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既に番外編じゃあない。7
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「そなた達で最後じゃな」
白ヒゲじーさんは、やれやれ、といった感じをかもし出している。
……検査人数が増えたのは、お前らが見境なしに多人数召喚とかやらかしたからじゃね?
と、真言が冷たい目でじーさんを眺めている間に、和樹の職能が判明した。
「……錬金術師って……」
和樹は、はぁ? といった顔をしてるが、ローブ集団は、大喜びだ。
……さっき出た、おっさんの職能、勇者オブ勇者ほどではないが、何故か喜んでいる。
そんなローブ集団を、めっちゃ引いた目で見ていた和樹だが。
「ラスト、真言か~……。なんだろう、ナニが、どんなのが出るんだろう……」
人ゴトなのに、めっちゃわくわくしている。
……あぁ、人ゴトだからか。
ちょっと納得した真言は、どこかうんざりした様子を隠しもせずに。
「あー……コレを触る? 握る? …………あ?」
真言が触れた判明石は、それまでとは比較にならないほどの反応を示した。
「うわっ」
「にゃっ」
「「「ぎゃああぁぁぁ」」」
「「「へ?」」」
カッ! と閃光が広間いっぱいに走り、とっさに目を閉じた真言と、顔を背けた和樹以外、閃光に目をヤラれる結果となった。
近場に居たローブ集団はもちろん、それ以外の城の人間どもも。
いったい何なんだよ……とぶつくさ言いながら、真言は手に残ったプレートを確認する。
和樹が寄ってって、覗き込む。
……ちなみに、白ヒゲじーさんを始めとしたローブ集団は、目が、目がぁ……と、のたうち回っている。
他の連中も、押して知るべし。
……おバカ?
そんな連中を華麗にスルーして。
真言は自分のプレートを確認。
……して、目を反らし。
もう一度良~く見て……。
「……閣下って、ナンだ?」
俺は10万50何歳かの白塗り悪魔じゃねーぞ。
と、ボヤく真言。
プレートを覗き込んだ和樹が、必死で笑いを堪えている。
「ひでぇ……。勇者オブ勇者よりひでぇ……くっ……」
「……笑えよ」
「……っくっ……は、はははははっ」
「……ホントに笑いやがった……」
真言が言葉に出さずに、心の中で散々罵詈雑言を並べ立てていると。
真言の両サイドから声ならぬ声が。
「あら? 主神のご主人様……っていうのよりはマシだと思うのだけれど?」
金で出来た鈴を転がすような美神の声だ。
「私達の盟友、の方が良かったかな?」
低音の、妙に良い声の戦神の声もする。
神々の声が聞こえると同時に、プレートに新たに刻まれる、『主神のご主人様』と『神々の盟友』。
ちょっと待て!
神々の名称だけ、ナンとか見えないようにしてくれ!
真言が心の中でそう叫ぶと、両サイドからものすごく残念そうに。
「「……仕方ない(わ)ね」」
結果。
真言の職能は。
「……閣下、ご主人様、盟友って……。ナニがどーしてどーナンだよコレ……」
当人はもちろん、白ヒゲじーさん始め、ローブ集団も頭を抱えるコトとなった。
未だかつて、見たことも聞いたことも、撫で回したこともない職能だったからだ。
……まぁ、撫で回すとか物理的に無理だけどな。
とりあえず、いろんな訓練に参加してみればいいじゃない? 勇者たる方達は、確実に居らっしゃるんだし。
そーゆー白ヒゲじーさんの意向の元、勇者の卵達──それ以外も居るが──は、昼食後に、まずは当人に合った武具の選定に入るコトになった。
ローブ集団に連れられて、広間を出て行く勇者(卵)達を見送って。
白ヒゲじーさん──魔術師長は王へと報告に走る。
無事に勇者を見出だせた事に加え、幾つか未知の職能も現れた事を。
勇者オブ勇者はなんとなく分かるけど、閣下ってナンだ、閣下って。
報告を受けた王と王太子、宰相もナンだそりゃ……ってな面持ちで頭を抱えた。
さて。
国の上層部を混乱の渦に叩き込んだ張本人たる真言は、というと。
眉間にシワを寄せながら、いただけるモノはありがたくいただこう……と、正直微妙な昼食を全部平らげて。
和樹やおっさん、委員長らとまったりと食後の茶を楽しんでいた。
一部にコーヒーは無いのか! と大声でワメく厨二担任とか居たが、完全にスルーして。
「……茶は美味いのに、料理は微妙とか。……コレが味覚の英国面ってヤツか……? 行ったコトないけど英国」
真言のボヤきに便乗する和樹。
「あぁ……確かにお前が作るメシの方が、よっぽど美味いわな」
真言と和樹、2人顔を見合せて、残念! と言い合ってると。
その話を小耳に挟んだ通りすがりの女子生徒が。
「なぁに? 紅林君てば、料理出来るの?」
「え? 美味しいって、どーゆーコト? 進藤君、食べたことあるの?」
きゃきゃと話す女子生徒達に、委員長も。
「あぁ、そう言えば……」
と、自分の知る話をし始めて。
おっさんこと冬至は、子供が元気なのは良いコトだよな~……ときゃっきゃしてる様をのんきに眺めながら、茶をすすっていた。
白ヒゲじーさんは、やれやれ、といった感じをかもし出している。
……検査人数が増えたのは、お前らが見境なしに多人数召喚とかやらかしたからじゃね?
と、真言が冷たい目でじーさんを眺めている間に、和樹の職能が判明した。
「……錬金術師って……」
和樹は、はぁ? といった顔をしてるが、ローブ集団は、大喜びだ。
……さっき出た、おっさんの職能、勇者オブ勇者ほどではないが、何故か喜んでいる。
そんなローブ集団を、めっちゃ引いた目で見ていた和樹だが。
「ラスト、真言か~……。なんだろう、ナニが、どんなのが出るんだろう……」
人ゴトなのに、めっちゃわくわくしている。
……あぁ、人ゴトだからか。
ちょっと納得した真言は、どこかうんざりした様子を隠しもせずに。
「あー……コレを触る? 握る? …………あ?」
真言が触れた判明石は、それまでとは比較にならないほどの反応を示した。
「うわっ」
「にゃっ」
「「「ぎゃああぁぁぁ」」」
「「「へ?」」」
カッ! と閃光が広間いっぱいに走り、とっさに目を閉じた真言と、顔を背けた和樹以外、閃光に目をヤラれる結果となった。
近場に居たローブ集団はもちろん、それ以外の城の人間どもも。
いったい何なんだよ……とぶつくさ言いながら、真言は手に残ったプレートを確認する。
和樹が寄ってって、覗き込む。
……ちなみに、白ヒゲじーさんを始めとしたローブ集団は、目が、目がぁ……と、のたうち回っている。
他の連中も、押して知るべし。
……おバカ?
そんな連中を華麗にスルーして。
真言は自分のプレートを確認。
……して、目を反らし。
もう一度良~く見て……。
「……閣下って、ナンだ?」
俺は10万50何歳かの白塗り悪魔じゃねーぞ。
と、ボヤく真言。
プレートを覗き込んだ和樹が、必死で笑いを堪えている。
「ひでぇ……。勇者オブ勇者よりひでぇ……くっ……」
「……笑えよ」
「……っくっ……は、はははははっ」
「……ホントに笑いやがった……」
真言が言葉に出さずに、心の中で散々罵詈雑言を並べ立てていると。
真言の両サイドから声ならぬ声が。
「あら? 主神のご主人様……っていうのよりはマシだと思うのだけれど?」
金で出来た鈴を転がすような美神の声だ。
「私達の盟友、の方が良かったかな?」
低音の、妙に良い声の戦神の声もする。
神々の声が聞こえると同時に、プレートに新たに刻まれる、『主神のご主人様』と『神々の盟友』。
ちょっと待て!
神々の名称だけ、ナンとか見えないようにしてくれ!
真言が心の中でそう叫ぶと、両サイドからものすごく残念そうに。
「「……仕方ない(わ)ね」」
結果。
真言の職能は。
「……閣下、ご主人様、盟友って……。ナニがどーしてどーナンだよコレ……」
当人はもちろん、白ヒゲじーさん始め、ローブ集団も頭を抱えるコトとなった。
未だかつて、見たことも聞いたことも、撫で回したこともない職能だったからだ。
……まぁ、撫で回すとか物理的に無理だけどな。
とりあえず、いろんな訓練に参加してみればいいじゃない? 勇者たる方達は、確実に居らっしゃるんだし。
そーゆー白ヒゲじーさんの意向の元、勇者の卵達──それ以外も居るが──は、昼食後に、まずは当人に合った武具の選定に入るコトになった。
ローブ集団に連れられて、広間を出て行く勇者(卵)達を見送って。
白ヒゲじーさん──魔術師長は王へと報告に走る。
無事に勇者を見出だせた事に加え、幾つか未知の職能も現れた事を。
勇者オブ勇者はなんとなく分かるけど、閣下ってナンだ、閣下って。
報告を受けた王と王太子、宰相もナンだそりゃ……ってな面持ちで頭を抱えた。
さて。
国の上層部を混乱の渦に叩き込んだ張本人たる真言は、というと。
眉間にシワを寄せながら、いただけるモノはありがたくいただこう……と、正直微妙な昼食を全部平らげて。
和樹やおっさん、委員長らとまったりと食後の茶を楽しんでいた。
一部にコーヒーは無いのか! と大声でワメく厨二担任とか居たが、完全にスルーして。
「……茶は美味いのに、料理は微妙とか。……コレが味覚の英国面ってヤツか……? 行ったコトないけど英国」
真言のボヤきに便乗する和樹。
「あぁ……確かにお前が作るメシの方が、よっぽど美味いわな」
真言と和樹、2人顔を見合せて、残念! と言い合ってると。
その話を小耳に挟んだ通りすがりの女子生徒が。
「なぁに? 紅林君てば、料理出来るの?」
「え? 美味しいって、どーゆーコト? 進藤君、食べたことあるの?」
きゃきゃと話す女子生徒達に、委員長も。
「あぁ、そう言えば……」
と、自分の知る話をし始めて。
おっさんこと冬至は、子供が元気なのは良いコトだよな~……ときゃっきゃしてる様をのんきに眺めながら、茶をすすっていた。
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