目標:撤収

庭にハニワ

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ありがとうヘビ様!かーらーの。

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じわじわと大きくなってきたヘビ様。

『余計な本が無くなって、よーやくわしの領域が戻ってきたのじゃ。これで元の大きさに戻れるわい』

ヘビ様、嬉しそーだな。
あの本の山、邪魔だったんか。

『お主が全部キレイに持ってってくれて、助かったぞい』

気付いたら、ヘビ様16トントラックサイズになってた。…でっか。

『ついでにコレも渡しとこーかの』

宝石をゴロゴロ、銀色の金属をインゴットでゴトゴトと出したヘビ様は、なんとなくスッキリしたカンジで。

『ここのヤツら、ロクに使えもせんのに魔宝石だの魔法銀だの溜め込みおって…圧が凄かったんじゃ、圧が』

これで少しは楽になった、と笑ってるヘビ様。
ご機嫌だな。

『これらの使い方は、お主の本の中にあるでな。工夫して色々と遊んでみるがええ』

大事なのは想像力だ、とヘビ様は言った。
ひょっとして、魔法とかも想像力が大事?

『そーじゃよー。お主の世界、色々諸々あるよーじゃから、さぞかし愉快なことになるじゃろーなー』

あー…魔法革命起こしちゃう?
やんないけど。面倒だから、やんないけど。

『お、そーじゃった。一番大事かもしらん物渡しそびれておったわい』

ヘビ様、ちょっと大きめの、親指と人差し指で作った輪っかくらいの大きさの、透明な石を銀線でぐるぐる巻きにしたデザインのペンダントを出してきた。

『魔素を溜める魔法具じゃ。容量一杯になったら濃い色になる。黒く染まるまで溜め込めば、帰還に必要なだけの魔素が溜まったとゆーことじゃ。帰還の具体的な方法はーー』

ヘビ様、俺をジッと見て。

『…お主の左足にあるの』

あー。

『お主に刻み込まれた数多の法陣の…最後の1つが転移に関するものじゃ。…またずい分と意地の悪いことをしよる』

あ、うん。これ仕込んだの、親父です。

『なんとまあ…』

ヘビ様に引かれるウチの親父。
根性悪は仕様です。
俺はもう慣れ親しんでる。
親だからな。
…アレでも男手1つで俺を育ててくれてるんだよ…。

『後は色々実地で学ぶがええ。その為の本はすべてお主に渡してあるからの。…まあ大半はヤバい本じゃが』

ヘビ様、大きなあくびを1つ。
…俺なんかひと口でぱっくりイカれそーだな。
デカい口だ。

『喰わんよ。必要ないからの』

そこらへんはまあ…信用できる。
ヘビ様がその気なら、デカくなった時点でぱっくりイカれてるハズだもんな。
まあおとなしく喰われたりはしないけど。

『わしはこの開放感に浸りながらひと寝入りするわい。もう会うこともなかろうが、達者でなぁ。無事帰れるように祈っておるよ。神はおらんがな』

ヘビ様、冬眠体勢に入った。

「色々と、どうもありがとうございました。おやすみなさい」

ゆっくりと休んでくれ。



お散歩終了~。
部屋に戻った。
途中、何度も巡回の兵士とかとすれ違ったけど、認識阻害の魔法を使ってたので何の問題もなく帰還。
会長、ただいま~。

…って、何だこれ。


あてがわれた部屋に戻ったら、頭からつま先まで黒尽くめ黒マスクの見るからに暗殺者、なヤツを会長が踏みつけにしていた。

「…何やってんですか?」

何かのプレイの真っ最中か?
俺もう一回散歩してこようか?

「情報源確保したのに冷たいね、君は」

そー言って、会長は足下の黒尽くめを踏みにじる。
…何かヘンな声出してますけど…調教済みか。

「そのジト目で見るの、ヤメてくれないかな?この部屋の周りをウロウロしていたから、結界縮小して立花君達のみ守った上で、ご招待申し上げたんだけどね?」

会長、黒尽くめを更に力強く踏みしめる。

「あんまり弱くて笑っちゃったよ」

楽しそーだな会長。アンタやっぱりSの…げふんごふん。

「で、とりあえず身動き出来なくした上で尋問始めよーかな、と思ってた所に君が戻ってきたワケさ」

会長、にっこり笑って。

「おかえり?」

…会長、いくら笑顔でも足下が…。
…あー…。

「…とりあえず、やるべきことをやりましょうかね…」

ちょうど都合の良い本見つけてきたことだし、ね。


…ん?
なんか見たことあるっポいなコイツ…どこで見た?こんな見るからに後ろ暗い仕事専門です、みたいなヤツ…。

あ。

「会長、こいつ色ボケ姫が寄越した暗殺者的なヤツだ」

黒尽くめ、ギクッとしてる。
おい。そー簡単に雇い主バラすよーな反応するなよ。…ってアレか。素人の小僧だと思って襲撃したら、あっさり返り討ちで心に傷でも負ったか。更に会長にナニかされてナニかが目覚めたか…。
…そこら辺は触れないよーにしとこう…。

「…色ボケ姫がね…そこら辺、詳しく聞かせてくれるかな?口頭で」

へーい。こいつにワザと聞かせるんですね。バッキバキに心折る気ですね。
容赦ねーな会長。






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