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・ゆっくりおさんぽしよう(ほのぼの)
エロいから
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◆ ◆ ◆
「うーん! 頭が軽いっていいね! すごくすっきりした!」
お店から出た後、もう一度手をつないで街を歩きだす。その嬉しそうな横顔は何度も目にしているはずなのに、いつもと変わらずに嬉しい。
「──でも優兄ってすぐ髪ボサボサになるよね、エロいから」
「──せんちゃんって髪ずっとボーボーだよね、エロいから」
ほぼ同時のタイミングで似たような悪口を言い合う。『エロいから』で重なった瞬間、オレも優兄もおもいっきり噴きだして笑った。
どっちかが髪を切ったときに必ずやるお約束の流れ。
マンネリすぎていい加減あきてもいいはずなのに、言わずにはいられない。
大好きだなぁ、と心から思う。
二人だけにしか分からないルールを交わす度に、愛おしさが増していく。
エロいことも好きだけど、体以外でつながれた瞬間は格別の気持ち良さが待っているのだ。
ぽかぽかのひだまりで大きく背伸びをしたときみたいな、しゅわしゅわした感じ。
「ねぇ、優兄」
だんだん家が近づいてきてるのが惜しくて、さりげなく遠回りのルートを選んだ。
人通りが少なくて、ビルとビルに挟まれた細い路地。
もっともっといろんな話をしたかった。
家でゴロゴロしながらだってできるはずだけど、さんぽしているときのほうが心が開いている気がする。
聞くなら今だと思った。
「選ばれるのを待ってるやつを選んであげたいって、さっき言ってたけどさ、オレのこともそうやって選んでくれたの? 誰かに選ばれるのを待ってたオレを──」
少しだけ真剣な質問だったのに、
「ふふふっ」
優兄は意味深な笑顔を浮かべただけで、なにも言わずに黙ったまま歩いている。
「うーん! 頭が軽いっていいね! すごくすっきりした!」
お店から出た後、もう一度手をつないで街を歩きだす。その嬉しそうな横顔は何度も目にしているはずなのに、いつもと変わらずに嬉しい。
「──でも優兄ってすぐ髪ボサボサになるよね、エロいから」
「──せんちゃんって髪ずっとボーボーだよね、エロいから」
ほぼ同時のタイミングで似たような悪口を言い合う。『エロいから』で重なった瞬間、オレも優兄もおもいっきり噴きだして笑った。
どっちかが髪を切ったときに必ずやるお約束の流れ。
マンネリすぎていい加減あきてもいいはずなのに、言わずにはいられない。
大好きだなぁ、と心から思う。
二人だけにしか分からないルールを交わす度に、愛おしさが増していく。
エロいことも好きだけど、体以外でつながれた瞬間は格別の気持ち良さが待っているのだ。
ぽかぽかのひだまりで大きく背伸びをしたときみたいな、しゅわしゅわした感じ。
「ねぇ、優兄」
だんだん家が近づいてきてるのが惜しくて、さりげなく遠回りのルートを選んだ。
人通りが少なくて、ビルとビルに挟まれた細い路地。
もっともっといろんな話をしたかった。
家でゴロゴロしながらだってできるはずだけど、さんぽしているときのほうが心が開いている気がする。
聞くなら今だと思った。
「選ばれるのを待ってるやつを選んであげたいって、さっき言ってたけどさ、オレのこともそうやって選んでくれたの? 誰かに選ばれるのを待ってたオレを──」
少しだけ真剣な質問だったのに、
「ふふふっ」
優兄は意味深な笑顔を浮かべただけで、なにも言わずに黙ったまま歩いている。
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