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想定外にも程がある。
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疲れた。
精神的に疲れた。
なんかもー、むやみやたらに疲れた。
疲れたから《壺中天(笑)》に戻ってふて寝したい。
「あぁ……それも良いよね……」
「オレ、スミレんところ行きたい」
「あ、私も猫と戯れたい……」
そーか、んじゃ銀竜……。
「御意」
適当な時間まで、よろしく頼むわ。
その場で別行動することになった。
リドラさんは家に戻り、ギルド長はリーランさんにギルドに引っ張られていった。
ジンベイさん来ちゃったもんな~。
そりゃ予定外の仕事も出来るわな。
見ものだったムダにでっかいジンベイさんが居なくなったので、ヤジ馬どもも散らばっていった。
ギルド長とジンベイさんの圧に負けて、気絶していた連中を、ムダなコトはしない、と言わんばかりにズルズルと引きずって帰っていった。
……そこで起こすとか気付けとか一切しないあたり……なんだろーな。
……まあ、いいや。
じゃあスズ、あとでな。
俺とミヤさんは《壺中天(笑)》に戻り、各自自分の部屋に行った。
俺は軽く全身に《清潔》を掛けてからベッドにダイブした。
目が醒めたのは夕方。
黄昏時だった。
正確にはなんか必死なスズの念話に起こされたんだが。
なんだ? と思って出たんだが、次の瞬間飛び起きた。
『リッカさんがさらわれた!』
……何?
何がどーしてそーなった?
んで、銀竜は何してた!
『人質いたからしょーがなかったんだよ! んで、銀さんは後追っかけてった。詳しくは会って話す。ギルド行くからよろしく!』
分かった、ミヤさん起こして行くわ。
念話は終了。
さて、素直は起きてくれるかな、あの人……。
あ、10人分のアイス渡すの忘れてたから……。
で、アイスで釣ってなんとかミヤさんを起こし、2人でギルドへ。
人質がいたって言ってたからな~……。
何がどーなってんのか、当事者に聞かないと。
なんとなく薄暗くなる中、ギルドに到着。
スズは……いた。
リーランさんにしがみついて、あやされてる最中だ。
半泣きのスズを遠巻きにして、なんかモヤついてる男女多数。
ス──「コウーっ!」
声を掛ける前に食いぎみに叫んだスズは、リーランさんから離れて俺に体当たりしてきた。
「リッカさんが……リッカさんが……」
近い。
そして痛い。
で、やっぱ近い。
涙目でしがみついてきたスズは、近すぎて顔分かんねーよ、ってくらい顔を近づけて。
俺の二の腕を鷲掴んだ爪が食い込んで痛い。
ちょっと落ち着け。
この状況は、腐海の住人が喜ぶだけだ。
……俺らの方はあんまり注目されてなかったけど、やっぱりここにもリッカさんのお仲間はいて。
ギルド長とリドラさんっていう種族も性別も乗り越えた、完全に出来上がったバカップルがいるから、基本俺らはスルーされ気味だったよーだけど、ここにきて大注目だ。
残念なことに、な。
で、スズよ。
いったい何がどーしたよ?
えぐえぐしながらしゃべるスズの話をなんとか整理すると、こんな感じに。
──スズの証言──
今まで通りに猫と戯れてところに声を掛けてきた男がいた。
年の頃は20代後半? くらいの、海の男と言うよりは田舎で畑やってますって感じのおっさんだった。
このあたりじゃあんまり見かけない感じ?
で、ソイツがリッカさんに猫なで声で、猫よりももっとかわいいのが居る所を知ってるから一緒に行こう、とかナンとか。
……少女趣味のヘンタイか? と思って。
リッカさんがオレの所に駆けてきたら、男の様子が豹変して。
“君が一緒に来てくれないんなら、この子がどうなっても知らないよ?” と、物陰に隠れていたもう1人の男が10歳くらいの女の子をムリヤリ引っ張ってきて……。
ナイフを突き付けられて、泣いてる女の子の頬っぺたを、べろん、と……舐めた。
「うえっ」
周りで聞いてたギルド員が、気持ち悪そうに声を洩らした。
そんな知らない子供……と思ったんだけど、リッカさんは知ってる子だったみたいですっごい慌てていて。
思わず、誰? って聞いたオレに、よく行く生ジュースの屋台の……妹ちゃんよって。
誰か知ってる?
搾りたて生ジュースの屋台……お姉さんがやってて、妹ちゃんが接客してるって……。
「あー! あの……え? あの子さらわれた?」
「おい、誰か衛兵の詰め所行ってこい!」
「姉さんの方は無事かどーか見てこい!」
ギルド員も動き出したところに、銀竜が戻ってきた。
ケガしてボロボロの女の子を抱えて。
精神的に疲れた。
なんかもー、むやみやたらに疲れた。
疲れたから《壺中天(笑)》に戻ってふて寝したい。
「あぁ……それも良いよね……」
「オレ、スミレんところ行きたい」
「あ、私も猫と戯れたい……」
そーか、んじゃ銀竜……。
「御意」
適当な時間まで、よろしく頼むわ。
その場で別行動することになった。
リドラさんは家に戻り、ギルド長はリーランさんにギルドに引っ張られていった。
ジンベイさん来ちゃったもんな~。
そりゃ予定外の仕事も出来るわな。
見ものだったムダにでっかいジンベイさんが居なくなったので、ヤジ馬どもも散らばっていった。
ギルド長とジンベイさんの圧に負けて、気絶していた連中を、ムダなコトはしない、と言わんばかりにズルズルと引きずって帰っていった。
……そこで起こすとか気付けとか一切しないあたり……なんだろーな。
……まあ、いいや。
じゃあスズ、あとでな。
俺とミヤさんは《壺中天(笑)》に戻り、各自自分の部屋に行った。
俺は軽く全身に《清潔》を掛けてからベッドにダイブした。
目が醒めたのは夕方。
黄昏時だった。
正確にはなんか必死なスズの念話に起こされたんだが。
なんだ? と思って出たんだが、次の瞬間飛び起きた。
『リッカさんがさらわれた!』
……何?
何がどーしてそーなった?
んで、銀竜は何してた!
『人質いたからしょーがなかったんだよ! んで、銀さんは後追っかけてった。詳しくは会って話す。ギルド行くからよろしく!』
分かった、ミヤさん起こして行くわ。
念話は終了。
さて、素直は起きてくれるかな、あの人……。
あ、10人分のアイス渡すの忘れてたから……。
で、アイスで釣ってなんとかミヤさんを起こし、2人でギルドへ。
人質がいたって言ってたからな~……。
何がどーなってんのか、当事者に聞かないと。
なんとなく薄暗くなる中、ギルドに到着。
スズは……いた。
リーランさんにしがみついて、あやされてる最中だ。
半泣きのスズを遠巻きにして、なんかモヤついてる男女多数。
ス──「コウーっ!」
声を掛ける前に食いぎみに叫んだスズは、リーランさんから離れて俺に体当たりしてきた。
「リッカさんが……リッカさんが……」
近い。
そして痛い。
で、やっぱ近い。
涙目でしがみついてきたスズは、近すぎて顔分かんねーよ、ってくらい顔を近づけて。
俺の二の腕を鷲掴んだ爪が食い込んで痛い。
ちょっと落ち着け。
この状況は、腐海の住人が喜ぶだけだ。
……俺らの方はあんまり注目されてなかったけど、やっぱりここにもリッカさんのお仲間はいて。
ギルド長とリドラさんっていう種族も性別も乗り越えた、完全に出来上がったバカップルがいるから、基本俺らはスルーされ気味だったよーだけど、ここにきて大注目だ。
残念なことに、な。
で、スズよ。
いったい何がどーしたよ?
えぐえぐしながらしゃべるスズの話をなんとか整理すると、こんな感じに。
──スズの証言──
今まで通りに猫と戯れてところに声を掛けてきた男がいた。
年の頃は20代後半? くらいの、海の男と言うよりは田舎で畑やってますって感じのおっさんだった。
このあたりじゃあんまり見かけない感じ?
で、ソイツがリッカさんに猫なで声で、猫よりももっとかわいいのが居る所を知ってるから一緒に行こう、とかナンとか。
……少女趣味のヘンタイか? と思って。
リッカさんがオレの所に駆けてきたら、男の様子が豹変して。
“君が一緒に来てくれないんなら、この子がどうなっても知らないよ?” と、物陰に隠れていたもう1人の男が10歳くらいの女の子をムリヤリ引っ張ってきて……。
ナイフを突き付けられて、泣いてる女の子の頬っぺたを、べろん、と……舐めた。
「うえっ」
周りで聞いてたギルド員が、気持ち悪そうに声を洩らした。
そんな知らない子供……と思ったんだけど、リッカさんは知ってる子だったみたいですっごい慌てていて。
思わず、誰? って聞いたオレに、よく行く生ジュースの屋台の……妹ちゃんよって。
誰か知ってる?
搾りたて生ジュースの屋台……お姉さんがやってて、妹ちゃんが接客してるって……。
「あー! あの……え? あの子さらわれた?」
「おい、誰か衛兵の詰め所行ってこい!」
「姉さんの方は無事かどーか見てこい!」
ギルド員も動き出したところに、銀竜が戻ってきた。
ケガしてボロボロの女の子を抱えて。
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