目標:撤収

庭にハニワ

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結果2人でヘコんだ。

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マイナス方向に行った思考。

程良く放置してもらってた間、あっちこっちさ迷ってた思考がなんとかなってきたので。

「あー…。他の討伐対象の情報…」

ちょっとしゃべったらスズが。

「コウ?…まだ引きずってねーか?もうちょっと、ぐでっとしててもいいんだぞ?」

ありがたいけど、そーもいかんだろ。

「なんかこー、いらんコトばかりぐるぐる考えてた。幼稚園の頃のこととか」
「あー」

スズは俺の隣りに座り直して、話を聞くって体勢になった。
…他の皆は資料をまとめている。
任せっきりで、正直スマン。
ちょっと吐き出させてくれ、このモヤっと感。



机に懐いたままで、顔だけスズの方に向けて話し始めた。

「なー…幼稚園の頃さー、オカシなヤツ居たよな?先生でも無いのになんかウロウロしてた知らない大人。…大人か?アレ……大人?」

スズは眉を寄せて、考え込んだ。

「いつの間にか湧いて出て、俺らをだらしない顔で見てたヤツ…」
「…あー、居たな。…っつーか、オバケがいる…って皆で騒いでたヤツだよな。オレらが余りにも明確に、具体的にソレの話するモンだから、先生達や母さん達がめっちゃ警戒してたヤツ。…確か、近辺に変質者がわく、とかなんとか。知らないヤツについて行くな!って毎日言われてた」

ソレな。

スズは思い出した!とばかりに話始めた。

「オレ、アレに声掛けられてダッシュで逃げたことある」

マジか。

「マジ。パッと見そこらの兄ちゃんなんだけど、胡散臭いっつーか、薄気味悪いっつーか…。なんかニヤニヤしながら近寄って来たんで、速攻逃げた」

そりゃ逃げるわ…。
…あー、そーいや俺も…。

「何?追いかけられた?」
「追いかけられたっつーか…。気付くとこっち見てる得体の知れないヤツがいた。以前から良く見てる、踏切の向こう側で手招きしてる血まみれの…片足無い子供とかと同じだと思って完全無視してた」

スズは、げっ…てカンジの顔で俺を見た。

「お前…幼稚園の頃からそんなモン見てたの?」

おー。

「親父の友人に、そっち方面に詳しい人がいてな。絶対に相手にするな…って言われていてな。だから、ずーっと見えてないフリしてた」
「うわー…」
「そーゆーヤツは、こっちが気付いてる、って分かるとくっついてきたり連れて行こうとするって言ってた」
「あー…」

スズはもはや言葉も無いらしい。

「四捨五入したらゼロになる年齢のお子様に、ソレが生きたモンか死んだモンか、なんて区別つかないからなぁ。なんか様子がオカシいなーってヤツは、生きてよーが死んでよーが一切無視して近付かないようにしてた」
「…お前が恵美ちゃんのこと、一切無視してた理由が分かったわ…」

そりゃ、な。ただただ見てるだけ…って、ブキミじゃん?
連れて行かれるのも、ついて来られるのもイヤだったからな。
そーゆーヤツ、結構いっぱい居たぞ。

「知りたくなかった事実だ…」

で、さ。
アレ、生きてたの?幼稚園に出没してたニヤニヤ男。

「…分かんなくなったわ…」

俺と同じように、机に懐いた。
スズに悩みを一つ、抱えさせてしまったよーだ。

すまぬ。

気付いたら、2人でヘコんでいた。



なんか余計にモヤモヤしたかも。
これはアレか。
やっぱりウダウダ考え込むより、物理的に身体動かせってコト?
…そーいや、この3・4日、料理ばっかしてて引きこもり状態だったな~俺。
ナニカが溜まっているのだろ~か…。
これは…討伐対象に八つ当たりしろ、ってか?
思う存分八つ当たれ、って?
思いっきりよく鬱憤晴らししろ、って?

スズがひょこっと顔を上げて。

「なんか、パーッと遊びたい。気分転換に、パーッと」

あ、それも良いなー。

「お前が言ってた海鮮バーベキュー。あれやろうぜ。リドラさんも呼んで、さ」

…あー、いーね~…。
でもさ?

「もれなくギルド長がついて来るだろ~けど?」
「リーランさんも来るだろ~けどな」

2人して、顔を見合わせて笑った。

「なー、コウ?」
「ん~?」
「今も、その~…アレ的なナニカ、見たりして…?」
「…今はちゃ~んと見分けられるし、見えないよーにしてるから。大丈夫だろ…多分」
「多分はヤメろー!」






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