15 / 374
ありがとうヘビ様!かーらーの。
しおりを挟む
じわじわと大きくなってきたヘビ様。
『余計な本が無くなって、よーやくわしの領域が戻ってきたのじゃ。これで元の大きさに戻れるわい』
ヘビ様、嬉しそーだな。
あの本の山、邪魔だったんか。
『お主が全部キレイに持ってってくれて、助かったぞい』
気付いたら、ヘビ様16トントラックサイズになってた。…でっか。
『ついでにコレも渡しとこーかの』
宝石をゴロゴロ、銀色の金属をインゴットでゴトゴトと出したヘビ様は、なんとなくスッキリしたカンジで。
『ここのヤツら、ロクに使えもせんのに魔宝石だの魔法銀だの溜め込みおって…圧が凄かったんじゃ、圧が』
これで少しは楽になった、と笑ってるヘビ様。
ご機嫌だな。
『これらの使い方は、お主の本の中にあるでな。工夫して色々と遊んでみるがええ』
大事なのは想像力だ、とヘビ様は言った。
ひょっとして、魔法とかも想像力が大事?
『そーじゃよー。お主の世界、色々諸々あるよーじゃから、さぞかし愉快なことになるじゃろーなー』
あー…魔法革命起こしちゃう?
やんないけど。面倒だから、やんないけど。
『お、そーじゃった。一番大事かもしらん物渡しそびれておったわい』
ヘビ様、ちょっと大きめの、親指と人差し指で作った輪っかくらいの大きさの、透明な石を銀線でぐるぐる巻きにしたデザインのペンダントを出してきた。
『魔素を溜める魔法具じゃ。容量一杯になったら濃い色になる。黒く染まるまで溜め込めば、帰還に必要なだけの魔素が溜まったとゆーことじゃ。帰還の具体的な方法はーー』
ヘビ様、俺をジッと見て。
『…お主の左足にあるの』
あー。
『お主に刻み込まれた数多の法陣の…最後の1つが転移に関するものじゃ。…またずい分と意地の悪いことをしよる』
あ、うん。これ仕込んだの、親父です。
『なんとまあ…』
ヘビ様に引かれるウチの親父。
根性悪は仕様です。
俺はもう慣れ親しんでる。
親だからな。
…アレでも男手1つで俺を育ててくれてるんだよ…。
『後は色々実地で学ぶがええ。その為の本はすべてお主に渡してあるからの。…まあ大半はヤバい本じゃが』
ヘビ様、大きなあくびを1つ。
…俺なんかひと口でぱっくりイカれそーだな。
デカい口だ。
『喰わんよ。必要ないからの』
そこらへんはまあ…信用できる。
ヘビ様がその気なら、デカくなった時点でぱっくりイカれてるハズだもんな。
まあおとなしく喰われたりはしないけど。
『わしはこの開放感に浸りながらひと寝入りするわい。もう会うこともなかろうが、達者でなぁ。無事帰れるように祈っておるよ。神はおらんがな』
ヘビ様、冬眠体勢に入った。
「色々と、どうもありがとうございました。おやすみなさい」
ゆっくりと休んでくれ。
お散歩終了~。
部屋に戻った。
途中、何度も巡回の兵士とかとすれ違ったけど、認識阻害の魔法を使ってたので何の問題もなく帰還。
会長、ただいま~。
…って、何だこれ。
あてがわれた部屋に戻ったら、頭からつま先まで黒尽くめ黒マスクの見るからに暗殺者、なヤツを会長が踏みつけにしていた。
「…何やってんですか?」
何かのプレイの真っ最中か?
俺もう一回散歩してこようか?
「情報源確保したのに冷たいね、君は」
そー言って、会長は足下の黒尽くめを踏みにじる。
…何かヘンな声出してますけど…調教済みか。
「そのジト目で見るの、ヤメてくれないかな?この部屋の周りをウロウロしていたから、結界縮小して立花君達のみ守った上で、ご招待申し上げたんだけどね?」
会長、黒尽くめを更に力強く踏みしめる。
「あんまり弱くて笑っちゃったよ」
楽しそーだな会長。アンタやっぱりSの…げふんごふん。
「で、とりあえず身動き出来なくした上で尋問始めよーかな、と思ってた所に君が戻ってきたワケさ」
会長、にっこり笑って。
「おかえり?」
…会長、いくら笑顔でも足下が…。
…あー…。
「…とりあえず、やるべきことをやりましょうかね…」
ちょうど都合の良い本見つけてきたことだし、ね。
…ん?
なんか見たことあるっポいなコイツ…どこで見た?こんな見るからに後ろ暗い仕事専門です、みたいなヤツ…。
あ。
「会長、こいつ色ボケ姫が寄越した暗殺者的なヤツだ」
黒尽くめ、ギクッとしてる。
おい。そー簡単に雇い主バラすよーな反応するなよ。…ってアレか。素人の小僧だと思って襲撃したら、あっさり返り討ちで心に傷でも負ったか。更に会長にナニかされてナニかが目覚めたか…。
…そこら辺は触れないよーにしとこう…。
「…色ボケ姫がね…そこら辺、詳しく聞かせてくれるかな?口頭で」
へーい。こいつにワザと聞かせるんですね。バッキバキに心折る気ですね。
容赦ねーな会長。
『余計な本が無くなって、よーやくわしの領域が戻ってきたのじゃ。これで元の大きさに戻れるわい』
ヘビ様、嬉しそーだな。
あの本の山、邪魔だったんか。
『お主が全部キレイに持ってってくれて、助かったぞい』
気付いたら、ヘビ様16トントラックサイズになってた。…でっか。
『ついでにコレも渡しとこーかの』
宝石をゴロゴロ、銀色の金属をインゴットでゴトゴトと出したヘビ様は、なんとなくスッキリしたカンジで。
『ここのヤツら、ロクに使えもせんのに魔宝石だの魔法銀だの溜め込みおって…圧が凄かったんじゃ、圧が』
これで少しは楽になった、と笑ってるヘビ様。
ご機嫌だな。
『これらの使い方は、お主の本の中にあるでな。工夫して色々と遊んでみるがええ』
大事なのは想像力だ、とヘビ様は言った。
ひょっとして、魔法とかも想像力が大事?
『そーじゃよー。お主の世界、色々諸々あるよーじゃから、さぞかし愉快なことになるじゃろーなー』
あー…魔法革命起こしちゃう?
やんないけど。面倒だから、やんないけど。
『お、そーじゃった。一番大事かもしらん物渡しそびれておったわい』
ヘビ様、ちょっと大きめの、親指と人差し指で作った輪っかくらいの大きさの、透明な石を銀線でぐるぐる巻きにしたデザインのペンダントを出してきた。
『魔素を溜める魔法具じゃ。容量一杯になったら濃い色になる。黒く染まるまで溜め込めば、帰還に必要なだけの魔素が溜まったとゆーことじゃ。帰還の具体的な方法はーー』
ヘビ様、俺をジッと見て。
『…お主の左足にあるの』
あー。
『お主に刻み込まれた数多の法陣の…最後の1つが転移に関するものじゃ。…またずい分と意地の悪いことをしよる』
あ、うん。これ仕込んだの、親父です。
『なんとまあ…』
ヘビ様に引かれるウチの親父。
根性悪は仕様です。
俺はもう慣れ親しんでる。
親だからな。
…アレでも男手1つで俺を育ててくれてるんだよ…。
『後は色々実地で学ぶがええ。その為の本はすべてお主に渡してあるからの。…まあ大半はヤバい本じゃが』
ヘビ様、大きなあくびを1つ。
…俺なんかひと口でぱっくりイカれそーだな。
デカい口だ。
『喰わんよ。必要ないからの』
そこらへんはまあ…信用できる。
ヘビ様がその気なら、デカくなった時点でぱっくりイカれてるハズだもんな。
まあおとなしく喰われたりはしないけど。
『わしはこの開放感に浸りながらひと寝入りするわい。もう会うこともなかろうが、達者でなぁ。無事帰れるように祈っておるよ。神はおらんがな』
ヘビ様、冬眠体勢に入った。
「色々と、どうもありがとうございました。おやすみなさい」
ゆっくりと休んでくれ。
お散歩終了~。
部屋に戻った。
途中、何度も巡回の兵士とかとすれ違ったけど、認識阻害の魔法を使ってたので何の問題もなく帰還。
会長、ただいま~。
…って、何だこれ。
あてがわれた部屋に戻ったら、頭からつま先まで黒尽くめ黒マスクの見るからに暗殺者、なヤツを会長が踏みつけにしていた。
「…何やってんですか?」
何かのプレイの真っ最中か?
俺もう一回散歩してこようか?
「情報源確保したのに冷たいね、君は」
そー言って、会長は足下の黒尽くめを踏みにじる。
…何かヘンな声出してますけど…調教済みか。
「そのジト目で見るの、ヤメてくれないかな?この部屋の周りをウロウロしていたから、結界縮小して立花君達のみ守った上で、ご招待申し上げたんだけどね?」
会長、黒尽くめを更に力強く踏みしめる。
「あんまり弱くて笑っちゃったよ」
楽しそーだな会長。アンタやっぱりSの…げふんごふん。
「で、とりあえず身動き出来なくした上で尋問始めよーかな、と思ってた所に君が戻ってきたワケさ」
会長、にっこり笑って。
「おかえり?」
…会長、いくら笑顔でも足下が…。
…あー…。
「…とりあえず、やるべきことをやりましょうかね…」
ちょうど都合の良い本見つけてきたことだし、ね。
…ん?
なんか見たことあるっポいなコイツ…どこで見た?こんな見るからに後ろ暗い仕事専門です、みたいなヤツ…。
あ。
「会長、こいつ色ボケ姫が寄越した暗殺者的なヤツだ」
黒尽くめ、ギクッとしてる。
おい。そー簡単に雇い主バラすよーな反応するなよ。…ってアレか。素人の小僧だと思って襲撃したら、あっさり返り討ちで心に傷でも負ったか。更に会長にナニかされてナニかが目覚めたか…。
…そこら辺は触れないよーにしとこう…。
「…色ボケ姫がね…そこら辺、詳しく聞かせてくれるかな?口頭で」
へーい。こいつにワザと聞かせるんですね。バッキバキに心折る気ですね。
容赦ねーな会長。
10
お気に入りに追加
574
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる