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既に番外編じゃあない。16
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お勉強と体育の授業の日常が始まった。
主に魔法と体力作りの日々なんだが。
座学は、どーも自分達に都合の悪い事──この国や世界情勢については一切シャットアウト。
どーゆー理由で戦争だーっなんてコトになったのか?
そんな大事な情報はナイショにして、主に魔法や精霊武器など、勇者達の世界には無いというモノについてばかりだった。
……いいのか? それで?
キナ臭さが増大してんだけど。
厨二おっさんコンビは、魔法だと!? ってハイテンションで。
矢口っちゃんとバスガイドの人は、ぐずぐずするのは止まったようだが。
今度は色ボケてきたみたいで、2人して、クスクスきゃっきゃとやっている。
……冬至以外の大人は、本当に、本っ当~にアテに出来ない状況に、軽く眩暈を覚えた真言だった。
そうそう。
勇者の卵達は、錬金術師を取り込もうとして、和樹に勧誘を仕掛けたが。
「そんな都合の良い話があるか。バッカじゃねぇの?」
あっさりとソデにされた。
前日に真言に絡んだ清水のように、おれ達は勇者だぞ! と、やろうとしたが。
和樹と一緒に居た真言が、勇者の卵達にのみピンポイントで威圧を飛ばし、怯えさせてその場を後にした。
和樹と尚人と冬至を連れて。
呼んでもないのに、春香と千里も真言にくっついていった。
その様子を見ていた他の生徒達は。
「……紅林の閣下って……メヂカラ?」
と、さわさわしていた。
部屋付きメイドを手懐けた? 真言と尚人はともかく。
肉食系女子に、姉達を思い出してゲンナリする和樹と、妻に操立てする冬至の2人は、日々迫ってくる部屋付きメイドにウンザリしていた。
ので。
「真言、頼む」
「えー」
「すまんなぁ。おれのトコのも頼むわ」
「冬至さんもか」
「おっさん、一穴主義なんだよ」
「……ここに三浦と神山居なくて良かったですね……」
おっさんは、何気なく下ネタをぶっ込んできた。
この場に野郎しか居なかった、というコトもあるんだろうが。
とりあえず。
真言が威圧して、2人の部屋の部屋付きメイドは大人しくなった。
と、いうよりも。
「……なんか、俺んトコのメイドみたいのが増えた……」
余計な事は一切口にせず、ひたすら主人の命令を待ち続ける。
主人の為に、あらゆる事象を整える。
ある意味完璧なメイドが爆誕していた。
彼女達の忠誠は、既に王家ではなく真言に向けられていた。
……さすが閣下。
あんど、ご主人様。
何故こうなったし……と、夜中、部屋で1人頭を抱える真言の両サイドに戦神と美神がやって来ては、よもやま話をしていくのも恒例となりつつあった。
さて。
熱く、暑苦しく真言との手合わせを希望……いや、熱望している第二騎士団団長だったが。
その熱視線故に妙な方向にウワサ話が突っ走っていた。
曰く。
第二騎士団団長は、異世界の勇者の1人に絶賛片思い中だ、とか。
常に熱い眼差しで、1人の少年を見つめている、とか。
その少年は、なかなか姿のよろしい美少年だ、とか……。
なんというか……。
団長は、確かに見つめてはいるが、その視線はなかなか殺伐としたモンだぞ。
戦ってみたい、殴り合いしたい、真言がどれだけ強いのか、この身を持って確かめたい──。
どう見ても、脳ミソ筋肉製です。
本当にありがとうございます。
訓練場で、体力作りの運動だけで疲労困憊の大人どもや、フザケて騎士の人に怒られているお調子者。
そこそこ動ける運動部所属の生徒。
……冬至が運動部員と同じくらい動けているのはびっくりだ。
息こそ切らしているが、ちゃんとついて行ってる。
四十路なのにな。
三十路の清水が自分の武具を着けて走って、重い! こんなモン着けて動けるか! と叫んでいるが。
今のところ、両腕のガントレットしか着けてないというのにこの騒ぎ。
どうやら、防具の事は頭に無いようだ。
……いずれはフル装備で戦場に行く、というコトは、頭から抜け落ちているようだ。
まぁ、そんなこんなで。
勇者達がわいわいきゃっきゃ、とやっている中。
尚人は近くで和樹と組んで、柔軟体操にせいを出す真言をどこか呆れた目で見ながら。
「……紅林」
「ん~?」
「君、体育の授業じゃかなり手を抜いていたのかな?」
開脚して、上体をベターっと地面にくっつけながら、真言は。
「……いや、そんな本気出す必要とか……。運動部に目ぇ付けられるだけじゃん……」
と、小さく言った。
ちなみに。
コイツは集団でランニングしてた時、1人、また1人と脱落していく中。
平然と走りきった挙げ句。
「お前、ちょっと重しになれや」
と、へばって座り込んでいた和樹を、えっくらしょ、とおんぶして。
騎士連中と一緒に、更に走っていた。
しかも、走り終えた後、息も切らせず平然としていた。
体力お化けか。
そんな様子を半笑いで見ていた冬至が。
「人1人背負ったままで、よくもまあ……」
と、呟くと、真言は。
「いや、ちょっと考えてみ? 剣が重いって言ってたけどさ。いざって時は、武器持った上に防具も着けて……って、さ。多分金属製だぞ。相当重いだろうなぁ」
あ。
主に魔法と体力作りの日々なんだが。
座学は、どーも自分達に都合の悪い事──この国や世界情勢については一切シャットアウト。
どーゆー理由で戦争だーっなんてコトになったのか?
そんな大事な情報はナイショにして、主に魔法や精霊武器など、勇者達の世界には無いというモノについてばかりだった。
……いいのか? それで?
キナ臭さが増大してんだけど。
厨二おっさんコンビは、魔法だと!? ってハイテンションで。
矢口っちゃんとバスガイドの人は、ぐずぐずするのは止まったようだが。
今度は色ボケてきたみたいで、2人して、クスクスきゃっきゃとやっている。
……冬至以外の大人は、本当に、本っ当~にアテに出来ない状況に、軽く眩暈を覚えた真言だった。
そうそう。
勇者の卵達は、錬金術師を取り込もうとして、和樹に勧誘を仕掛けたが。
「そんな都合の良い話があるか。バッカじゃねぇの?」
あっさりとソデにされた。
前日に真言に絡んだ清水のように、おれ達は勇者だぞ! と、やろうとしたが。
和樹と一緒に居た真言が、勇者の卵達にのみピンポイントで威圧を飛ばし、怯えさせてその場を後にした。
和樹と尚人と冬至を連れて。
呼んでもないのに、春香と千里も真言にくっついていった。
その様子を見ていた他の生徒達は。
「……紅林の閣下って……メヂカラ?」
と、さわさわしていた。
部屋付きメイドを手懐けた? 真言と尚人はともかく。
肉食系女子に、姉達を思い出してゲンナリする和樹と、妻に操立てする冬至の2人は、日々迫ってくる部屋付きメイドにウンザリしていた。
ので。
「真言、頼む」
「えー」
「すまんなぁ。おれのトコのも頼むわ」
「冬至さんもか」
「おっさん、一穴主義なんだよ」
「……ここに三浦と神山居なくて良かったですね……」
おっさんは、何気なく下ネタをぶっ込んできた。
この場に野郎しか居なかった、というコトもあるんだろうが。
とりあえず。
真言が威圧して、2人の部屋の部屋付きメイドは大人しくなった。
と、いうよりも。
「……なんか、俺んトコのメイドみたいのが増えた……」
余計な事は一切口にせず、ひたすら主人の命令を待ち続ける。
主人の為に、あらゆる事象を整える。
ある意味完璧なメイドが爆誕していた。
彼女達の忠誠は、既に王家ではなく真言に向けられていた。
……さすが閣下。
あんど、ご主人様。
何故こうなったし……と、夜中、部屋で1人頭を抱える真言の両サイドに戦神と美神がやって来ては、よもやま話をしていくのも恒例となりつつあった。
さて。
熱く、暑苦しく真言との手合わせを希望……いや、熱望している第二騎士団団長だったが。
その熱視線故に妙な方向にウワサ話が突っ走っていた。
曰く。
第二騎士団団長は、異世界の勇者の1人に絶賛片思い中だ、とか。
常に熱い眼差しで、1人の少年を見つめている、とか。
その少年は、なかなか姿のよろしい美少年だ、とか……。
なんというか……。
団長は、確かに見つめてはいるが、その視線はなかなか殺伐としたモンだぞ。
戦ってみたい、殴り合いしたい、真言がどれだけ強いのか、この身を持って確かめたい──。
どう見ても、脳ミソ筋肉製です。
本当にありがとうございます。
訓練場で、体力作りの運動だけで疲労困憊の大人どもや、フザケて騎士の人に怒られているお調子者。
そこそこ動ける運動部所属の生徒。
……冬至が運動部員と同じくらい動けているのはびっくりだ。
息こそ切らしているが、ちゃんとついて行ってる。
四十路なのにな。
三十路の清水が自分の武具を着けて走って、重い! こんなモン着けて動けるか! と叫んでいるが。
今のところ、両腕のガントレットしか着けてないというのにこの騒ぎ。
どうやら、防具の事は頭に無いようだ。
……いずれはフル装備で戦場に行く、というコトは、頭から抜け落ちているようだ。
まぁ、そんなこんなで。
勇者達がわいわいきゃっきゃ、とやっている中。
尚人は近くで和樹と組んで、柔軟体操にせいを出す真言をどこか呆れた目で見ながら。
「……紅林」
「ん~?」
「君、体育の授業じゃかなり手を抜いていたのかな?」
開脚して、上体をベターっと地面にくっつけながら、真言は。
「……いや、そんな本気出す必要とか……。運動部に目ぇ付けられるだけじゃん……」
と、小さく言った。
ちなみに。
コイツは集団でランニングしてた時、1人、また1人と脱落していく中。
平然と走りきった挙げ句。
「お前、ちょっと重しになれや」
と、へばって座り込んでいた和樹を、えっくらしょ、とおんぶして。
騎士連中と一緒に、更に走っていた。
しかも、走り終えた後、息も切らせず平然としていた。
体力お化けか。
そんな様子を半笑いで見ていた冬至が。
「人1人背負ったままで、よくもまあ……」
と、呟くと、真言は。
「いや、ちょっと考えてみ? 剣が重いって言ってたけどさ。いざって時は、武器持った上に防具も着けて……って、さ。多分金属製だぞ。相当重いだろうなぁ」
あ。
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