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一人七色【2人】
しおりを挟む一宮(M)「高校は義務教育では無い。だから日々の頑張りが足りないと単位が貰えず、卒業どころか進級が出来なくなってしまう。そんな時どうなるか?勿論、補習という名のじご…救済処置がある。だが、ウチの先生は少し変わっていて、何というか…少々大変なのだ。まず、国語のツキノ先生の場合。」
ツキノ 「それじゃ、今日の補習を始めるね。」
一宮 「…先生。その前に質問して良いですか?」
ツキノ 「何?一宮さん。」
一宮 「それ新しい服ですか?」
ツキノ 「え?そうだけど、良く分かったね?」
一宮 「値札がついたままですよ?」
ツキノ 「嘘⁉︎…うわ!本当だ⁉︎」
一宮(M)「ツキノ先生は穏やかではあるが、かなりおっちょこちょいなのだ。よく配布するプリントをコピー機の中に忘れたりする。次に化学のヒカル先生の場合。」
ヒカル 「えっとぉ…それじゃ補習を始めるよ。」
一宮 「はい。お願いします。」
ヒカル 「今回は前回授業でやった実験の復習をしようか。机の上の三つの試験管にはそれぞれ薬品が入っている。それらを空のビーカーに入れて混ぜる事でどう変化するかを観察してもらう。では、入れて。」
一宮 「あの…何をどのくらい入れたら良いですか?」
ヒカル 「適当でいいよ。」
一宮 「ダメでしょ⁉︎」
ヒカル 「今回使うのは危なく無いから別に大丈夫だよ。」
一宮 「そう言う問題じゃ無いと思います!」
ヒカル 「ハァ…面倒…」
一宮(M)「この人本当に教師なのだろうか…とにかく面倒くさがりで大雑把なのだ。次に数学のミズキ先生の場合。」
ミズキ 「では、本日の補習を始める。」
一宮 「お願いします。」
ミズキ 「まずは前回のテストでお前が凡ミスを連発したところを確認しよう。」
一宮 「先生、もう少し優しくして貰えないと補習が終わる頃には心がズタボロになってしまいます!」
ミズキ 「成績がズタボロのお前の心など知らん。」
一宮 「酷い!」
ミズキ 「黒板に問題を書くからそれを見て答えを…ッチ!」
一宮 「どうかしましたか?先生?」
ミズキ 「どうもこうもない!黒板がちゃんと消されていないし、チョークの並べ方もなっていない!誰だこんな使い方をしたやつは!」
一宮 「昨日補習をしてくれたヒカル先生です。」
ミズキ 「アイツか…少し待っていろ。最高の黒板に仕上げる。」
一宮(M)「こうしていつも補習が始まるのは十分以上後になる。とにかく潔癖なので細かい事を見過ごせないらしい。次に英語のキハタ先生の場合。」
キハタ 「よし!今日も張り切っていくぞ!」
一宮 「お願いします。」
キハタ 「一宮!英語は何が大事か分かるか?」
一宮 「えっと…文法ですか?」
キハタ 「違う!」
一宮 「じゃあ、発音ですか?」
キハタ 「違う!」
一宮 「う~ん…分かりません。」
キハタ 「正解は…声の大きさだ!」
一宮 「…はい?」
キハタ 「いいか?声が大きければ大抵のニュアンスは伝わる!だから今日は声を大きく出す訓練をする!目標は一三〇デシベルだ!」
一宮 「それジェット機の出す音です!」
一宮(M)「熱血でスパルタなキハタ先生…何故英語教師になれたのか不思議だ。寧ろ体育教師の方が向いて居るのでは?最後は社会のコガネ先生の場合。」
コガネ 「よっす~。そんじゃ今日もボチボチやっていきますか~。」
一宮 「お願いします。」
コガネ 「じゃ、先週の続きから…あれ?その筆箱のキーホルダーめっちゃ可愛いじゃん!」
一宮 「そうですか?友達に勝手に付けられたんですよ。なんか、のぺっとした顔の兎ですけど…」
コガネ 「めっちゃハイカラで良いじゃん!ナウイね~!」
一宮 「先生いつの人ですか?」
コガネ 「今を生きる人!」
一宮 「そう言う事ではなくて…」
コガネ 「だから過去からしっかり学ぼうぜ!」
一宮 「はい。そうですね。」
一宮(M)「チャラいけど細かい気遣いをしてくれる良い先生…なのだが、古い言葉を多用するので分かりづらい時があるのが難点だ。」
コガネ 「お?そろそろ帰らんとだね~。そんじゃ今日はここまでと言う事で。」
一宮 「はい。ありがとうございました!」
コガネ 「おっつ~。また来週ね~!」
一宮(M)「十人十色。人が十人集まればそれだけ色々な人がいると言うが、うちの高校の先生は特に変わっている。なんせ多重人格の先生なのだから…毎日人格が変わるのが大変な事はあるが、とても良い先生ばかりだ。」
七井 ・多重人格 曜日毎に人格が変わる 一宮の担任
ツキノ・月曜 穏やか 得意科目 国語 :おっちょこちょい
ヒカル・火曜 気怠け 得意科目 化学 :大雑把
ミズキ・水曜 クール 得意科目 数学 :潔癖
キハタ・木曜 熱血 得意科目 英語 :スパルタ
コガネ・金曜 軟派 得意科目 社会 :細かい事に良く気がつく
一宮 ・七井の生徒 得意科目 なし
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