目標:撤収

庭にハニワ

文字の大きさ
上 下
234 / 374

実行犯て。

しおりを挟む
銀竜を引率にして、非戦闘組のスズとリッカさんがジェイの母親救出に向かう。
そーゆー方向で決まりそーだ。
んじゃ、俺とミヤさんで人造魔物狩りか。
ジェイに道案内頼もう。
状況次第で変態錬金術師を〆るってコトで。

そんなカンジでいいですかねミヤさんや。
文句があっても聞かないぞ。
あんたず~っと黙ってたんだから。

「……みんなの自主性というものを、重んじただけなのに……」

何言ってんだか。
あんた目ぇつぶってただけじゃんか。
やっぱり寝てたか?



えー……ミヤさんに、軽くオシオキされたところで──いつものよーに、ツボをギュッとおされた──確認する。
さっき言ったよーな組分けで、救出班と実行犯に分かれるってコトで、OK ?

「……なんか実行班のあたり、ちょっと不穏な感じがしたけどね」

ミヤさんうるさい。
いちいち細かくツっ込まないで下さい。
俺とミヤさん、2人でジト目の応酬になった。



とにかく。
救出班を希望したスズとリッカさんは、結界張ったまんまで勝手気ままに動けるかどーか、確認しとけ。
出来なかったら訓練するか、《壺中天(笑)》で待機だ。
銀竜、頼んだ。
スズ達の良いようにしてやって、な。

「御意」

……ここは、いつもの通りな。



んじゃ。
方針も決まったことだし。
救出班はチェックしに外に移動。

ジェイよ。

「……え?」

何? とこっちを見る様は、やっぱりどこか子供っぽいもので。
ぶっちゃけ70歳越えとはとても思えないが……ま、いーや。

改めて、ジェイよ。
お前は今から、俺とミヤさんと一緒にギルドに状況説明しに行くぞ。

「え?」

ジェイはキョトンとしてる。
え? じゃない。
肉人形なんてけったいなモノ、ギルドに突入させといて、知らんぷりなんか出来ないぞ。
コトと次第によっちゃーお前……。

「……え、なんだ?」

ジェイは微妙に怯えている。

ギルドからの捕縛対象になってたカモな。
ヘタな動きしたら、デッドorアライブの。

「でっど……」

よーするに、生死問わず。
生きてても死んでてもお構い無し。
とりあえず、引き摺ってこいや、ってな。

「えええええ……」

ジェイは銀竜の姿を探すが、銀竜はさっきスズとリッカさんの訓練に行ってて。
この《壺中天(仮)》から出ていた。
行動が早いのは良いコトだよな、うん。

心の支えが傍に居なくて、ジェイはどこか不安そーだ。
……なんでそこまで銀竜に依存したのかね?
まあどーでもいいけど。
不安そーなジェイを見て、ミヤさんが言った。

「ライカンと言っても、獣人だろ? 自分よりも強い者には従う……ってことなんじゃないかな?」

あー。
つまり、脳筋か。

「……その納得の仕方はどうなんだろうね……」

ミヤさんは、微妙な表情になった。



総合ギルド、マドゥーニー支部。
当然のように、ギルド長の部屋。
もう見飽きたわ、この部屋……。

眉間にくっきりシワが刻まれたギルド長と、多分同じよーな表情だろうリーランさん。
……パンダの細かい表情なんか分からんっての。

ジェイの立場とやらかしてきた事をざっくりと説明したら、こんな表情になったギルドの2人。
そりゃそーだよな。
この3~40年の妙な出来事は、全部ジェイの……っつか、ジェイをいいように操ってる変態錬金術師の仕業だって事が判明したワケだからな。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【短編集】ゴム服に魅せられラバーフェチになったというの?

ジャン・幸田
大衆娯楽
ゴムで出来た衣服などに関係した人間たちの短編集。ラバーフェチなどの作品集です。フェチな作品ですので18禁とさせていただきます。 【ラバーファーマは幼馴染】 工員の「僕」は毎日仕事の行き帰りに田畑が広がるところを自転車を使っていた。ある日の事、雨が降るなかを農作業する人が異様な姿をしていた。 その人の形をしたなにかは、いわゆるゴム服を着ていた。なんでラバーフェティシズムな奴が、しかも女らしかった。「僕」がそいつと接触したことで・・・トンデモないことが始まった!彼女によって僕はゴムの世界へと引き込まれてしまうのか? それにしてもなんでそんな恰好をしているんだ? (なろうさんとカクヨムさんなど他のサイトでも掲載しています場合があります。単独の短編としてアップされています)

お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。

ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの? ……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。 彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ? 婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。 お幸せに、婚約者様。 私も私で、幸せになりますので。

少年達はラバーに包まれ地下空間へと閉じ込められる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【第1部完結】Solomon of worth~人生2周目、清く正しくギルド職員やってます!

シノン
ファンタジー
そこそこブラック企業で、毎日仕事、仕事、仕事、寝る前にちょこっとだけゲーム! まあ大人になるってこういうことだよねと日々を生きていた俺。 ある日の休日出勤で階段から転げ落ちてきたベビーカーの赤ん坊を助けたら、死んだ。 気がつくと機械的な神様に出会い、俺がやってたゲームの世界に転生することになったんだけど……。 願ったギフトがこの世界では危険すぎるなんて、聞いてないよ!! 注意書き ① 戦闘描写などに伴い、暴力表現、流血表現など一部残酷と思われる表現があります。 ② この世界では、種族性別問わず婚姻関係を結べます。   (※某ゲームの親密度を上げるとキャラクター同士が結婚出来るよ、同姓とも出来るよ~な感じです)   年齢制限が必要な性描写はありませんが、同性、異性で恋人、夫婦関係の人物が登場します。   そういう関係の登場人物が出ることがありますというだけで、恋愛が主体の話ではないことをご了承ください。 小説家になろう様、カクヨム様に投稿してます。

恋に臆病な僕らのリスタート ~傷心を癒してくれたのはウリ専の男でした~

有村千代
BL
傷心の堅物リーマン×淫らな癒し系ウリ専。淫猥なようであたたかく切ない、救済系じれじれラブ。 <あらすじ> サラリーマンの及川隆之は、長年付き合っていた彼女に別れを告げられ傷心していた。 その手にあったのは婚約指輪で、投げやりになって川に投げ捨てるも、突如として現れた青年に拾われてしまう。 彼の優しげな言葉に乗せられ、飲みに行った先で身の上話をする隆之。しかしあろうことか眠り込んでしまい、再び意識が戻ったときに見たものは…、 「俺に全部任せてよ、気持ちよくしてあげるから」 なんと、自分の上で淫らに腰を振る青年の姿!? ウリ専・風俗店「Oasis」――ナツ。渡された名刺にはそう書いてあったのだった。 後日、隆之は立て替えてもらった料金を支払おうと店へ出向くことに。 「きっと寂しいんだよね。俺さ――ここにぽっかり穴が開いちゃった人、見過ごせないんだ」 そう口にするナツに身も心もほだされていきながら、次第に彼が抱える孤独に気づきはじめる。 ところが、あくまでも二人は客とボーイという金ありきの関係。一線を超えぬまま、互いに恋愛感情が膨らんでいき…? 【傷心の堅物リーマン×淫らな癒し系ウリ専(社会人/歳の差)】 ※『★』マークがついている章は性的な描写が含まれています ※全10話+番外編1話(ほぼ毎日更新) ※イチャラブ多めですが、シリアス寄りの内容です ※作者X(Twitter)【https://twitter.com/tiyo_arimura_】 ※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】 ※掲載箇所【エブリスタ/アルファポリス/ムーンライトノベルズ/BLove/fujossy/pixiv/pictBLand】

破滅転生〜女神からの加護を受けて異世界に転生する〜

アークマ
ファンタジー
人生が詰んだような生き方をして来た阿村 江はある日金を借りに家に帰ると妹、阿村 加奈の代わりに加奈に恨みがある男に刺され死んでしまう。 次に目が覚めた時、女神と名乗る女性が現れ「あなたを異世界で私のできうる限りの最高の状態で異世界に転生させます」と言われ渋々だが第二の人生を異世界でおくることを決める。新たな世界では前のような人生ではなく最高の人生をおくろうと江は転生した世界で考えていた。

ちっちゃな王妃様に最も愛されている男

くる ひなた
ファンタジー
 記念すべき百代目のヴィンセント国王ウルには、ちっちゃくて可愛い妻がいる。  しかし、彼がこの幼馴染の愛娘マイリを娶ったのには、王国の創始に関わるのっぴきならない事情があった。  鬼畜面の守衛も、あらゆる可愛さを魔界に置いてきたような悪魔も、敵対している大司祭さえ、ちっちゃな王妃にかかればみんな「かわゆい!」  器は、元気いっぱいの愛くるしい幼女。  中身は、代々の国王に寄り添ってきた人智を超えた存在。  そのうんと大きな愛情に包まれた若き国王は、ただ一人の貴重なツッコミ担当。  この度初めて人間の器を得たマイリに振り回され、対価と称して時折首筋をガジガジされつつも、ウルは栄枯盛衰悲喜こもごも入り乱れる国々の狭間で祖国を守っていく。 ※『新しい国王と王妃のままごとのようでいて時々血腥い新婚生活』より改題  断片漫画↓ https://www.alphapolis.co.jp/manga/894098289/376569275

男達は二人きりのホールで惨めに身悶える

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...