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7.探る指/繋ぐ罪 ※
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しおりを挟む何度も何度も往復され、つなぎ目から、ぐぢゅ、ぐぢゅ、じゅぽ、じゅぷっ、と、いやらしい音が生み出される。
「……はっ、あ! 抜い、て、くださ、い……!」
「喘いでないで早く腰振って、ほらっ!」
「あっあっ、ん、や、だっ……、あ……!」
俺は不自由な両手を握りしめ、肉に爪を立てた。
行き場の無い快楽の波に必死に耐える。
そうでもしないと壊れてしまいそうで。
いっそ、壊れてしまいたくて。
──でも、体が赦してくれなくて。
「頑固ねぇ」
「あうっ、うあああっ! あぁああう!」
イイところを突かれる度に獣のような声を上げていた。
「ほら、早く呼びなさいっ……! んっ、響、……響ぃ……あっ、ひび、き……んんっ……」
ケティはわざとらしく息を切らして、女声で彼の名を呼んでくる。
情事から生み出される音とその声が絡みつき、耳を犯される。
やめろ。
汚さないでくれ。
あいつまで、汚さないで。
「……ひ、びきっ……」
嫌だったのに、気づくと泣きながら彼の名前を口にしていた。
いつも心の中にある、あの笑顔を思い浮かべてしまう。
楽しそうな彼のそばにいると、悲惨な世界も少しだけ色鮮やかに、キラキラと輝いて見えて。
いつも人任せで、困ったときはすぐ甘えてきて。腹立つときもあるのに。
それでも微笑まれると、胸の奥があたたかくなって、どうしても邪険にできなくなる。
彼は、暗く沈みがちな俺をやわらかく照らしてくれる、唯一の光だから。
いたい。
あの穏やかな光の中に、ずっと、いたい。
そんなこと、できるはずがないのに。
「ひ、あっはぁ、響……ッ!」
その名を口にする都度、背中が赤く燃え上がったように熱くなる。体が大きく跳ね上がった。
「いい子だね」
ケティは甲高い声で笑うと、動くのをやめた。
俺は固く目をつぶり、光を遮断し、そして、自ら腰を振る。
「んっ、あ! ふっ! ん……ぁああっ、当た、って! あ!」
腰を上げる度、中で硬く反り返っているものが内側のイイところにぶつかる。
俺は泣きながら夢中でそこを擦った。
痛みと快楽に染められた体が、また、ぶるりと震える。
「……ひびっ、き……っ! んっ! あっ! あっ!」
激しく腰をくねらせる。生み出される刺激を自ら求め、自ら受け入れる。
「ひ、びきっ……んあっ!」
「っ……、名前だけで感じてるなんて、よっぽどか……」
ケティの手の中にあるものが、返事をするようにビクビクとうずく。
「ひ、ぎっ、ああっ……ひ、響ぃいいいッ!」
「あっ、ん、気持ち、いい……」
彼はうっとりと溜息をついた。
揺れる腰を促す指に、次第に力がこもっていく。
「あはあっ、ん! ぉお!」
「もっ、もっともっと、振ってぇ……ああっ、イイ……、もっと激しく……」
ぐぢゅっと結合部から淫らな音が鳴る。じれったくなったのか、やがてケティも動き始めた。
抜いて、差し込んで。
彼と俺の動きが重なり合って、不規則なリズムに変わる。
「ああ……すごくっ、幸せ……っ!」
「……うっ、ぐ、……ふっ」
だんだんと、意識が遠のいていく。
快感が痺れと疼きに変わり、下半身の感覚が分からなくなっていく。
「龍広、こんな、……はあっ、こん、なにっ……、凄っ、あぅっ! っ!」
彼は譫言のようなことを言いながら、背中に顔を擦り付けてくる。
いいところに熱い吐息がかかり、ぞくっ、と腰が跳ねた。
「……あっ、龍広っ、い、ぃいいい! くぅうううっ!」
腰を激しく打ち込まれた。その瞬間、
「ひっ! だ、やっ、あぁあああーーーーっ!!」
ドクドクと放たれたものに奥まで犯された。
あまりの勢いに耐えきれず、喉の奥から甲高い泣き声を上げてしまう。
腹の下のほうで熱いものが弾けた。
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