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既に番外編じゃあない。35
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「……で? おれならこのでっカマキリイケるって、どーゆーコトだ?」
とにかく夕食を終えた後、冬至はちょっと気になっていた事を、言い出しっぺの真言に聞いた。
ちなみに勇者達は各自テントに入り、騎士達は休憩する者と哨戒する者に分かれて自分の務めに勤しんでいた。
「あー、冬至さんは、さ。ぶっちゃけ剣を剣として使ってないじゃん」
「……危ねーだろうが。長い刃とか」
冬至は、いまだに貰った剣を鞘ごと振り回してぶん殴るって方向で。
訓練時は木剣使用で分からなかったが。
実戦に出て見たら、撲殺オンリーだった。
しかも。
いざとなったら何の躊躇いもなく。
……さすが、元ヤ……げふっ。
「間合いを読んで、あの勢いで殴りつけりゃあ、デカいけど、所詮はムシだからな。イケるって」
まぁ、ハデカマキリの方は結構硬いから、ちょっと時間かかるかもしらんけど。
そんな事を嘯く真言。
焚き火周りで茶を飲みながら、真言と冬至が物騒な話をしている。
和樹と尚人、春香と千里も居る。
魔術師長は一旦王城へと戻った。
……デス・シザーズの腹を一つ持って、な。
この場の仕切りは騎士団に委ねられた。
いつものようにテントが張られ、魔物避けの香草が焚き火にくべられて。
騎士達は、交代制で見張りに立つ。
半ばキャンプ気分だった勇者達も、はっきりと自分達を襲撃してくるモノがいる、という事実に思う事があったのか、大人しいもので。
でっかい虫にショックを受けた女子や一部の男子──男にだって、虫嫌いはいる──は、早々にテントに引きこもった。
今夜はうなされるカモな~。
夢にまでデカいカマキリが湧いて出て。
ちなみに。
シザーズ及びデス・シザーズの素材は、魔石以外、まるっと騎士団に進呈した。
団長は、大喜びだ。
有効活用致しますぞ、閣下! と顔を紅潮させて宣言していた。
……まぁ、好きにしろや。
で。
冬至の基本攻撃が撲殺狙いについて、真言が言うには。
「や、もうさ。和樹に頼んで、何らかの鈍器作って貰えば良くね? 鉄パイプとか釘バットとか」
「バールのようなモノとか、エクスカリバールとか?」
和樹がちょっと楽しそーに言った。
エクスカリバール? 何ぞそれ? と、?で頭がいっぱいな真言達に、和樹が言う。
「エクスカリバールってのは、約束された勝利のバール……」
「待て。よーするにバールだろーが」
「えーダメか? んじゃ、バール先端を爪立てた猫の手にして、ニャールのようなモノとか」
「……大喜利やってんじゃねーんだぞ……」
真言は、じとっとした目で和樹を見た。
今、この場に緊張感など無い。
……いーんだろーか……。
と、妙に和やかな空気が漂う中、鋭い笛の音が響き渡った。
「……騎士達だけじゃ、手に負えないモンでも出たか?」
真言が一気に戦闘モードに入る。
え? え? え? と何事かと慌てる勇者達が、テントから転がり出てきた。
騎士達は身構える。
「……報告します! 森の奥から死霊達が……!」
「レイスにゾンビ、グールにスケルトンに……! あー、もう! あんな大量に、どーしろって!」
「骨……骨が、骨がぁぁ!」
何とか冷静に報告しようとする騎士。
中には既にパニクってる騎士も居るよーだ。
とりあえず、落ち着け。
お前がパニクったら……ほら。
「な……死霊って、ナニ?」
「え? 何だって?」
「え? 骨? ゾンビ?」
勇者達が、一気にパニックだ。
どこか楽しそーに、精霊武具を手に、さあ、殺るか、と笑っているのは真言くらいのモノで。
……お前、怖いわ……。
とにかく夕食を終えた後、冬至はちょっと気になっていた事を、言い出しっぺの真言に聞いた。
ちなみに勇者達は各自テントに入り、騎士達は休憩する者と哨戒する者に分かれて自分の務めに勤しんでいた。
「あー、冬至さんは、さ。ぶっちゃけ剣を剣として使ってないじゃん」
「……危ねーだろうが。長い刃とか」
冬至は、いまだに貰った剣を鞘ごと振り回してぶん殴るって方向で。
訓練時は木剣使用で分からなかったが。
実戦に出て見たら、撲殺オンリーだった。
しかも。
いざとなったら何の躊躇いもなく。
……さすが、元ヤ……げふっ。
「間合いを読んで、あの勢いで殴りつけりゃあ、デカいけど、所詮はムシだからな。イケるって」
まぁ、ハデカマキリの方は結構硬いから、ちょっと時間かかるかもしらんけど。
そんな事を嘯く真言。
焚き火周りで茶を飲みながら、真言と冬至が物騒な話をしている。
和樹と尚人、春香と千里も居る。
魔術師長は一旦王城へと戻った。
……デス・シザーズの腹を一つ持って、な。
この場の仕切りは騎士団に委ねられた。
いつものようにテントが張られ、魔物避けの香草が焚き火にくべられて。
騎士達は、交代制で見張りに立つ。
半ばキャンプ気分だった勇者達も、はっきりと自分達を襲撃してくるモノがいる、という事実に思う事があったのか、大人しいもので。
でっかい虫にショックを受けた女子や一部の男子──男にだって、虫嫌いはいる──は、早々にテントに引きこもった。
今夜はうなされるカモな~。
夢にまでデカいカマキリが湧いて出て。
ちなみに。
シザーズ及びデス・シザーズの素材は、魔石以外、まるっと騎士団に進呈した。
団長は、大喜びだ。
有効活用致しますぞ、閣下! と顔を紅潮させて宣言していた。
……まぁ、好きにしろや。
で。
冬至の基本攻撃が撲殺狙いについて、真言が言うには。
「や、もうさ。和樹に頼んで、何らかの鈍器作って貰えば良くね? 鉄パイプとか釘バットとか」
「バールのようなモノとか、エクスカリバールとか?」
和樹がちょっと楽しそーに言った。
エクスカリバール? 何ぞそれ? と、?で頭がいっぱいな真言達に、和樹が言う。
「エクスカリバールってのは、約束された勝利のバール……」
「待て。よーするにバールだろーが」
「えーダメか? んじゃ、バール先端を爪立てた猫の手にして、ニャールのようなモノとか」
「……大喜利やってんじゃねーんだぞ……」
真言は、じとっとした目で和樹を見た。
今、この場に緊張感など無い。
……いーんだろーか……。
と、妙に和やかな空気が漂う中、鋭い笛の音が響き渡った。
「……騎士達だけじゃ、手に負えないモンでも出たか?」
真言が一気に戦闘モードに入る。
え? え? え? と何事かと慌てる勇者達が、テントから転がり出てきた。
騎士達は身構える。
「……報告します! 森の奥から死霊達が……!」
「レイスにゾンビ、グールにスケルトンに……! あー、もう! あんな大量に、どーしろって!」
「骨……骨が、骨がぁぁ!」
何とか冷静に報告しようとする騎士。
中には既にパニクってる騎士も居るよーだ。
とりあえず、落ち着け。
お前がパニクったら……ほら。
「な……死霊って、ナニ?」
「え? 何だって?」
「え? 骨? ゾンビ?」
勇者達が、一気にパニックだ。
どこか楽しそーに、精霊武具を手に、さあ、殺るか、と笑っているのは真言くらいのモノで。
……お前、怖いわ……。
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