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17 しちゃったね、駆け落ち

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「──徹斗きゅんっ!」

「はうっ!?」

 ボクの方から彼の背中に手を回してぎゅっと抱きしめると、ビクンという縦揺れに合わせて宮田くんもボクを力を込めて抱き返してきた。

「あ、あ……会津くん……会津くんっ……!」

「えへへ! 宮田きゅん、だーいすきっ」

「……わ、わわたし、も、会津くんのことがっ……好きだっ! 忘れてくれと言ったのはわたしであるはずなのに……やはり、どうしても、……忘れられなかった。すまない」

「謝るぐらいなら、もっと大事なこと言ってほしいのになぁ」

「……え?」

「愛してるって言ってほし……、──んン」


 先にプレゼントしてくれたのは言葉じゃなくて、むにゅむにゅの唇だった。

 
「……っ、あ。思わず……本当にすまない」

 もっとぺろぺろちゅっちゅっしてくれて構わなかったのに、彼はすぐに唇を離してしまった。
 どうやら自分がキスしたことに数秒遅れで気づいて恥ずかしくなっちゃったらしい。
 そんなところも初々しくって、かわいい。

「キミを見つめていると、触れ合いたい衝動が抑えられなくなる……。わたしはおかしいのだろうか」

「全然おかしくないよ。それが愛ってことだもん」

 そもそもボクだって全裸にコートで彼を待ち伏せしたり、変装してお家に潜入してベッドの香りをクンクンしていたわけだし、おかしさ満載だ。──ボクの場合は愛を上回る変態度合いだけどね。自覚してるけど自重しません。だってそれも愛だから。


「会津くん……、好きだ。愛してる」


 キスはぎこちなかったくせに、ボクをぎゅっと抱きしめてささやく言葉は百点満点だった。


 
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