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世界とようやく動く状況。
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知ってる人は知ってるけれど、知らない人はまったく知らない。世界って、卵みたいなモノで。
俺らが普段暮らしているのは外殻、つかカラの部分だな。
その下に薄皮みたいに外と内との境界があって、奥にドロドロといろんなモノが混じり合った部分がある。
更にその奥にも何かあるらしいが、そこまで行ったヤツはいない。行き着く前に、自我が消えるらしい。
そんなモノが、ごろごろ転がっている。
世界は一つじゃない。
ネット小説とかラノベとかアニメとか…そーゆーモノに類似した世界だって、どっかに転がってるだろーな。その世界に生きているモノにとっちゃ、それが当然。でも外から見りゃあ何だそれ?なコトだって山盛り。
…さっきのでろんっとしたスライムもどきも、この世界じゃ当然のコトなのカモだわ。
うん、あんなモンが這いずってる時点で、ここは俺らの世界じゃない、って分かった。
で。
俺ら…会長もそうだって分かったけど、俺らはその卵のカラが何かの拍子でひび割れたり欠けたりした所を補う…つか、そのひび割れから出てくるモノと対峙してるワケだ。
そんな組織は幾つもあって。
中にはひび割れを大きくして、世界を混乱させて笑ってる。って、タチの悪いヤツらもいたりする。
そんなタチの悪いヤツらとはモロにバトルになるワケだが。
…対人戦も、対バケモノ戦もこなす俺らはいったい何なんだろーな…。
天堂さんは「互助会♪」って言ってるけど。なんか気が抜けるから互助会はやめろ、と親父が説教してるが聞いちゃいないらしい。
ウチの親父…紅林憲人はウチの組織のNo.2だったりする。そりゃ息子の教育ハードになるわな。
ガキの頃…って今もガキだが、俺が3歳の時に他界した母親も当然組織の人間で。主に術式開発とかしてたらしい。
で、親父は自分が今までに身に付けてきた体術、術式に加えて母親が開発した術式まで俺に叩き込んだ。未発表の術式まで、な。
母親の術式に関しちゃ、自分が使えないモノも、文字通り俺に刻み込んだ。
普通にしてる分にはまったく分からない刺青として、な。
一つの刺青に一つ、その術式を完全に自分のモノにすると消えるって、刺青を開発したのも母親だったそうだ。
…それを息子に使うなよ…。
中二くさいじゃないか。
まあ、親が親だったからか、いろんなコトがありました、状態なワケだが。
交通量の多い道路の反対側で、血まみれの子供がおいでおいでしてるとか。
小学校の学校の怪談がみんな実話だったり、七不思議が八つあったり。
幼稚園からずーっと同じモノが付いてまわってると思ったら、ただのストーカーだったとか。
…このストーカー、小学校卒業前に存在自体が消えたからな…。親父が動いたのかも知れない。
ちょっとぐるぐるしてたら、会長が。
『…進藤君と立花君、寝ちゃったみたいだよ』
え。
そっちに意識を向けると、確かに。
2人、手を取り合って穏やかーな眠りに入っていた。
…この状況で…。
まあ、一般人だし。泣き喚いてパニック起こさなかっただけ偉い!かな。
『どうしよう、僕らも少し眠っとく?この先何時まで此処にいるか分からないし』
あー、そうかも。
休息取っておくのも大事かも。
て。
『会長?今何か魔力的なモノが…』
俺らが座ってる床、和樹達が寝てる床、松院の女の所。金色の光がすぅっと走り…。
『魔法陣?』
3重の輪の中に幾何学的なラインが走り、見たこともない記号が浮かんでいく。
『とにかく、離れないように』
会長に抱え込まれた。
またか。
部屋に魔力が満ちていく。
魔法陣が、ひときわ強く輝きを放ちーー。
次の瞬間。
今度は明るい、やっぱり石作りの部屋にいた。
「へ…あ!」
和樹目覚める。副会長も起きる。
副会長と手を取り合っていたのに気付いた和樹。慌てて手を離そうにも、副会長、しっかりと手を握って離さない。
「ここ…どこ?何?」
怯えが混じる副会長の声に、和樹はしっかりと手を握り返す。
「ちょ…何よここ…。…あーっ!アンタ何会長サマにくっついてんのよ!そこはアタシの場所でしょ!さっさとどきなさいよ!」
いきなり喚き出した松院の女。
俺?
会長に抱え込まれたままさ。
『いー加減、離してくれませんかね』
『…お客さんだよ…っていうか、僕らを拉致した犯人達かな?』
会長が示す先に、妙に偉そうな白ヒゲにずるずるローブの爺さんと、そこそこ美人なドレスの女。その2人を囲むように、腰に剣を挿した男達…兵士達か?
「和樹…これってまさか…」
「ネット小説でお馴染みの…」
和樹も爺さん達を見て呆然。
副会長は、和樹の側から離れない。
1人、離れた所にいた松院の女がこっちに来ようとしている。
と。
そこそこ美人が言い放った。
「よくぞいらして下さいました、勇者様方!ワタクシ達を、お救い下さいませ!」
何の寝言だ?ってか今更?
「…異世界召喚…微妙にテンプレじゃなかったケド…」
和樹、問題はソコじゃない。
俺らが普段暮らしているのは外殻、つかカラの部分だな。
その下に薄皮みたいに外と内との境界があって、奥にドロドロといろんなモノが混じり合った部分がある。
更にその奥にも何かあるらしいが、そこまで行ったヤツはいない。行き着く前に、自我が消えるらしい。
そんなモノが、ごろごろ転がっている。
世界は一つじゃない。
ネット小説とかラノベとかアニメとか…そーゆーモノに類似した世界だって、どっかに転がってるだろーな。その世界に生きているモノにとっちゃ、それが当然。でも外から見りゃあ何だそれ?なコトだって山盛り。
…さっきのでろんっとしたスライムもどきも、この世界じゃ当然のコトなのカモだわ。
うん、あんなモンが這いずってる時点で、ここは俺らの世界じゃない、って分かった。
で。
俺ら…会長もそうだって分かったけど、俺らはその卵のカラが何かの拍子でひび割れたり欠けたりした所を補う…つか、そのひび割れから出てくるモノと対峙してるワケだ。
そんな組織は幾つもあって。
中にはひび割れを大きくして、世界を混乱させて笑ってる。って、タチの悪いヤツらもいたりする。
そんなタチの悪いヤツらとはモロにバトルになるワケだが。
…対人戦も、対バケモノ戦もこなす俺らはいったい何なんだろーな…。
天堂さんは「互助会♪」って言ってるけど。なんか気が抜けるから互助会はやめろ、と親父が説教してるが聞いちゃいないらしい。
ウチの親父…紅林憲人はウチの組織のNo.2だったりする。そりゃ息子の教育ハードになるわな。
ガキの頃…って今もガキだが、俺が3歳の時に他界した母親も当然組織の人間で。主に術式開発とかしてたらしい。
で、親父は自分が今までに身に付けてきた体術、術式に加えて母親が開発した術式まで俺に叩き込んだ。未発表の術式まで、な。
母親の術式に関しちゃ、自分が使えないモノも、文字通り俺に刻み込んだ。
普通にしてる分にはまったく分からない刺青として、な。
一つの刺青に一つ、その術式を完全に自分のモノにすると消えるって、刺青を開発したのも母親だったそうだ。
…それを息子に使うなよ…。
中二くさいじゃないか。
まあ、親が親だったからか、いろんなコトがありました、状態なワケだが。
交通量の多い道路の反対側で、血まみれの子供がおいでおいでしてるとか。
小学校の学校の怪談がみんな実話だったり、七不思議が八つあったり。
幼稚園からずーっと同じモノが付いてまわってると思ったら、ただのストーカーだったとか。
…このストーカー、小学校卒業前に存在自体が消えたからな…。親父が動いたのかも知れない。
ちょっとぐるぐるしてたら、会長が。
『…進藤君と立花君、寝ちゃったみたいだよ』
え。
そっちに意識を向けると、確かに。
2人、手を取り合って穏やかーな眠りに入っていた。
…この状況で…。
まあ、一般人だし。泣き喚いてパニック起こさなかっただけ偉い!かな。
『どうしよう、僕らも少し眠っとく?この先何時まで此処にいるか分からないし』
あー、そうかも。
休息取っておくのも大事かも。
て。
『会長?今何か魔力的なモノが…』
俺らが座ってる床、和樹達が寝てる床、松院の女の所。金色の光がすぅっと走り…。
『魔法陣?』
3重の輪の中に幾何学的なラインが走り、見たこともない記号が浮かんでいく。
『とにかく、離れないように』
会長に抱え込まれた。
またか。
部屋に魔力が満ちていく。
魔法陣が、ひときわ強く輝きを放ちーー。
次の瞬間。
今度は明るい、やっぱり石作りの部屋にいた。
「へ…あ!」
和樹目覚める。副会長も起きる。
副会長と手を取り合っていたのに気付いた和樹。慌てて手を離そうにも、副会長、しっかりと手を握って離さない。
「ここ…どこ?何?」
怯えが混じる副会長の声に、和樹はしっかりと手を握り返す。
「ちょ…何よここ…。…あーっ!アンタ何会長サマにくっついてんのよ!そこはアタシの場所でしょ!さっさとどきなさいよ!」
いきなり喚き出した松院の女。
俺?
会長に抱え込まれたままさ。
『いー加減、離してくれませんかね』
『…お客さんだよ…っていうか、僕らを拉致した犯人達かな?』
会長が示す先に、妙に偉そうな白ヒゲにずるずるローブの爺さんと、そこそこ美人なドレスの女。その2人を囲むように、腰に剣を挿した男達…兵士達か?
「和樹…これってまさか…」
「ネット小説でお馴染みの…」
和樹も爺さん達を見て呆然。
副会長は、和樹の側から離れない。
1人、離れた所にいた松院の女がこっちに来ようとしている。
と。
そこそこ美人が言い放った。
「よくぞいらして下さいました、勇者様方!ワタクシ達を、お救い下さいませ!」
何の寝言だ?ってか今更?
「…異世界召喚…微妙にテンプレじゃなかったケド…」
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