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な~、“秘色”さ~。
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ミヤさんを頭からしめ出したあと、異次元倉庫内の禁止図書室の本を改めて調べる。
なんか、生産系っつーか、錬金術関係の本がないか…。
…“秘色”さ~…。
頭の奥底で、眠っていた“秘色”を起こした。
…何?
誰かの精神崩壊させるのか?って?
…やらん。
えー、じゃない。
やるのは別にいいけど、後の始末が面倒じゃないか。
…おっと、本音が…。
…嬉しそーだな“秘色”…。
何でもいいから構ってくれるのが嬉しい?
自分たちは使われる為の本なのに、もう長いこと誰の手にも取られなかった。
だから今は凄く幸せだ。
他の本達も、マスターに使われる時を待っているよ、…だって?
マスターって誰だ?
………。
……。
あ、俺か!
そーいや“秘色”とは契約したから、俺が“秘色”のマスターか。
…何、他のヤバめな魔法書も、自分と契約してくれって?
…その話はまた今度な。時間作るから。
…や、マジでさ。
今日はお前に聞きたいことがあったんだよ。
禁止図書室の中で生産系っつか錬金術関係。あと…サポート用の魔法書…初心者用な。そんな本は…。
なになに?
“東西錬金術大全”、“愛の妙薬”、“初心者向けの製薬術”、“二十三夜の月”、“栄光の付与魔法”、“枝葉祭文書”…。
…なあ、ヤバいヤツが自己偽装して混じってる、なんてことは…。
あ、それはしない…良し、OK。
えーと…まずは…。
“東西錬金術大全”
まんま錬金術の本だな。黄金の作り方からホムンクルスまで。まあ基本っちゃ基本だな。
“愛の妙薬”
…薬っつか媚薬系ばっかじゃん。媚薬だの性病の薬だの…もっと基本的なヤツは…。
ああ、“製薬術”がそうなのか。
題名にきっちり書いてあるもんな。初心者向けって。…確かに基本か。傷薬、風邪薬、お約束のポーションとか…。そのまんま過ぎる気がしなくもないが。
“二十三夜の月”
これが生産系の基本か?…半分錬金術なんだな~…。あー…錬金術も被ってくんのか…。
で、“栄光の付与魔法”
…書いたヤツ、何かあったのか…?
まあ、中身はマトモだから良し、としとこう。
“枝葉祭文書”が付与魔法の複合型、と。
…これ、スズとリッカさん、3日でなんとかなるかね?
…って、“秘色”?
…何?そんな時こそ自分を使え、だ?
マスターが理解していることならば、知識を複写して対象の頭に直接転写することも出来る、だ?
その逆も可能だと?
…何それ怖い。
要らんことまでやらかしそうで、怖い。
…暗黒魔法って、何でも有りか~。
まあいっか。今ん所、お前には禁止図書室の司書やってもらえりゃ充分だから。
…ん?役に立ってるかって?
おお、十二分に役立ってるぞ。
さすがにあんなバカげた数の本、把握するなんてムリだわ。
お前がいろいろ教えてくれて、本当に助かってるぞ。
…えへー♪…って…。
本のクセして妙に可愛いな、コイツ。暗黒魔法なんておっかない魔法の本なクセになー。
あ、ヘビ様に貰った魔法銀と魔宝石、ぶっ壊れ異次元倉庫腕輪バージョンに入れとこう。
この先お世話になるだろうし。
とりあえずは地味な作業、〖壺中天〗の展開図っつか設計図っポいのでも書いておくか。ガワだけ作っときゃ、中身は後からでもなんとかなるしな。
あ、“秘色”、魔法改造に関する本とかあるか、探しといてくれ、な?
…はーい♪って…本当に嬉しそうだな。
…まあ、今はいーや。
その頃の銀竜。
とにかく、主様方が向かわれる先に危険がないか、確認しなければ。
情報収集として、手っ取り早く盗賊ギルドに向かう。
…マクリール国の関係者がいるやも知れんが、襲われたなら返り討ちにするだけだ。
主様方ほどではないが、自分もある程度の強さは持っているつもりだ。元の部下達程度ならば、後れをとることもない。
それに…。
おれはそっと自分の左耳に触れた。
主様より賜った、精神・神経系統のーー毒・麻痺・魅了・混乱・石化・呪い全て反射する、という不可解な魔法具…これを複製する為に、主様は自らの魔法具を3日間外してらした。自らの危険もかえりみずに。
『まあ、実験の結果だからそう気にするな。正直お前が居てくれて、色々助かってんだ。この先もよろしく頼むってワイロみたいなモンだと思っとけ』
そう言って、主様は笑っておられたが…。
国宝クラスの魔法具を、実験の結果とはいえ影草ごときにポンと下さるとは…。
欲が無いのだろうか?
国によっては王族ですら手にする事を許されず、神殿にて神宝…神の宝として納められ、二度と表には出てこないという品なのに。
渡された魔法具の稀少さにおののいていたおれに、主様は。
『道具は使わなきゃ意味ないぞ?大事にしまい込んでても、何にもならん。それは、お前のだ。使うなり、売り飛ばすなりお前の好きにすればいい』
そう言って、主様は笑った。
呆然としていると、ミヤ様ーー始めにおれを捕らえた方だーーミヤ様が。
『君も素直じゃないよね』
なんか、生産系っつーか、錬金術関係の本がないか…。
…“秘色”さ~…。
頭の奥底で、眠っていた“秘色”を起こした。
…何?
誰かの精神崩壊させるのか?って?
…やらん。
えー、じゃない。
やるのは別にいいけど、後の始末が面倒じゃないか。
…おっと、本音が…。
…嬉しそーだな“秘色”…。
何でもいいから構ってくれるのが嬉しい?
自分たちは使われる為の本なのに、もう長いこと誰の手にも取られなかった。
だから今は凄く幸せだ。
他の本達も、マスターに使われる時を待っているよ、…だって?
マスターって誰だ?
………。
……。
あ、俺か!
そーいや“秘色”とは契約したから、俺が“秘色”のマスターか。
…何、他のヤバめな魔法書も、自分と契約してくれって?
…その話はまた今度な。時間作るから。
…や、マジでさ。
今日はお前に聞きたいことがあったんだよ。
禁止図書室の中で生産系っつか錬金術関係。あと…サポート用の魔法書…初心者用な。そんな本は…。
なになに?
“東西錬金術大全”、“愛の妙薬”、“初心者向けの製薬術”、“二十三夜の月”、“栄光の付与魔法”、“枝葉祭文書”…。
…なあ、ヤバいヤツが自己偽装して混じってる、なんてことは…。
あ、それはしない…良し、OK。
えーと…まずは…。
“東西錬金術大全”
まんま錬金術の本だな。黄金の作り方からホムンクルスまで。まあ基本っちゃ基本だな。
“愛の妙薬”
…薬っつか媚薬系ばっかじゃん。媚薬だの性病の薬だの…もっと基本的なヤツは…。
ああ、“製薬術”がそうなのか。
題名にきっちり書いてあるもんな。初心者向けって。…確かに基本か。傷薬、風邪薬、お約束のポーションとか…。そのまんま過ぎる気がしなくもないが。
“二十三夜の月”
これが生産系の基本か?…半分錬金術なんだな~…。あー…錬金術も被ってくんのか…。
で、“栄光の付与魔法”
…書いたヤツ、何かあったのか…?
まあ、中身はマトモだから良し、としとこう。
“枝葉祭文書”が付与魔法の複合型、と。
…これ、スズとリッカさん、3日でなんとかなるかね?
…って、“秘色”?
…何?そんな時こそ自分を使え、だ?
マスターが理解していることならば、知識を複写して対象の頭に直接転写することも出来る、だ?
その逆も可能だと?
…何それ怖い。
要らんことまでやらかしそうで、怖い。
…暗黒魔法って、何でも有りか~。
まあいっか。今ん所、お前には禁止図書室の司書やってもらえりゃ充分だから。
…ん?役に立ってるかって?
おお、十二分に役立ってるぞ。
さすがにあんなバカげた数の本、把握するなんてムリだわ。
お前がいろいろ教えてくれて、本当に助かってるぞ。
…えへー♪…って…。
本のクセして妙に可愛いな、コイツ。暗黒魔法なんておっかない魔法の本なクセになー。
あ、ヘビ様に貰った魔法銀と魔宝石、ぶっ壊れ異次元倉庫腕輪バージョンに入れとこう。
この先お世話になるだろうし。
とりあえずは地味な作業、〖壺中天〗の展開図っつか設計図っポいのでも書いておくか。ガワだけ作っときゃ、中身は後からでもなんとかなるしな。
あ、“秘色”、魔法改造に関する本とかあるか、探しといてくれ、な?
…はーい♪って…本当に嬉しそうだな。
…まあ、今はいーや。
その頃の銀竜。
とにかく、主様方が向かわれる先に危険がないか、確認しなければ。
情報収集として、手っ取り早く盗賊ギルドに向かう。
…マクリール国の関係者がいるやも知れんが、襲われたなら返り討ちにするだけだ。
主様方ほどではないが、自分もある程度の強さは持っているつもりだ。元の部下達程度ならば、後れをとることもない。
それに…。
おれはそっと自分の左耳に触れた。
主様より賜った、精神・神経系統のーー毒・麻痺・魅了・混乱・石化・呪い全て反射する、という不可解な魔法具…これを複製する為に、主様は自らの魔法具を3日間外してらした。自らの危険もかえりみずに。
『まあ、実験の結果だからそう気にするな。正直お前が居てくれて、色々助かってんだ。この先もよろしく頼むってワイロみたいなモンだと思っとけ』
そう言って、主様は笑っておられたが…。
国宝クラスの魔法具を、実験の結果とはいえ影草ごときにポンと下さるとは…。
欲が無いのだろうか?
国によっては王族ですら手にする事を許されず、神殿にて神宝…神の宝として納められ、二度と表には出てこないという品なのに。
渡された魔法具の稀少さにおののいていたおれに、主様は。
『道具は使わなきゃ意味ないぞ?大事にしまい込んでても、何にもならん。それは、お前のだ。使うなり、売り飛ばすなりお前の好きにすればいい』
そう言って、主様は笑った。
呆然としていると、ミヤ様ーー始めにおれを捕らえた方だーーミヤ様が。
『君も素直じゃないよね』
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