瞳を閉ざした兄の世界に見えているのはオレだけがいい！

・目の前のお兄ちゃんにもっと集中しなさい！（R18/ぷちケンカ）

もういいって

　

「最近のせんちゃん、ずっとソワソワしてる気がしたの。話しかけても上の空の返事ばっかりで、……エッチのときもぼくばっかり興奮して、置き去りにされてる感じがして。それでつい……」

「そっか。そういうことだったんだ。ごめん」

「せんちゃんは謝らなくていいんだよ？！　いろいろ疑って、叩いて、嫌いだなんて……ぼくがどうかしてた。考えすぎた。なにやってたんだろ……ごめんね」

「もういいって」


　上半身を重ねるようにぎゅっと抱きしめて、もっかいキス。
　唇をこれでもかと突き出し、ほっぺにむちゅうう。おふざけ半分のタコさんチューチュー攻撃だ。

　優兄のふかふかでアツアツのほっぺはやさしくキスを受け止めてくれる。
　ひゃははっ、くすぐったい、と逃げようとするのをつかまえて、さらにちゅっちゅ。


「オレ、きらいって言われて幸せ。きらいになっちゃうほど優兄がオレのこと大好きだって分かったから超幸せ」

「せんちゃん……」

「あー、チューしまくったら腹減ったっ！」


　いちゃいちゃのキスも美味しいけど、とっておきのお土産があるから一緒に食べたい。

　オレが紙袋からストロベリーサンドを取り出すと、優兄はころりと起き上がって犬のように鼻をクンクンさせた。


「いちごケーキかな？　そのお土産、せんちゃんのチョイスじゃないでしょ？」

「え？」