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既に番外編じゃあない。69
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王城中の人間が、なんともモヤモヤしたモノを抱えたままで一夜が明けて。
新しい1日が、始まる。
朝食時。
勇者達の使っている食堂で。
それまでどこに居たものか、3ヶ月振りに現れた真言が、王国にとってはあり得ない、認められないバクダンを投下した。
「元の世界に帰れる術を見つけてな。それなりの準備も済んでる。帰りたいヤツは、3日後の昼迄にそれなりの身辺整理なり、心の準備なりして俺のトコに申し出てくれ。ちなみに、お前ら全員この世界に残るって言っても、俺は帰る」
「待て、真言。オレも帰るって言ったじゃんか」
言いたい事だけサラッと言って、さっさとその場を後にした真言の後を、和樹が追いかけていく。
帰還か残留か、あくまで個人の希望次第、というコトらしい。
みんなで一緒に帰ろうぜー……なんて、説得する気は最初から無いようだ。
何を言われたのか、ワケが分からずに呆然とした後。
ようやく理解した勇者達は、ちょっとしたパニック状態になった。
そりゃそーだよ。
前の晩に、王国側としてはもう勇者達を元の世界に帰らせるつもりは無いって、神に暴露されたばかりで。
じわじわと不安と怒り、嘆き悲しみが押し寄せて来ていたところに、帰れるよ……って。
何それ、どーゆーコト!?
言い出しっぺはとっとと逃げてるし。
そーなると、真言と結構一緒に居たヤツに矛先は向くワケで。
「委員長~っ!?」
「佐伯のおっさん~っ!」
……とりあえず。
勇者達にとっては、担任と副担任+1は頼りにならない、と完全に切り捨てられたようだ。
何人かが、運ちゃんさー……とバス運転手加藤に話を振ろうとするが、加藤もまた。
「……ちょっと佐伯サン、どーゆーコトかね?」
と、冬至に聞きに行ってるし。
わいわいと集る勇者達に、とにかく自分達が知ってるだけの事をあらいざらい話す冬至と尚人。
ちなみに、春香と千里はしれっとした顔で、勇者達の最後尾でお茶を濁していたりする。
「……まぁ、そんなカンジだ」
「……すべての準備は既に終わっているそうです。後は、帰還希望者と共に儀式? をするだけだとか」
なんとなくぐったりしながら、勇者達との質疑応答を終えた冬至。
おっさんは、元の世界ではこーゆー若い──17・8の子供達に集団で取り囲まれて、きゃんきゃん吠えつかれるような事は無かった。
故に、ちょっと……正直、かなり精神的にクるモノがあった。
が、いろんな意味で、頑張った。
他に頼りになる大人が居ないから、しょうがないね。
ひととおり話を聞いた勇者達は。
1人考え込む者、何人かでさわさわ……と話し合いを始める者。
後は、何故真言が帰還方法を知ってるのか? と、ちょっと的外れな怒りを覚えた者も居たりする。
職能勇者の自分達が知らない事を、何でアイツが……だって、さ。
まぁ、真言が一方的に切った期限内は、勇者達は完全に使いモノにならないだろう。
勇者達に投下されたバクダンは、王城中を震撼させた。
報告を受けた王と上層部は、すべての思惑が思う通りにならない事に憤り。
暗部から上がってきた情報があやふや過ぎて使いモノにならない事に腹を立てて。
思い通りにならない勇者達──特に真言──に怒りを募らせ。
いっそのこと一思いに……と、汚れ仕事を暗部に発注するが。
暗部側から拒否された。
……もう元の世界に帰るしな? と、被っていた猫をすっぱりと脱ぎ捨てた真言が、余計なちょっかいかけてきた貴族連中を、ひと睨みで精神的に〆てるのを垣間見た暗部連中が。
あ、これムリー……敵わないー。
と、早々にナニかを諦めた模様。
元々、一部の暗部連中は真言の部屋に仕掛けられていたエンドレスなケチャにヤられて、真言に服従していたが。
真言から。
「俺の邪魔はするな。それと、こっちに協力するんなら、報酬としてエンドレスケチャの音源を仕込んだ魔法道具をくれてやる」
さりげなく上から目線で申し出られて、五体投地で了承した暗部連中だった。
ちなみに、魔法道具は真言と和樹の合作で。
これを作る際に、和樹は疑問に思っていた事を聞いた。
「真言よ~。『嘆きの森』の死霊軍団の時、スマホでエンドレス般若心経流せば良かったんじゃね?」
「あ~……」
真言は、あんまし聞かれたくなかったなー、と頭をガリガリ掻いて、言った。
「いや、あん時なー。その存在をキレイに忘れてたのと、5日以上王城から出て野外演習で出歩くワケだし、まぁ大丈夫だろ……って思ってな。……スマホの充電忘れてて、充電切れてマシタ」
「……お前、そーゆートコあるよな~……」
新しい1日が、始まる。
朝食時。
勇者達の使っている食堂で。
それまでどこに居たものか、3ヶ月振りに現れた真言が、王国にとってはあり得ない、認められないバクダンを投下した。
「元の世界に帰れる術を見つけてな。それなりの準備も済んでる。帰りたいヤツは、3日後の昼迄にそれなりの身辺整理なり、心の準備なりして俺のトコに申し出てくれ。ちなみに、お前ら全員この世界に残るって言っても、俺は帰る」
「待て、真言。オレも帰るって言ったじゃんか」
言いたい事だけサラッと言って、さっさとその場を後にした真言の後を、和樹が追いかけていく。
帰還か残留か、あくまで個人の希望次第、というコトらしい。
みんなで一緒に帰ろうぜー……なんて、説得する気は最初から無いようだ。
何を言われたのか、ワケが分からずに呆然とした後。
ようやく理解した勇者達は、ちょっとしたパニック状態になった。
そりゃそーだよ。
前の晩に、王国側としてはもう勇者達を元の世界に帰らせるつもりは無いって、神に暴露されたばかりで。
じわじわと不安と怒り、嘆き悲しみが押し寄せて来ていたところに、帰れるよ……って。
何それ、どーゆーコト!?
言い出しっぺはとっとと逃げてるし。
そーなると、真言と結構一緒に居たヤツに矛先は向くワケで。
「委員長~っ!?」
「佐伯のおっさん~っ!」
……とりあえず。
勇者達にとっては、担任と副担任+1は頼りにならない、と完全に切り捨てられたようだ。
何人かが、運ちゃんさー……とバス運転手加藤に話を振ろうとするが、加藤もまた。
「……ちょっと佐伯サン、どーゆーコトかね?」
と、冬至に聞きに行ってるし。
わいわいと集る勇者達に、とにかく自分達が知ってるだけの事をあらいざらい話す冬至と尚人。
ちなみに、春香と千里はしれっとした顔で、勇者達の最後尾でお茶を濁していたりする。
「……まぁ、そんなカンジだ」
「……すべての準備は既に終わっているそうです。後は、帰還希望者と共に儀式? をするだけだとか」
なんとなくぐったりしながら、勇者達との質疑応答を終えた冬至。
おっさんは、元の世界ではこーゆー若い──17・8の子供達に集団で取り囲まれて、きゃんきゃん吠えつかれるような事は無かった。
故に、ちょっと……正直、かなり精神的にクるモノがあった。
が、いろんな意味で、頑張った。
他に頼りになる大人が居ないから、しょうがないね。
ひととおり話を聞いた勇者達は。
1人考え込む者、何人かでさわさわ……と話し合いを始める者。
後は、何故真言が帰還方法を知ってるのか? と、ちょっと的外れな怒りを覚えた者も居たりする。
職能勇者の自分達が知らない事を、何でアイツが……だって、さ。
まぁ、真言が一方的に切った期限内は、勇者達は完全に使いモノにならないだろう。
勇者達に投下されたバクダンは、王城中を震撼させた。
報告を受けた王と上層部は、すべての思惑が思う通りにならない事に憤り。
暗部から上がってきた情報があやふや過ぎて使いモノにならない事に腹を立てて。
思い通りにならない勇者達──特に真言──に怒りを募らせ。
いっそのこと一思いに……と、汚れ仕事を暗部に発注するが。
暗部側から拒否された。
……もう元の世界に帰るしな? と、被っていた猫をすっぱりと脱ぎ捨てた真言が、余計なちょっかいかけてきた貴族連中を、ひと睨みで精神的に〆てるのを垣間見た暗部連中が。
あ、これムリー……敵わないー。
と、早々にナニかを諦めた模様。
元々、一部の暗部連中は真言の部屋に仕掛けられていたエンドレスなケチャにヤられて、真言に服従していたが。
真言から。
「俺の邪魔はするな。それと、こっちに協力するんなら、報酬としてエンドレスケチャの音源を仕込んだ魔法道具をくれてやる」
さりげなく上から目線で申し出られて、五体投地で了承した暗部連中だった。
ちなみに、魔法道具は真言と和樹の合作で。
これを作る際に、和樹は疑問に思っていた事を聞いた。
「真言よ~。『嘆きの森』の死霊軍団の時、スマホでエンドレス般若心経流せば良かったんじゃね?」
「あ~……」
真言は、あんまし聞かれたくなかったなー、と頭をガリガリ掻いて、言った。
「いや、あん時なー。その存在をキレイに忘れてたのと、5日以上王城から出て野外演習で出歩くワケだし、まぁ大丈夫だろ……って思ってな。……スマホの充電忘れてて、充電切れてマシタ」
「……お前、そーゆートコあるよな~……」
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