『仕事です』～恋愛脳への最後の言葉

王国は知らぬ、公国の真実。5

側妃としては、伯爵子息が公女を引き取ってくれるのが一番平和な解決法だと思っていた。
だが、伯爵子息は全力拒否。
何が不満なのか……。

※そりゃ、つるぺたすとーんな幼女に反応してたらヤバいだろ。

「幼き頃ならばともかく、王国に送り出す頃にはなかなかの美女に成長していたと思うのですけど……」

側妃の疑問。
スタイル抜群の美女が、あんなふうになりふり構わず迫ってきてるのに、男として何も感じる物は無いのか。

伯爵夫人は言った。

「あの方公女様、全力で既成事実を狙ってますものね。息子は、あの方が付近に居る時に一切の飲食を拒否してますし」

※もれなく一服盛られます。
いわゆる媚薬的なモノを。

そして伯爵夫人から出たのは。

「息子は、自らに呪術を掛けておりますし」

ゑ、と唖然とした側妃。

※なかなかの爆弾発言。

言葉も無い側妃に、伯爵夫人は言う。

息子は公国とも王国とも関わりの無い、旅の妖術師に頼み込み術を施してもらったそうだ。
公女が手の届く範囲に近づいたら。

「息子は男としてものの役に立たなくなる、と」

※条件付きで、自ら望んで息子さん役立たずになったとさ。

「そこまで……」

側妃の声が響いた。