくれそうにないほどがっちり両腕を掴まれている。
「………………その、私と、……………つ……付き合っているの、って、聞こうと思ったら、なんか」
観念して噛み噛みで言う私に、一賀課長は言う。
「俺と君が付き合っているかどうか?」
私は頷く。
「……一緒に住んでる」
「だって、それは危険だから、私を守るためって」
「婚約者だろう?」
「そういう契約だって」
「セックスしてキスして一緒に暮らして親公認の婚約者なのに、付き合っているかどうかわからないの?」
色々反論したい事はある。
性交渉は最初から目的があっての事だったし、親公認というのも微妙に違うような? あれってそもそも篤を納得させる為だけに了解とっただけじゃ……
けれど反論は出来なかった。キスで唇を塞がれていたからだ。次第についばむようなキスに変わり、思わず身体が反応する。ゾクゾクして指先が震える。涙はいつの間にか止まっていた。
それが答えなのはわかった。でも普通に言葉で言えばいいんじゃないかな? わざわざキスしなくてもいいんじゃないかな? そっちの方が恥ずかしくありませんか? しかも笑いながらキスされている。納得いかない。
「そんな事で泣くなんて……」
一賀課長は私の顔を覗き込んで、目を細めた。
「もっと俺の事で泣いてくれそうだ。楽しみだよ」
ほ……本物の変態が出た……!
思わず逃げの姿勢になったら抱きしめられ、首すじに唇が落ちたと思ったら噛み付かれた。
「ッあ、う……、ぁ………ッ」
快感が、噛まれたところからさざ波のように広がり、息がつまる。
噛まれて痛いどころか気持ち良いいのに慣れない。つがいだからなのはわかるけど、まるで身体が作り変えられてしまったようだ。
手が服の中に入ってきて肌に直接触れた。
「……ま、まって」
ボーっとなりそうな所を、頭を振ってガードした。
「今日、は、だめ」
「……なぜ」
「ま、まだ月曜日だから、次の日も会社がある日はだめです。…………週末なら、その、大丈夫ですけど」
言うと、スッと服の中から手が引いた。少しホッとして乱れた服を直す。
まだ三回しかしていないけれど、だんだんハードになっていっている気がするしーーーその、初めていたした日は翌日も会社だったわけだけど、朝からクタクタだった。関節も痛いし。
「いいよ……週末ね」
意外にすんなりと引いた事を不思議に思って見ると、不吉なくらい笑みを浮かべている。漠然とした不安が押し寄せた。な、なんで笑顔? 何か選択間違った?
唐突に、テーブルに置いてあったスマホが鳴った。発信者は三国圭ーーー道雄だ。まるで、今のタイミングを見計らったような着信にあわててスマホを取る。
「はいっ、もしもしっ」
『あ、何かしてた?』
「ううん、な、何もしてないよ?」
しようとしてたのを止めただけで。
『姉貴さ、週末……』
「しゅ、しゅうまつ!?」
『なんだよ、そんなに楽しみなのか?』
「楽しみ!?」
『まさか行かねーの? 今週末の姉貴の会社の社員旅行』
ーーーあ、そっちか。
胸を撫で下ろす。
月曜日までの三連休を利用した社員旅行があるのだ。国内だけど南の島だ。
「あれ、なんでミッチーそれ知ってるの?」
『関に誘われた。友人枠で行けるからって』
社員一人につき友人は一名まで呼べる。家族ならば全員呼べる。もちろん料金は追加で取られるけれど、それでも一般のツアーよりははるかに安い。
「そっか、週末は社員旅行……」
……あれ、週末? 週末ってたったいま誰かと約束したばかりだったような……?
一賀課長を見たら目が合い、にっこり微笑まれた。道雄との会話はスマホから漏れた声で聞こえていたらしい。
あの、まさか課長、社員旅行でしようなどと不埒な事を考えてーーーいませんよね!?
夕飯を食べて入浴を済ませて、あとは寝るだけの状態でリビングのソファーに座って二人でテレビを見ている。同じソファーの端と端に座っているので、ふたり分くらいのスペースが間には空いている。
まあテレビを見ているのは私だけで、一賀課長は雑誌を読んでいるのだけど。
喧嘩しているわけではないけれど、妙に気まずい。
色々聞かなければいけないことがあって、どれから聞こうか考えるものの、いまいち考えがまとまらない。
噛み跡をなぜ隠さないんですか、とか、つがいって結局何、とか。
それと、
私たちってお付き合いしているんですか、とか…………。
でも聞いていいのかな? これ聞いていい質問なのかな? ひょっとしてアンタッチャブルな部分だったりしない? そうだ、同級生から聞いた恋バナで、そういうのを聞くと重い女に思われるとか聞いたことある。だからタイミングを見計らって聞かなきゃいけないとーーータイミングがわからないよ!
手から変な汗が出てきて、持っていたリモコンを落としてしまった。
「…………っくく」
なぜか笑いを堪えたような声が聞こえた。思わず一賀課長を睨む。どうやら私が懊悩していたのを観察していたらしい。趣味悪い。知ってたけど。
「俺に何か聞きたい?」
よく分かるなと感心する。何か言いたい? じゃなくて聞きたい? だもんね。
このまま言わないで察して頂けないだろうか。じっと見ると一賀課長はため息をつく。
「……だめだよ。ちゃんと自分の口から説明して」
やっぱりだめか。
篤と道雄は私に対して異様に察しが良くて、質問や疑問は聞く前に察して答えてくれるタイプだ。そういうのに慣れてしまうと一から説明して質問をする、というのは慣れないので難しい。もちろん会社ではそんな事は言っていられないので、きちんと質問疑問は口にして聞く努力はしているけれど。
……まずは簡単なところから聞くことにした。
「その首の噛み跡、隠しませんか?」
「必要ない」
即答で一蹴された。そう言うのはわかってた。
……もういいや。課の人は見ているだろうし今更絆創膏貼ったところで手遅れだ。でも一賀課長のファンが気がついていたら、たぶん刺激する部分だから、それだけが気が重い。
「……つがい、って、なんですか」
「そのうちわかるよ」
……なんか課長が悪い顔になってるんですけど。なに、そのうちって。身をもって体験しろと言うわけですか? 酷い。
「他は?」
「え?」
「他に聞きたい事は?」
「……」
一番聞きたい事はある。
でもそれを聞いて、もし、違うって言われたら。
(どうしよう)
答えを聞くのが怖くて質問する口が動かない、なんて初めて知った。
私は、一度瞬いた。
それだけなのに、なぜか目から大粒の涙がポロポロ落ち出した。
感覚としては、本当に目から水が溢れたみたいな感覚だった。だからきっと私の顔もびっくりしていたと思う。
「……なぜ泣く?」
眉間に皺を寄せながら一賀課長が聞く。
確かに、いきなり泣くのはおかしい……それに鬱陶しい。これだと本当に重い女だ。
とりあえず涙を拭くタオルを取りに行こうとソファーから立ち上がるとーーーすぐに腕を引っ張られて凄い勢いで引き戻され向かい合うように座る事になった。顔が近い。
「なんで泣いたの」
それでも言い出せない私の涙は止まらなかった。涙っていうより水。水が止まらない。
すると一賀課長は涙を吸い取るように、顔中にキスをする。
「……ほら言って?」
この後に及んで言わせたいらしい。
優しいキスとは対照的に、言わなければ解放してくれそうにないほどがっちり両腕を掴まれている。
「………………その、私と、……………つ……付き合っているの、って、聞こうと思ったら、なんか」
観念して噛み噛みで言う私に、一賀課長は言う。
「俺と君が付き合っているかどうか?」
私は頷く。
「……一緒に住んでる」
「だって、それは危険だから、私を守るためって」
「婚約者だろう?」
「そういう契約だって」
「セックスしてキスして一緒に暮らして親公認の婚約者なのに、付き合っているかどうかわからないの?」
色々反論したい事はある。
性交渉は最初から目的があっての事だったし、親公認というのも微妙に違うような? あれってそもそも篤を納得させる為だけに了解とっただけじゃ……
けれど反論は出来なかった。キスで唇を塞がれていたからだ。次第についばむようなキスに変わり、思わず身体が反応する。ゾクゾクして指先が震える。涙はいつの間にか止まっていた。
それが答えなのはわかった。でも普通に言葉で言えばいいんじゃないかな? わざわざキスしなくてもいいんじゃないかな? そっちの方が恥ずかしくありませんか? しかも笑いながらキスされている。納得いかない。
「そんな事で泣くなんて……」
一賀課長は私の顔を覗き込んで、目を細めた。
「もっと俺の事で泣いてくれそうだ。楽しみだよ」
ほ……本物の変態が出た……!
思わず逃げの姿勢になったら抱きしめられ、首すじに唇が落ちたと思ったら噛み付かれた。
「ッあ、う……、ぁ………ッ」
快感が、噛まれたところからさざ波のように広がり、息がつまる。
噛まれて痛いどころか気持ち良いいのに慣れない。つがいだからなのはわかるけど、まるで身体が作り変えられてしまったようだ。
手が服の中に入ってきて肌に直接触れた。
「……ま、まって」
ボーっとなりそうな所を、頭を振ってガードした。
「今日、は、だめ」
「……なぜ」
「ま、まだ月曜日だから、次の日も会社がある日はだめです。…………週末なら、その、大丈夫ですけど」
言うと、スッと服の中から手が引いた。少しホッとして乱れた服を直す。
まだ三回しかしていないけれど、だんだんハードになっていっている気がするしーーーその、初めていたした日は翌日も会社だったわけだけど、朝からクタクタだった。関節も痛いし。
「いいよ……週末ね」
意外にすんなりと引いた事を不思議に思って見ると、不吉なくらい笑みを浮かべている。漠然とした不安が押し寄せた。な、なんで笑顔? 何か選択間違った?
唐突に、テーブルに置いてあったスマホが鳴った。発信者は三国圭ーーー道雄だ。まるで、今のタイミングを見計らったような着信にあわててスマホを取る。
「はいっ、もしもしっ」
『あ、何かしてた?』
「ううん、な、何もしてないよ?」
しようとしてたのを止めただけで。
『姉貴さ、週末……』
「しゅ、しゅうまつ!?」
『なんだよ、そんなに楽しみなのか?』
「楽しみ!?」
『まさか行かねーの? 今週末の姉貴の会社の社員旅行』
ーーーあ、そっちか。
胸を撫で下ろす。
月曜日までの三連休を利用した社員旅行があるのだ。国内だけど南の島だ。
「あれ、なんでミッチーそれ知ってるの?」
『関に誘われた。友人枠で行けるからって』
社員一人につき友人は一名まで呼べる。家族ならば全員呼べる。もちろん料金は追加で取られるけれど、それでも一般のツアーよりははるかに安い。
「そっか、週末は社員旅行……」
……あれ、週末? 週末ってたったいま誰かと約束したばかりだったような……?
一賀課長を見たら目が合い、にっこり微笑まれた。道雄との会話はスマホから漏れた声で聞こえていたらしい。
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