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【第二十二話 自分の過去を語る玲央】
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俺の両親は、とにかく祖父と曽祖父のことを語らなかった。
俺の曽祖父も祖父も、若くして行方不明になったらしい。
祖父の遺品を片付けていた時に、とある手帳を見つけた。
その中身を見た俺は驚いた。
俺が知らなかった祖父と曽祖父の人生が、そこに書かれていたからだ。
俺の曽祖父は魔の者という人外と戦っていた、退魔師と呼ばれる人外専門のハンターだった。
この手帳には、彼が魔の者との戦いを記録した日記だった。
俺は、興奮しながらその日記を読みふけった。
そして、その日記の最後には、魅禍月村という村で、鬼の頭領と対峙して敗れ、大切な仲間を失ったことが書いてあった。
最後のページには、曽祖父の無念と悔しさの言葉で、びっしりと埋められていた。
そのページの一番下には、祖父の名前のサインと、曽祖父の仇を取りに行くという決意が書き加えられていた。
俺の祖父もこの手帳を読み、鬼たちへの復讐のために魅禍月村へと向かったのだろう。
そして、おそらく鬼たちに返り討ちにあい、帰らぬ人となった。
その時から、俺は祖父と曽祖父の意志を継いで、魅禍月村に巣食う鬼どもを倒すことを決めたんだ。
曽祖父は、自身の商売道具であった対魔の兵器や道具を残していた。
魅禍月村からの帰還後も、復讐を誓い、グラバーから追加で対魔の兵器を入手していた。
祖父は、その道具を大切に保管してくれていた。
自分が復讐を果たせなかった時のことも考えていたらしく、祖父が手書きで書いた各道具の取扱説明書が残してあった。
俺は対魔の兵器と道具を引き継いで、退魔師になることを決めた。
そして俺は里に入る前に曽祖父が残した人外のミイラを自身の身体に寄生させた。
これは、鬼と戦う俺の覚悟だ。
曽祖父の日記によれば、この人外が寄生することで、鬼を含めた人外は何故か俺に好意的になるらしい。
「じいさんとひいじいさん、俺があんたたちの命を奪った鬼たちを倒して、必ず無念をはらすよ」
このミイラだった人外は玲央の身体を少しずつ奪っていた。
そのため玲央は人ならざる者へと近づきつつあり、曽祖父の日記の記録のとおり、アキやアオは玲央に好意に似た感情を抱いた。
俺の曽祖父も祖父も、若くして行方不明になったらしい。
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その中身を見た俺は驚いた。
俺が知らなかった祖父と曽祖父の人生が、そこに書かれていたからだ。
俺の曽祖父は魔の者という人外と戦っていた、退魔師と呼ばれる人外専門のハンターだった。
この手帳には、彼が魔の者との戦いを記録した日記だった。
俺は、興奮しながらその日記を読みふけった。
そして、その日記の最後には、魅禍月村という村で、鬼の頭領と対峙して敗れ、大切な仲間を失ったことが書いてあった。
最後のページには、曽祖父の無念と悔しさの言葉で、びっしりと埋められていた。
そのページの一番下には、祖父の名前のサインと、曽祖父の仇を取りに行くという決意が書き加えられていた。
俺の祖父もこの手帳を読み、鬼たちへの復讐のために魅禍月村へと向かったのだろう。
そして、おそらく鬼たちに返り討ちにあい、帰らぬ人となった。
その時から、俺は祖父と曽祖父の意志を継いで、魅禍月村に巣食う鬼どもを倒すことを決めたんだ。
曽祖父は、自身の商売道具であった対魔の兵器や道具を残していた。
魅禍月村からの帰還後も、復讐を誓い、グラバーから追加で対魔の兵器を入手していた。
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俺は対魔の兵器と道具を引き継いで、退魔師になることを決めた。
そして俺は里に入る前に曽祖父が残した人外のミイラを自身の身体に寄生させた。
これは、鬼と戦う俺の覚悟だ。
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「じいさんとひいじいさん、俺があんたたちの命を奪った鬼たちを倒して、必ず無念をはらすよ」
このミイラだった人外は玲央の身体を少しずつ奪っていた。
そのため玲央は人ならざる者へと近づきつつあり、曽祖父の日記の記録のとおり、アキやアオは玲央に好意に似た感情を抱いた。
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