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ファイル.03 ツチノコ狂想曲
ファイル.03 ツチノコ狂想曲(6)
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二人は村役場に戻る途中、建物がめちゃくちゃに壊れているのを何回もみた。
「いやーあのトカゲさん。大暴れしたんですねー」
「それだけ、人間に鬱憤が溜まっていたんだろう。ずっと人間たちに追いかけ回されていたんだからな」
村役場に着いた二人は、村の人々がテレビの前に集まっているのを見かけた。
「次のニュースをお伝えします。G県八十狩村に巨大なトカゲが出現して、観光客に次々と襲いかかりました。多数の負傷者が発生している模様です。このうち、重傷の三名にあっては、村の病院では治療が難しいということで、ドクターヘリで近隣の医療機関へと搬送されました。観光客を襲撃した巨大なトカゲは現在も逃走中で、警察が捜索していますが、今のところ発見には至っていないとことです」
「うわー、ニュースで報道されてますー。大事件になっちゃいましたねー」
「でもこれで、ツチノコ目当ての観光客はしばらくここにはこないだろう。ここまでニュースで報道されてしまってはね」
事務所に帰った二人は、望月編集長に今回の件を報告していた。
「すいません編集長。ツチノコは捕獲できませんでした」
「いえいえ、今回の事件で、八十狩村が注目されてるから、結果的にいい取材になりましたよ。本当によかったです」
結果的にツチノコは捕獲できなかったが、サキが書いた今回のレポートを編集長が気に入って、記事として採用された。
原稿料をもらいご満悦のサキ。
「これから定期的に記事を寄稿してくれるなら、その分の原稿料もお支払いしますよ」
「うれしい申し出です。ですが、私、文章を書くのは苦手でして……」
「それなら、私が書きますよ、先生」
「サキ君が?」
「こう見えても私、文章書くの、嫌いじゃないんですよー」
「そこまでいうなら、君に任せようかな?」
「ふふ、任せてください。怪異ライターのサキとして、がんばりますよー」
「いやーあのトカゲさん。大暴れしたんですねー」
「それだけ、人間に鬱憤が溜まっていたんだろう。ずっと人間たちに追いかけ回されていたんだからな」
村役場に着いた二人は、村の人々がテレビの前に集まっているのを見かけた。
「次のニュースをお伝えします。G県八十狩村に巨大なトカゲが出現して、観光客に次々と襲いかかりました。多数の負傷者が発生している模様です。このうち、重傷の三名にあっては、村の病院では治療が難しいということで、ドクターヘリで近隣の医療機関へと搬送されました。観光客を襲撃した巨大なトカゲは現在も逃走中で、警察が捜索していますが、今のところ発見には至っていないとことです」
「うわー、ニュースで報道されてますー。大事件になっちゃいましたねー」
「でもこれで、ツチノコ目当ての観光客はしばらくここにはこないだろう。ここまでニュースで報道されてしまってはね」
事務所に帰った二人は、望月編集長に今回の件を報告していた。
「すいません編集長。ツチノコは捕獲できませんでした」
「いえいえ、今回の事件で、八十狩村が注目されてるから、結果的にいい取材になりましたよ。本当によかったです」
結果的にツチノコは捕獲できなかったが、サキが書いた今回のレポートを編集長が気に入って、記事として採用された。
原稿料をもらいご満悦のサキ。
「これから定期的に記事を寄稿してくれるなら、その分の原稿料もお支払いしますよ」
「うれしい申し出です。ですが、私、文章を書くのは苦手でして……」
「それなら、私が書きますよ、先生」
「サキ君が?」
「こう見えても私、文章書くの、嫌いじゃないんですよー」
「そこまでいうなら、君に任せようかな?」
「ふふ、任せてください。怪異ライターのサキとして、がんばりますよー」
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