目標:撤収

庭にハニワ

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……餌付けにしか見えない……。

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妙なことを言ってきたおっさんが、おっさんじゃなかった。

なんだ肉人形って。

とりあえず、キモい。

そして、なんとなく不気味だ。



その頃、上の階では……。

1階受付側に据え置きのテーブルセットで、人族の少年少女とパンダがまったりと茶をしばいていた。

パンダ──リーランが用意したハーブティーに、スズとリッカが取り出した茶菓子を添えて楽しむ。
……本日の受付担当のあたりから、キビしい視線が飛んできたので、テーブルに出したモノと同じモノをそっと差し入れて。
許可を得た上で、お茶会は進む。
なんとなく、ユル~い雰囲気が周辺に漂っていた。

時間的にアラクレどもが来る時間ではなく……と、いうか。
ぶっちゃけ受付とスズ達以外、誰も居ない。

3人は、貸し切り状態でまったりのんびりとコウが作ったパウンドケーキを堪能していた。

「は~……コウ君って、ホント料理上手だね~……」

リーランも、ケーキを一口食べてはため息をつきつつ味わっている。

甘いケーキに、ちょい酸味のあるハーブティーが、なかなか……。

「まあ、コウは、ねぇ。必要に応じた結果だけどね」

スズがのんびりと言いながら、茶を一口。
リッカはケーキだけでは物足りない、と異次元倉庫から更にメレンゲ(焼)を取り出してカリカリかじっている。
……お気に入りなんだねぇメレンゲ……。

甘味ばかりが並ぶ中、リッカは。

「しょっぱいのも欲しくなってきたわね……。後でコウ君に、ポテチとか作ってもらおうかな?」

リクエストする気満々だ。
そして聞き覚えのない料理名に、リーランの耳がぴこっと動く。
かわいい。

「……ポテチ?」

こてん、と小首を傾げる。
かわいい。

そんなかわいいパンダを置いといて。
スズとリッカは。

「あ~、いいですねぇポテチ。オレも久しぶりに食いたいですよー」
「ね~。後でコウ君に頼みましょ」

地味に盛り上がっていた。

自分達で作るとは、絶対言わないんだなこの2人……。

パンダの意識が未知の料理から戻ってこない。

「ね~、ポテチってな~に~?」

リッカがざっくりと説明してる間にスズは改めて自分の異次元倉庫をチェックした。

「あ~……。オレ、残ってないですわ。リッカさんは?」

問われたリッカは残念そうに。

「……ポテチは残ってないわね……。お菓子の在庫がなんか寂しいわ。料理はまだまだあるんだけどね」

そんなことを言いながら、コウお手製の焼き菓子の残りを出した。
チーズクッキーとマドレーヌだ。
それを見て、スズが浮かれる。

「あ、チーズクッキー。これウマいですよね~。あんまり甘くなくて」
「ね~。ちょっとびっくりしたもの。甘くないクッキーって、初めて食べたわ、私」

のんきに話す2人。
リーランの手が、わきわきしている。

「……ねぇ、食べてみていいかなぁ?」
「あ、どーぞ。こっちが甘くないクッキーですよ~」

スズに進められて、うまうま、と食べては美味しーねー、と笑いあってる3人。
微笑ましい光景だが。

ハタから見てれば、パンダを餌付けしてるよーにしか見えない気がする……。

お茶してる3人の様子を生暖かく見ながら、本日の受付担当はそんなコトを考えていた。







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