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素晴らしい?
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急に湧いて出たのは、のじゃロリババアの家に仕えているという、執事長のアレキサンダーさん。
偉そうに語っていた上から目線のじーさんは、執事見習いのレンフィールド、とか。
ここにきて初めて、上からじーさんの名前判明。
そして……。
「執事のお約束、セバスチャンじゃないんだな、名前」
「ウォルターでもないんだね……」
なんとなく、がっかり。
しかしさ……のじゃロリババアって、いいトコのお嬢だったんだな……。
だからか。
あんな人を人とも思わないよーなこと、平然とやらかしたのは。
まあそれよりもさ。
「……レンフィールドって名前だったんだね、あのじーさん。彼が言うまで知らなかったね」
「名乗りもしないで1人滾ってましたからねー。……ブ○ム・ストーカーの小説の登場人物と同名か。……確かアレも小者の名前だったよーな」
「ドラキュラのパシリにされた人間の名前だったよね……」
俺とミヤさんが、そんなことをコソコソっと話していたら、思いのほか低い声でアレキサンダーさんが。
「……まさか、アレは名乗りもせずに無礼を働いたとか……?」
笑顔を浮かべてはいるが、その目は笑っていない。
そんなアレキサンダーさんに、残念なお知らせです。
「わたくしのことは、どうかアレックスとお呼び下さい」
そう言ったあと、微かに眉間のあたりにシワを寄せて。
「……なんでしょう……イヤな予感しかしないのですが、お伺い致します。アレは何を仕出かしたのでしょうか?」
アレックスさんの笑顔が微妙にひきつっている。
が、気にせず行こう。
正直あのじーさん、何をしに来たのか皆目分かんなかった。
きっぱりと言いきられて、一瞬呆けたアレックスさん。
ミヤさんが畳み掛ける。
「人族に憑依して、わざわざここまでやって来て、ウチの子達やここのギルドの副支部長に難癖付けてね。副支部長から1発──いや、2発か?──食らったあと、憑依を解除して出てきてね……」
「あとは名乗りもしないで、ただひたすらに自分の理想の少女像を滔々と語っていただけだな」
ケンカ越しで来たけど、大したことなかったしな。
実際に、俺らに何か仕掛けて来ようってんなら、相場の3倍返しにしただけだろーし。
……このあたりのケンカの相場、知らんけど、さ。
「そうですか……。それは大変なご迷惑を……」
コメカミをヒクつかせながら、アレックスさんは何かを期待するかのよーに、俺らに向かって言った。
「実際のところ、アレをどうなさるおつもりでしたか?」
……ゑ、なんで?
「参考にさせて頂こうかと」
……コメカミの血管が浮いている。
どーやら、アレックスさんはヤる気らしい。
ミヤさんは楽しそーに俺に見た。
……俺か?
まあ、随分と少女に執着してるみたいだからな。
そこらへんを突こうかな、と。
「ほう……。具体的にはどうなさいます?」
アレックスさん……。
なんか、ワクワクしてないか?
まあいいけど。
具体的には、な。
「暗黒魔法で、あのじーさんの中身を作り変えてやろーかな、と。で、心は少女を求めるけど、身体は熟女を求めるってのと。少女萌えから熟女萌えに変化したけど理由が分からないっての、どっちがイヤだと思う?」
あと思考と発言内容が真逆になるとか。
少女を褒め称えているつもりで、思いっ切り貶してるとか、熟女を貶めるつもりで賛美してるとか。
当然、自分が何言ってんのかは、きっちり自覚有りそして把握済みな。
「ちなみにこの場合の熟女って、外見が50歳以上な。いくら中身が200歳越えてても、見た目が小娘だったら身体が拒否る、とかどーよ? 本人はすっげ~イヤだと思ってても、身体は熟女とか……老女とかにのみ反応するってのは?」
「……君、楽しそうだね。……だからドSって言うんだよ。本当に、父親そっくりになってきて……」
うるさいですよ、ミヤさん。
アレほど非道くはない、多分。
……多分、な?
ちょっと目が泳いでる俺に、アレックスさんが、つかつかと近寄ってきて……。
がしっと両手を掴まれて。
「素晴らしい!」
ぶんぶんと、そのまま両手を振られた。
シェイクハンド?
なんで?
偉そうに語っていた上から目線のじーさんは、執事見習いのレンフィールド、とか。
ここにきて初めて、上からじーさんの名前判明。
そして……。
「執事のお約束、セバスチャンじゃないんだな、名前」
「ウォルターでもないんだね……」
なんとなく、がっかり。
しかしさ……のじゃロリババアって、いいトコのお嬢だったんだな……。
だからか。
あんな人を人とも思わないよーなこと、平然とやらかしたのは。
まあそれよりもさ。
「……レンフィールドって名前だったんだね、あのじーさん。彼が言うまで知らなかったね」
「名乗りもしないで1人滾ってましたからねー。……ブ○ム・ストーカーの小説の登場人物と同名か。……確かアレも小者の名前だったよーな」
「ドラキュラのパシリにされた人間の名前だったよね……」
俺とミヤさんが、そんなことをコソコソっと話していたら、思いのほか低い声でアレキサンダーさんが。
「……まさか、アレは名乗りもせずに無礼を働いたとか……?」
笑顔を浮かべてはいるが、その目は笑っていない。
そんなアレキサンダーさんに、残念なお知らせです。
「わたくしのことは、どうかアレックスとお呼び下さい」
そう言ったあと、微かに眉間のあたりにシワを寄せて。
「……なんでしょう……イヤな予感しかしないのですが、お伺い致します。アレは何を仕出かしたのでしょうか?」
アレックスさんの笑顔が微妙にひきつっている。
が、気にせず行こう。
正直あのじーさん、何をしに来たのか皆目分かんなかった。
きっぱりと言いきられて、一瞬呆けたアレックスさん。
ミヤさんが畳み掛ける。
「人族に憑依して、わざわざここまでやって来て、ウチの子達やここのギルドの副支部長に難癖付けてね。副支部長から1発──いや、2発か?──食らったあと、憑依を解除して出てきてね……」
「あとは名乗りもしないで、ただひたすらに自分の理想の少女像を滔々と語っていただけだな」
ケンカ越しで来たけど、大したことなかったしな。
実際に、俺らに何か仕掛けて来ようってんなら、相場の3倍返しにしただけだろーし。
……このあたりのケンカの相場、知らんけど、さ。
「そうですか……。それは大変なご迷惑を……」
コメカミをヒクつかせながら、アレックスさんは何かを期待するかのよーに、俺らに向かって言った。
「実際のところ、アレをどうなさるおつもりでしたか?」
……ゑ、なんで?
「参考にさせて頂こうかと」
……コメカミの血管が浮いている。
どーやら、アレックスさんはヤる気らしい。
ミヤさんは楽しそーに俺に見た。
……俺か?
まあ、随分と少女に執着してるみたいだからな。
そこらへんを突こうかな、と。
「ほう……。具体的にはどうなさいます?」
アレックスさん……。
なんか、ワクワクしてないか?
まあいいけど。
具体的には、な。
「暗黒魔法で、あのじーさんの中身を作り変えてやろーかな、と。で、心は少女を求めるけど、身体は熟女を求めるってのと。少女萌えから熟女萌えに変化したけど理由が分からないっての、どっちがイヤだと思う?」
あと思考と発言内容が真逆になるとか。
少女を褒め称えているつもりで、思いっ切り貶してるとか、熟女を貶めるつもりで賛美してるとか。
当然、自分が何言ってんのかは、きっちり自覚有りそして把握済みな。
「ちなみにこの場合の熟女って、外見が50歳以上な。いくら中身が200歳越えてても、見た目が小娘だったら身体が拒否る、とかどーよ? 本人はすっげ~イヤだと思ってても、身体は熟女とか……老女とかにのみ反応するってのは?」
「……君、楽しそうだね。……だからドSって言うんだよ。本当に、父親そっくりになってきて……」
うるさいですよ、ミヤさん。
アレほど非道くはない、多分。
……多分、な?
ちょっと目が泳いでる俺に、アレックスさんが、つかつかと近寄ってきて……。
がしっと両手を掴まれて。
「素晴らしい!」
ぶんぶんと、そのまま両手を振られた。
シェイクハンド?
なんで?
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