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襲撃する側、される側。
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襲撃者サイド(諜報機関)。
何だって、おれらがあの姫サンのワガママ聞かなきゃなんないのかなー…。
黒装束で森に潜みながら、男はぶつぶつと文句を言っていた。
だいたいさあ、お頭はどこ行ってんだよ。あの姫サンのゴキゲン取りは、お頭の仕事じゃねーの?
お頭呼び出して、小型犬みたいにキャンキャン吠えまくって、1人で勝手に満足してお頭下がらせる…って、何の意味があんのかサッパリ分かんねーコトすんのが、3日に一度の姫サンの習慣になってんのに…。
もう何日も姿はおろか、気配さえ感じさせないってさー…。
姫サンの愚痴が、全部こっちに向いてきて、めんどくせーの何のって…。
あの姫サン、お頭みてぇな大人の、渋い男前をアゴで使って悦に入ってるからな~。
性格悪いよな。
あれで花も恥じらうすっげー美人、ってんならともかくさー、女10人集めた中じゃ、あ、うん、まあイケんじゃね?って程度だもんな~。
正直どこにでもいるカンジ?
城下の居酒屋の看板娘の方が、よっぽど美人だぜ。気立てもいいし、ころころ笑ってカワイイし…。
って、アレか。人の顔って、性格が出るって言うから。だからあの姫サンはなんか残念、なカンジになんのか。
なるほど、なるほど。
…しかしなー…。
黒髪黒眼の4人組、その内1人は女ってヤツらを始末しろ…って命令されたのは、まあ構わないけどさぁ。
なんだ?背の高い、顔の良い男が1人いるから、ソイツだけは傷付けずに連れて来いって。
…何でおれらが姫サンの男、調達しなきゃあなんないのかな~…。
…あー…お頭、こんなコトばっかやらされて、いー加減嫌気がさしてたもんな。そりゃあ逃げ出したくもなるよな。
この姫サンの男調達って茶番が済んだら、お頭探しやんなきゃなんないんだよな~。
他国に漏れたらヤバい機密情報、がっつり握ってっからな~。死んでんならともかく、さぁ。生きてたら…ヤバいわな。
戻って来るんなら良し。
その気が無けりゃあ…殺んないと、な。
…ムリじゃね?
正直、おれら束になって掛かってもムリじゃね?
…最悪、死んだコトにしちまわねーか?
もう、めんどくさいしさ~…。
追っ手出して探してますってフリで誤魔化しとくかー…。
黒髪黒眼の4人組、はおれらの仲間が手配した宿からキレイに消えていた。
やっべどーする?ってなって、とりあえず何でもいいから4人組、内1人は女、てのを探しまくった。
サッサと国外に出ちまったのか、とすっげーアセったけど。
国境手前の町でそれっぽい4人組を見つけた時は、ホッとしたぜ。
城から姫サンの吠える声がものすげー大きくなってきて、たまったモンじゃねー!って、連絡が来たからな~。
ターゲットは普通の、そこそこの宿に泊まるらしい。
4人の内、背の高い男と小僧が1人出てきて、男はどうやら馬車の手配に、小僧はーー買い出しか?
とりあえず、手分けして尾行した。
おれは小僧の方に付いたんだが…何か…なんかこう…違和感が、な…。
どー見たって、ただの小僧が1人、町中をフラリと歩いているだけなんだが…。
小僧を追いかける目線の多さに驚いた。
確かに、手足がすんなりと長くて頭も小さくて、正直姫サンなんかよりよっぽど美人な小僧だぜ。人目も引くわな。
女じゃねーのが勿体ないな。
…でも何つ~か、な~…。
身のこなしっつ~か、歩き方っつ~か…。
スキがない。まったくない。
何だアイツ、ただのそこらにいる小僧じゃねーのか?
おれら、これこれこーゆーヤツがいるから殺ってこい、って命令されるだけだから、ソイツがどんなヤツか、とかまったく知らねーんだけど…。
あの小僧、普通じゃない。
普通に買い物して、荷物抱えて宿に戻ったけど…アイツ、おれら全員に気付いてた。
宿に入る直前、口唇の端で笑った。
冷たい眼で、笑った。
嫌な予感しかしないんだが。
どーしても、殺んなきゃダメか?
襲撃されるサイド。
唐突な御者の行方不明に、慌てるスズとリッカさん。そんな2人に、冷静に話しかけるミヤさん。
「そろそろ、あの色ボケ姫の追っ手が追いついて来たみたいだよ」
思いもしなかったのか、2人は呆気に取られている。
「あんだけミヤさんに執着してたんだ。そう簡単に諦めるわけないだろ?あの御者も、色ボケ姫の手の者だ」
「多分だけど、これから僕達を襲撃するんだろうね。…君達、危ないから、馬車に引きこもってガッチリ結界張ってなさい」
ミヤさんは、安全策を出した。
でもさ…。
「2人がかりできっちり結界張ってれば、見てても良いんじゃ?何が起きてるか分からないって、どーよ?」
2人は顔を見合わせて、一つ頷いた。
「ここで、見てるよ」
「余計なことはしないわ」
「あー…。危なくなったら、馬車に避難しなさいね」
ミヤさんが、仕方ないなぁ…って感じで言った。
何だって、おれらがあの姫サンのワガママ聞かなきゃなんないのかなー…。
黒装束で森に潜みながら、男はぶつぶつと文句を言っていた。
だいたいさあ、お頭はどこ行ってんだよ。あの姫サンのゴキゲン取りは、お頭の仕事じゃねーの?
お頭呼び出して、小型犬みたいにキャンキャン吠えまくって、1人で勝手に満足してお頭下がらせる…って、何の意味があんのかサッパリ分かんねーコトすんのが、3日に一度の姫サンの習慣になってんのに…。
もう何日も姿はおろか、気配さえ感じさせないってさー…。
姫サンの愚痴が、全部こっちに向いてきて、めんどくせーの何のって…。
あの姫サン、お頭みてぇな大人の、渋い男前をアゴで使って悦に入ってるからな~。
性格悪いよな。
あれで花も恥じらうすっげー美人、ってんならともかくさー、女10人集めた中じゃ、あ、うん、まあイケんじゃね?って程度だもんな~。
正直どこにでもいるカンジ?
城下の居酒屋の看板娘の方が、よっぽど美人だぜ。気立てもいいし、ころころ笑ってカワイイし…。
って、アレか。人の顔って、性格が出るって言うから。だからあの姫サンはなんか残念、なカンジになんのか。
なるほど、なるほど。
…しかしなー…。
黒髪黒眼の4人組、その内1人は女ってヤツらを始末しろ…って命令されたのは、まあ構わないけどさぁ。
なんだ?背の高い、顔の良い男が1人いるから、ソイツだけは傷付けずに連れて来いって。
…何でおれらが姫サンの男、調達しなきゃあなんないのかな~…。
…あー…お頭、こんなコトばっかやらされて、いー加減嫌気がさしてたもんな。そりゃあ逃げ出したくもなるよな。
この姫サンの男調達って茶番が済んだら、お頭探しやんなきゃなんないんだよな~。
他国に漏れたらヤバい機密情報、がっつり握ってっからな~。死んでんならともかく、さぁ。生きてたら…ヤバいわな。
戻って来るんなら良し。
その気が無けりゃあ…殺んないと、な。
…ムリじゃね?
正直、おれら束になって掛かってもムリじゃね?
…最悪、死んだコトにしちまわねーか?
もう、めんどくさいしさ~…。
追っ手出して探してますってフリで誤魔化しとくかー…。
黒髪黒眼の4人組、はおれらの仲間が手配した宿からキレイに消えていた。
やっべどーする?ってなって、とりあえず何でもいいから4人組、内1人は女、てのを探しまくった。
サッサと国外に出ちまったのか、とすっげーアセったけど。
国境手前の町でそれっぽい4人組を見つけた時は、ホッとしたぜ。
城から姫サンの吠える声がものすげー大きくなってきて、たまったモンじゃねー!って、連絡が来たからな~。
ターゲットは普通の、そこそこの宿に泊まるらしい。
4人の内、背の高い男と小僧が1人出てきて、男はどうやら馬車の手配に、小僧はーー買い出しか?
とりあえず、手分けして尾行した。
おれは小僧の方に付いたんだが…何か…なんかこう…違和感が、な…。
どー見たって、ただの小僧が1人、町中をフラリと歩いているだけなんだが…。
小僧を追いかける目線の多さに驚いた。
確かに、手足がすんなりと長くて頭も小さくて、正直姫サンなんかよりよっぽど美人な小僧だぜ。人目も引くわな。
女じゃねーのが勿体ないな。
…でも何つ~か、な~…。
身のこなしっつ~か、歩き方っつ~か…。
スキがない。まったくない。
何だアイツ、ただのそこらにいる小僧じゃねーのか?
おれら、これこれこーゆーヤツがいるから殺ってこい、って命令されるだけだから、ソイツがどんなヤツか、とかまったく知らねーんだけど…。
あの小僧、普通じゃない。
普通に買い物して、荷物抱えて宿に戻ったけど…アイツ、おれら全員に気付いてた。
宿に入る直前、口唇の端で笑った。
冷たい眼で、笑った。
嫌な予感しかしないんだが。
どーしても、殺んなきゃダメか?
襲撃されるサイド。
唐突な御者の行方不明に、慌てるスズとリッカさん。そんな2人に、冷静に話しかけるミヤさん。
「そろそろ、あの色ボケ姫の追っ手が追いついて来たみたいだよ」
思いもしなかったのか、2人は呆気に取られている。
「あんだけミヤさんに執着してたんだ。そう簡単に諦めるわけないだろ?あの御者も、色ボケ姫の手の者だ」
「多分だけど、これから僕達を襲撃するんだろうね。…君達、危ないから、馬車に引きこもってガッチリ結界張ってなさい」
ミヤさんは、安全策を出した。
でもさ…。
「2人がかりできっちり結界張ってれば、見てても良いんじゃ?何が起きてるか分からないって、どーよ?」
2人は顔を見合わせて、一つ頷いた。
「ここで、見てるよ」
「余計なことはしないわ」
「あー…。危なくなったら、馬車に避難しなさいね」
ミヤさんが、仕方ないなぁ…って感じで言った。
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