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ファイル.02 神隠しの村に巣食う大蛇と二人の姉妹
ファイル.02 神隠しの村に巣食う大蛇と二人の姉妹(6)
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「待ってください先生。大蛇の怪異って、この村の神隠しにも関わってるって……」
「いいところに気がついたね。姦姦蛇螺も、元は大蛇だったんだ。昔、とある村を襲った大蛇が襲っていた。それを見かねたとある巫女が、自分が大蛇を倒すと申し出たんだ。巫女は善戦していたんだけど、徐々に大蛇に押されてしまう。そして、巫女が下半身を大蛇に食われて負けそうになった時、あろうことか、村人は巫女を裏切って大蛇側についてしまったんだ。村人に裏切られた巫女は大蛇に食べられてしまった。しかし、巫女の凄まじい怨念と執念によって、彼女はこの大蛇を逆に乗っ取ってしまったんだ。だから、この巫女が姦姦蛇螺の本体だとも言われているよ」
「ええー、姦姦蛇螺の本体って、大蛇じゃなくて、食べられた巫女さんだったんですかー!?」
「ああ、だから、巫女の姿で現れることもあるみたいだよ。そして、ギリシャ神話に登場するラミアーと見た目が似ているから、その関連性も指摘されている」
「あ、ラミアーなら私も知っていますよ。RPGで定番のモンスターですよね、上半身が裸の女性の。私の大好きなドラゴンファンタジーにも出てきますから。なるほど、姦姦蛇螺って、ああいう感じのちょっとえちえちな見た目なんですねー」
「えちえちは余計だよ、サキ君。それで、ここの村人たちは意図的に神隠しを起こしていたみたいなんだ。神隠しと称して、生贄を姦姦蛇螺に差し出していたようだね」
(姦姦蛇螺か……。こいつは厄介な怪異だぜうみか。力を失っている今の俺では敵わないかもしれないな)
村人たちは、一年に一度、禁足地にいる怪異に生贄を差し出していた。
生贄に出せる人間を用意出来なかった時は、村を偶然訪れた人間や、それでも手に入らない場合は、隣町まで人を攫いにいくこともあった。
そうした人が失踪した理由として、神隠しの伝説は都合が良かった。
(まりえは、姦姦蛇螺のことを知っていたんだろう。そして、何らかの理由で、一人で怪異を倒しにいった。何かあった時のために、私たちを呼んでいたのだろうに……)
「姦姦蛇螺を呼び出すために、この木の棒を動かすよ。覚悟はいいね? サキ君」
「先生の助手ですから。危険なことにはもう慣れていますよ」
『ゼロ、警戒を頼むよ』
『わかっている。うみかも気をつけろよ』
九十九たちは、箱の中の棒を動かした。
『うみか、後ろだ。後ろから来るぞ』
『ありがとう、ゼロ』
「サキ君、後ろだ! 来るぞ!」
「いいところに気がついたね。姦姦蛇螺も、元は大蛇だったんだ。昔、とある村を襲った大蛇が襲っていた。それを見かねたとある巫女が、自分が大蛇を倒すと申し出たんだ。巫女は善戦していたんだけど、徐々に大蛇に押されてしまう。そして、巫女が下半身を大蛇に食われて負けそうになった時、あろうことか、村人は巫女を裏切って大蛇側についてしまったんだ。村人に裏切られた巫女は大蛇に食べられてしまった。しかし、巫女の凄まじい怨念と執念によって、彼女はこの大蛇を逆に乗っ取ってしまったんだ。だから、この巫女が姦姦蛇螺の本体だとも言われているよ」
「ええー、姦姦蛇螺の本体って、大蛇じゃなくて、食べられた巫女さんだったんですかー!?」
「ああ、だから、巫女の姿で現れることもあるみたいだよ。そして、ギリシャ神話に登場するラミアーと見た目が似ているから、その関連性も指摘されている」
「あ、ラミアーなら私も知っていますよ。RPGで定番のモンスターですよね、上半身が裸の女性の。私の大好きなドラゴンファンタジーにも出てきますから。なるほど、姦姦蛇螺って、ああいう感じのちょっとえちえちな見た目なんですねー」
「えちえちは余計だよ、サキ君。それで、ここの村人たちは意図的に神隠しを起こしていたみたいなんだ。神隠しと称して、生贄を姦姦蛇螺に差し出していたようだね」
(姦姦蛇螺か……。こいつは厄介な怪異だぜうみか。力を失っている今の俺では敵わないかもしれないな)
村人たちは、一年に一度、禁足地にいる怪異に生贄を差し出していた。
生贄に出せる人間を用意出来なかった時は、村を偶然訪れた人間や、それでも手に入らない場合は、隣町まで人を攫いにいくこともあった。
そうした人が失踪した理由として、神隠しの伝説は都合が良かった。
(まりえは、姦姦蛇螺のことを知っていたんだろう。そして、何らかの理由で、一人で怪異を倒しにいった。何かあった時のために、私たちを呼んでいたのだろうに……)
「姦姦蛇螺を呼び出すために、この木の棒を動かすよ。覚悟はいいね? サキ君」
「先生の助手ですから。危険なことにはもう慣れていますよ」
『ゼロ、警戒を頼むよ』
『わかっている。うみかも気をつけろよ』
九十九たちは、箱の中の棒を動かした。
『うみか、後ろだ。後ろから来るぞ』
『ありがとう、ゼロ』
「サキ君、後ろだ! 来るぞ!」
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