目標:撤収

庭にハニワ

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既に番外編じゃあない。63

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3ヶ月振りに見る真言は──特に何も変わってなかった。
あえて言うなら、ちょっと髪伸びた? くらいのモンで。
つまんねえな、とうそぶく和樹に、3ヶ月で変わってたまるか、と返す真言。
楽しそーである。
なんとなく、ほほえましく見る冬至だ。

「で、いつの間に戻って来て、いつここに紛れ込んだんだ?」

和樹の疑問に真言は。

「いや、ちょっと前に戻ってきたんだけど。都合良くパーティーだ何だって城を上げて浮かれてたから、すっげー入り込み易かったわ、うん。やっぱイベントあると、微妙に心の浮わつきがな。人の出入りが激しいと、どーしても隙が出来る。本来あり得ない事なんだけどな。まぁ、ここの騎士達だし。そこそこだもんな~。……正確には一部の暗部の協力を得て、ぬるっと入り込んだワケだが」

それは……こっそり侵入したって言わないか?
ってゆーか。
それでいいのか? 王国の暗部。

真剣に、この先の王国の未来が心配になる冬至と尚人だった。

「……暗部って、いわゆるスパイとか忍者とか、諜報機関ってヤツですよね」

ナニを手懐けてるんだ、ナニを。

チベットスナギツネに似た目付きで、呆れたように呟く尚人に、冬至も全力で同意した。

悟と春香、千里の3人は。
おつかれ~♪と軽く明るく真言をお迎えしていた。
はっきりと、嬉しそーな春香だ。



ひとしきり、お帰り~……ときゃっきゃした後。

「で?」

和樹が真言に問いかける。

「お前、この3ヶ月具体的に何をどーしてたんだ? あと、オレらは元の世界に帰れるのか?」
「ん~~~………」

真言は、伸びた前髪を鬱陶しげにかき上げて。

「まぁ詳しくは後ほど? 今ざっくり言うと──」

一瞬良く見えた、真言のムダに秀麗な顔に、春香はこっそりときめいていた。
そんな友人を、千里は生温かく見守る。

女子の葛藤をサラッとスルーして、真言は続けた。

「とりあえず、狩り暮らし?」
「……ジ○リ?」

小首を傾げる和樹。

「字が違う。レンタルじゃなくてハンティングな。お前、分かってて言ってんだろ」

真言は、視線を浮かれる担任と、色ボケした大人女子2人に向けて言った。

「何人かはこの世界に残留決定のようだけどな。一応、30人くらいは連れて戻れるだけの魔力、貯めてきた」

どーやら、本当に元の世界に戻れそうだ。
ホッとする6人に、更にのたまう真言。

「ついでに王国への嫌がらせも仕込んできたぞー」

えー。

「お前……ナニやらかして来たの?」

うろんな目で真言を見る和樹に冬至、尚人の3人。
悟達は、本当に帰れると聞いて嬉しそーだ。
大声を出さないよう注意しながらも、真言の言う事に聞き耳を立てている。
しー……なんて、口の前に指一本立てて言い合って。
君ら仲良しだな。

真言は、そんな悟達3人を生温かく見ながら、和樹の質問に答えた。

「ちょっと魔王と皇帝に、王国の悪だくみ暴露した。ついでに、平和的なイザコザの解決法も伝授してきた」
「お前、本当にナニやらかして来たの!?」

6人の目が点になり、真言に集中した。

「リバーシ教えてきただけだぞー」

は?

しれっと言った真言。
6人は、ナニ言ってんのコイツ? という目で真言を見る。

「……リバーシって、オセロだよな?」

悟が確認。
問われた真言当人は、平然と。

「いや、白黒つけるのにもってこいだろ? 結果がひと目で分かるし。魔王も皇帝も楽しそうだったぞ」



ついでに神々も、な。
散々菓子のお代わりした美神と伝令神の、最後の一盛りを巡るキャットファイトに呆れ果てて教えたんだけどさ。
なんか、全員参加でラスト1盛りのサー○アン○ギーを賭けてのリバーシ大会になったし。
ちなみに優勝は、戦神だった。
頭脳プレイもお得意か。
やっぱ脳筋じゃなかったな、あの神サマ。

神々の領域での騒ぎを思い出して、ちょっと虚ろな目になる真言だった。



「あ」

そーだ。

真言は神々で思い出した。

ん? といったカンジで視線を向けてくる和樹達に、思い出した事を告げる。

「そろそろ元の世界じゃ絶対に見られないモノが見られるぞ」

真言がそう言ったとたんに、大広間の中央付近にいきなり光の輪が現れた。

ざわめくパーティーの出席者達。
騎士や魔術師が何事か、と対応しようとしている。

そんなこんなをまるっと無視して、真言が言った。

「神による、現実の暴露だ。都合の良い妄想に浸っている王国上層部は、どーするかな?」

光の輪の中心に、人影が。

ロリ巨乳こと、伝令神が顕現した。








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