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世知辛い。
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せいじょ?の現実に。
「…まあホラ、人間も動物だから…」
会長、何のフォローにもなってません。
マトモそうに見えたけど、色ボケ姫の兄ちゃんもやっぱり色ボケだった、ってことじゃね?
「…聖女がせいじょ…って、性女…」
副会長、改めて言わんで下さい。
色ボケ姫の話、いきますよー。
そこそこイケメン集めてホストクラブ作ってたところに、暗部っポい黒尽くめ呼び出した色ボケ姫は。会長以外の俺ら3人を始末しろ、と命令してた。会長には一服盛って、強引に既成事実作って無理矢理手に入れる、とか。
「…肉食系ね…」
「なんか慣れた口調だったから、似たよーなこと何度もやってんじゃないか、と。周囲の取り巻き達も何の反応も見せなかったし」
「…ウチの姉ちゃん達よりヒデぇ…」
お前んちの姉ちゃん達はまだソコまではやってないか。
…この先不安だなー…いつかナニかをやらかしそーで…。
「まあそんなこんなを見てしまい、うわー…と思いながら部屋に戻ったらば…」
「ば?」
じろり、と会長を見た。
和樹と副会長もつられて会長を見る。
「会長が、どー見ても暗殺者、を足蹴にしてた」
………。
神サマが通った。
あ、神は居なかったっけか。
和樹も副会長も、一瞬マジで固まってた。
「…ナニやってんスか会長…」
和樹の疑問はもっともで。
「その暗殺者、イケメンかしら?」
副会長は、どっかおかしい。
大事なのはソコですか?
「確かに捕獲したのは僕だけど。てなづけたのは君でしょ?」
あ、会長コッチに矛先向けやがった。
副会長の目が爛々と輝き出した。
和樹は見守る体勢に入ってる。
会長、恨むぞ。
どう答えよーか迷ってるうちに、王の呼び出しが来た。ラッキー。
「…チッ…」
副会長、舌打ちはないでしょ?
さー、呼び出しだ~。
ちゃんと魔法具は身に付けてますね?
発動させてますね?やり方は教えたハズですよ?…良し。
コロス気で来るんなら、コロス気で行くだけだ。
覚悟しろよ王サマ?
思い通りにゃさせないぞ。
なあ…“秘色”?
頭の隅で、密やかに笑う声がした。
何だったんだろう…。
もの凄くアウェイ感満載で始まった王との謁見だったけど。
見えてる以上の兵士達やら魔法使い達やらが、謁見の間のそこかしこに隠れてたけど。
王太子も聖女(笑)も、色ボケ姫も居なかったし…。絶対カラんで来ると思ったんだけどな、色ボケ姫。
とりあえず、何かあったら異世界人を捕らえてうんぬん…と、和樹が言った通りになるハズだったんだが。実際のところは。
四方八方からビシバシ飛んでくる魔法ーー多分、服従だの隷属だのロクでもないヤツーー全て、反射したらしい。王をはじめ、その場にいた人々み~んな手の平を返したように好意的になった。好意的と言うより…なんか、覚えのある態度…。極最近、こんな感じのヤツが…。
…銀竜か…。
しかし…すげーなヘビ様の魔法具。
もうヘビ様が神で良いんじゃね?
…あ、もの凄く嫌がってる気配が…。
お陰様を持ちまして、こちら側…俺らの要求は、すべて通りました。むしろハイ喜んで~♪みたいな。居酒屋か。
…コレも王達の自業自得かな?
自分達が仕掛けた魔法に、自分達が掛かってんだからな~。
そんな中で、会長がにっこり笑顔で提示したのは。
・俺らはさっさとこの国を出る。二度とこの国には関わらない。
・相手がどんな立場の者でも、追っ手を出したら三倍返しで反撃する。責任は仕掛けた側にある。
・国を出るに当たっての軍資金、手切れ金…つか、慰謝料をちゃんと払え。俺ら犯罪被害者。
・聖女サマ(笑)には今後一切関わらないから好きにすれば良い。どーせもう好き放題してるようだし?
…最後のヤツを言った途端に、心当たりのあるヤツが泡食ってた。
知るかボケぇ。
以上を持ちまして、国とは円満に離別決定。
少なくとも王は仕掛けて来ないだろう。…俺らに服従して隷属しちゃってるからなぁ。俺ら何もしてないのに。
あんだけガンガンヤバい魔法の集中放火してたら、そう簡単には解けないだろーしなぁ。
“秘色”が出番なかった…って少しスネてるけどな。
で。
その日のウチに出発。善は急げ。
旅の支度はすべて銀竜が手配してくれた。
うむ。使える部下である。
『後で踏んであげれば?』
会長…ンなことイチイチ接触テレパスで伝えてこないで下さい。
あんたはまず接触無しの念話を覚えて下さい。いーかげんメンドくさい。
『えー』
えー、じゃない。
さ、色ボケ姫がしゃしゃり出てくる前に、さっさと行きますよー。
ゲーム感覚の時間はもう終わりだ。
ここから先は、現実だけだ。
覚悟しろよ?
「…まあホラ、人間も動物だから…」
会長、何のフォローにもなってません。
マトモそうに見えたけど、色ボケ姫の兄ちゃんもやっぱり色ボケだった、ってことじゃね?
「…聖女がせいじょ…って、性女…」
副会長、改めて言わんで下さい。
色ボケ姫の話、いきますよー。
そこそこイケメン集めてホストクラブ作ってたところに、暗部っポい黒尽くめ呼び出した色ボケ姫は。会長以外の俺ら3人を始末しろ、と命令してた。会長には一服盛って、強引に既成事実作って無理矢理手に入れる、とか。
「…肉食系ね…」
「なんか慣れた口調だったから、似たよーなこと何度もやってんじゃないか、と。周囲の取り巻き達も何の反応も見せなかったし」
「…ウチの姉ちゃん達よりヒデぇ…」
お前んちの姉ちゃん達はまだソコまではやってないか。
…この先不安だなー…いつかナニかをやらかしそーで…。
「まあそんなこんなを見てしまい、うわー…と思いながら部屋に戻ったらば…」
「ば?」
じろり、と会長を見た。
和樹と副会長もつられて会長を見る。
「会長が、どー見ても暗殺者、を足蹴にしてた」
………。
神サマが通った。
あ、神は居なかったっけか。
和樹も副会長も、一瞬マジで固まってた。
「…ナニやってんスか会長…」
和樹の疑問はもっともで。
「その暗殺者、イケメンかしら?」
副会長は、どっかおかしい。
大事なのはソコですか?
「確かに捕獲したのは僕だけど。てなづけたのは君でしょ?」
あ、会長コッチに矛先向けやがった。
副会長の目が爛々と輝き出した。
和樹は見守る体勢に入ってる。
会長、恨むぞ。
どう答えよーか迷ってるうちに、王の呼び出しが来た。ラッキー。
「…チッ…」
副会長、舌打ちはないでしょ?
さー、呼び出しだ~。
ちゃんと魔法具は身に付けてますね?
発動させてますね?やり方は教えたハズですよ?…良し。
コロス気で来るんなら、コロス気で行くだけだ。
覚悟しろよ王サマ?
思い通りにゃさせないぞ。
なあ…“秘色”?
頭の隅で、密やかに笑う声がした。
何だったんだろう…。
もの凄くアウェイ感満載で始まった王との謁見だったけど。
見えてる以上の兵士達やら魔法使い達やらが、謁見の間のそこかしこに隠れてたけど。
王太子も聖女(笑)も、色ボケ姫も居なかったし…。絶対カラんで来ると思ったんだけどな、色ボケ姫。
とりあえず、何かあったら異世界人を捕らえてうんぬん…と、和樹が言った通りになるハズだったんだが。実際のところは。
四方八方からビシバシ飛んでくる魔法ーー多分、服従だの隷属だのロクでもないヤツーー全て、反射したらしい。王をはじめ、その場にいた人々み~んな手の平を返したように好意的になった。好意的と言うより…なんか、覚えのある態度…。極最近、こんな感じのヤツが…。
…銀竜か…。
しかし…すげーなヘビ様の魔法具。
もうヘビ様が神で良いんじゃね?
…あ、もの凄く嫌がってる気配が…。
お陰様を持ちまして、こちら側…俺らの要求は、すべて通りました。むしろハイ喜んで~♪みたいな。居酒屋か。
…コレも王達の自業自得かな?
自分達が仕掛けた魔法に、自分達が掛かってんだからな~。
そんな中で、会長がにっこり笑顔で提示したのは。
・俺らはさっさとこの国を出る。二度とこの国には関わらない。
・相手がどんな立場の者でも、追っ手を出したら三倍返しで反撃する。責任は仕掛けた側にある。
・国を出るに当たっての軍資金、手切れ金…つか、慰謝料をちゃんと払え。俺ら犯罪被害者。
・聖女サマ(笑)には今後一切関わらないから好きにすれば良い。どーせもう好き放題してるようだし?
…最後のヤツを言った途端に、心当たりのあるヤツが泡食ってた。
知るかボケぇ。
以上を持ちまして、国とは円満に離別決定。
少なくとも王は仕掛けて来ないだろう。…俺らに服従して隷属しちゃってるからなぁ。俺ら何もしてないのに。
あんだけガンガンヤバい魔法の集中放火してたら、そう簡単には解けないだろーしなぁ。
“秘色”が出番なかった…って少しスネてるけどな。
で。
その日のウチに出発。善は急げ。
旅の支度はすべて銀竜が手配してくれた。
うむ。使える部下である。
『後で踏んであげれば?』
会長…ンなことイチイチ接触テレパスで伝えてこないで下さい。
あんたはまず接触無しの念話を覚えて下さい。いーかげんメンドくさい。
『えー』
えー、じゃない。
さ、色ボケ姫がしゃしゃり出てくる前に、さっさと行きますよー。
ゲーム感覚の時間はもう終わりだ。
ここから先は、現実だけだ。
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