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14.破壊者/いたみ ※
7/10※
しおりを挟む扉の向こうに立っていたのは、拓海兄さんだった。
「……ケ、ティ……、お前っ……!」
しばらく呆然と目を見開いていた兄は、口をパクパクさせながら声をしぼり出す。
「あら、もう帰ってきたの」
一方のケティは平然と返した。
数秒前のうわ言とはまるで違う。
今までずっと起きていたかのような、とても鮮明で落ち着いた口調だった。
「……ねぇ、拓海」
兄が何か言う前に――まるで先手を打つように――言い放つ。
「あたし達、もう、別れましょ」
まるでこの瞬間が来ることをずっとずっと前から知っていたかのような――。
「この通りだから」
そうだ。
きっと彼はすべて予期していたのだ。
わざわざ火曜日を指定したのも、何度果てようが離してくれなかったのも、すべてはこの時間に合わせるためだったのだ。
彼の思惑通り、その瞬間は訪れてしまった。
心臓の鼓動が一気に早まり、首の後ろがチリチリと熱くなる。
兄が目の前にいる。もう、言い逃れはできない。
俺も身を起こそうとシーツに手をつき、腰を上げようとした瞬間、
「――ッ!?」
突然、後ろから彼の指が滑り込んできた。こんな状況だというのに二本一気に。
「んっ――、ああ!?」
ぐち、と粘液が泡立つ音と共に、激しい抜き差しが始まる。
とっさにベッドに顔をうずめ、声を抑えようとした――が、髪を引っ張り上げられ、強制的に顔をさらすことになる。
「……っ、……や、だあっ!」
立ち尽くす拓海兄さんにむかって。
「たっ……!」
兄は何か言いかける。
だが、組みしだかれている俺と目が合った瞬間、怒りに染まりかけた顔面から感情が消え失せた。
虚ろなまま、ただ、硬直する。
「……にぃ……、さあっ……!」
その絶望を、見てしまった。
「に――、んんッ!」
ケティの大きな手が俺の口を封じた。首を振って抵抗したが、離れるわけがない。
その間にも、指は中を掻き鳴らすように動き回る。
生み出される快楽と共に、そこから、ぐぢゅ、ぢゅ、と派手な音が立った。
「んっ、ふーっ! ん!」
「初めて見るでしょ。弟がよがる姿なんて」
「ふーっ!」
「ほら、耳まで真っ赤になってる。すっごく可愛いでしょ。……こんな状況でも逆らえないみたいね」
ケティが語りかけているのは俺ではない。兄さんだ。
兄の視線はだんだんと下がり、今はベッドではなく、己の足元を見つめている。握りしめた両の拳は細かく震えていた。
「んっ、はふっ、……ふ、んっ!」
その間にも指はうごめき、粘膜を擦り、入口を刺激するように浅い出入りを繰り返している。
「あたしなんかが相手でもこうやって感じてくれるのよ。本当に優しいわよね。……誰かと違って」
「んんんっ……!」
痺れるような快感と共に内側がうねったとき、指はもつれた。ずるん、と抜け切ってしまう。
「ふ、ぅあ……」
やっと訪れた開放に、腰から力が抜けかけた瞬間――、
「ほらっ、もっと」
「ふっ、ん、あ、ぅううううっ!」
代わりに挿し込まれたのは、そそり立った彼のものだった。
「はぁ、あああっ、あーーーっ!」
まさかもう一度受け入れることを想定していなかった身体はビクビクと大きく仰け反り、ふさぐ手の間から声がもれてしまう。
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