はぐれ者と従順なバカ犬の蜜事

10

　
「大丈夫。ちゃーんと責任は取るって。誰かに見つかっても知らん顔できねぇように、オレも服脱いどくからさ」

　関口聖は脱いだ自分のシャツを適当に丸めると、僕の口元にあてがった。

「どーなっても連帯責任。それがオレのやり方」

「……ぅ、ふッ……」　

「オレの服噛んどけ。誰にも見られたくねーだろ？　あんま声、出すなよ」

　おしげもなく裸になった関口聖に、僕は泣きながら魅入られてしまった。
　血色のいい肌。ひきしまった胸板。これからの成長を予感させられる腕。軟弱な僕にはない男らしさにあふれている。

「まあ、音は出ちまうけどな──」

「ぐゥっ！」

　彼が手筒を擦り上げた瞬間、ぐちゅっ、と淫らな音が鳴った。
　こうなるのを無意識に待っていたやましさが滴り、潤滑油になっている。

「うっ、う、ぐ！　ンッ！」

　僕の吐息に合わせるように強弱をつけて全体を擦られ、濡れた指で熟れきった尖端をつつかれ、またたく間に身体が昇りつめていく。

「……っ、ひっ、ひぃ！」

「ビクビクしちゃって。イキそうか？」


　そんなわけがない。
　こんな乱暴な愛撫なんかで、僕は──。