目標:撤収

庭にハニワ

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改めて、作ってみた。

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次の日。
さくさく朝メシを済ませた俺らは、ギルド長の自宅へと向かった。
手土産持参で。
……このあたり、微妙に日本人だよな……。



ギルド長の家に着くと、すでにリーランさんが到着してた。
何故か、猫科親子を連れて。
……早々と。

そして、ギルド長がリドラさんと共に。

「いらっしゃ~い。さぁ、いろんな事、話してもらうわよ?」

……竜種がとぐろをまいて、待ちわびていた。



全員、ギルド長のお宅にお邪魔する。
相変わらず、キレイに整えられた家だな。
……どっちがガンバってんのかな?
ムダにマッチョなおネェさんか、儚げ美青年か……。

まぁ、どっちでもいいか。



さて。
御持たせのミルクレープ、山盛りフルーツバージョンと、ジャムバージョン。
人数分切り分けて……両方欲しがる食いしん坊が多すぎた。
曰く。

「コウ君達、帰っちゃうんなら、もう食べられなくなる珍味ってコトになるじゃないの!」

……by ギルド長。
その横で、リドラさんを始め地元組がうんうん頷いている。
……いや、ミルクレープのレシピ、ギルドに売っただろ。
薄く焼くのが難しい、って思うかもだけどさ。
後は数こなせばイケるって。
畳んだ皮1枚に、クリームとフルーツ盛るだけで、それなりのデザートになるぞ。
俺はシンプルに、バターシュガーとか好きだが。
あと、食事クレープと分類されるヤツとか。
ハムサラダとか、ツナサラダとかな。

……って、そんなことはどーでもよくて。



何から話す?
俺らが帰る話?
それとも、魔法具の話か?

ギルド長は、リーランさんと顔を見合わせ。

「そうね……。まずは──」
「新たな商売の話、ですよね支部長ーっ?」

パンダがめっちゃ食い付いて。
ギルド長は。

「あ、うん。……だ、そうよ」

ちょっと引いていた。
この子はもう……って感じでリーランさんを見てるけど。
あんた以前、リーランさんと2人して、ノリノリで新たな商売! って騒いでたよな。
ナニ冷静になってんの?
隣りにリドラさんが居るからか?
……今更じゃね?

オレらは細かいコトは知らぬ、とばかりにきゃっきゃしてるスズとリッカさんと、猫科親子……。
ずい分と仲良しじゃねぇの?
まぁ、いいけどさ。
好きにしてれば?

あ、ミヤさんはそっちに混ざるんじゃねーぞ。
あんたも、《壺中天》作れるんだからな。
(仮)、だけどな。

「……最後の一言、余計だよね」

ミヤさんに、じろん、と見られた。
もれなく半目だった。



昨夜のウチに書き出しておいた、《壺中天》の作成レシピ。
必要な魔法陣とか各種材料、その他諸々……。
あとは一回、目の前で作って見せりゃいいかな?
そんなカンジで、どーか?

食い付きの良いパンダにそう言ってみたら。

「え? 作るとこ見せてくれるの!? 見たい見たい! 見せてーっ!」

レシピ出した時点で、そっちに集中してたパンダだったが。
やっぱ実演に勝るモノは無いか。
しれっとした顔で、この状況を眺めているミヤさんや。
あんたも1つ作って下さいよ。

「え~。僕はどっちかと言えば、物理特化だって……」

作り手によって、違いが出るかもしれないって、一目瞭然でしょーが。
ぶっちゃけ、俺だってまた作ることになるとは、思ってもいなかったわ。
ぐだぐだ言ってないで。
ほら、やるぞ。



各々出来上がりました~。
面白そーな顔で見てたギルド長。
興味津々で、目を輝かせて見てたのは、リドラさん。
リーランさんは、かぶり付きでふんすふんすと鼻息も荒く……落ち着け~、と、何回言ったコトやら……。

俺が作ったヤツは、こんな感じになった。

《壺中天》
異世界の知識を元に作られた、簡単便利な携帯用家屋。
庭付き一戸建て。
2階建てで、台所、風呂、トイレ付き。
水回りは浄化魔法でナンとかする優れもの。
ただし、後から飲料水等用の魔法具を設置しなければならない。
無けりゃ無くても……まぁ、ナンとかなるんじゃね?
……いや、頑張ったな。
だいぶ進歩したんじゃね?
ついでに水属性魔法も組み込んでたら、想像通りの平成日本の一般家屋になったかもしれない。
そこだけ残念。
……でも、ま、良しとしよう。



……お前、誰だよマジで。

ちなみに、ミヤさんが作ったヤツは、前回の《壺中天(仮)》に部屋が2部屋追加されただけで。
(仮)、は取れなかった。

いや、進歩したよな。
部屋数増えたし。

「すっごい微妙な気分なんだけど」

ミヤさんは、自分が作った《壺中天(仮)》を、微妙な表情で見ていた。
完成した魔法具(《壺中天》)を見て、はしゃいでいるギルド長とリーランさん。
それと、感心しきりな目で俺らを見ているリドラさんと、ミヤさんとの温度差がハンパない。
ん~……。
物理特化の弊害が出たか。
数を作れば、満足いくモノが出来るんじゃね?

まぁ、作るかどーかはミヤさん次第だ。







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