目標:撤収

庭にハニワ

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ごーるでん・どーん。

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地下の理科室及び館の外に出ると、空が明るくなり始めていた。
夜明けか。
マジか。
結構時間食ったな。
……ラクナギルドに着いたら、2~3時間たいところなんだが。
どーだろ?

「確かに疲れたよね……。少しだけでも眠りたいところだけどね。リーランさんはともかく、ラクナギルドの支部長はどうかな? すぐに話を聞かせて欲しい、とか言いそうだよね」

軽く伸びをして、ミヤさんがボヤく。
とりあえず、館周りの結界は解除したからな。
あとは知らん。

とにかく、ギルドに行こうミヤさん。
ここに立っててもしょーがないし、この館の関係者だ、なんて思われたくない。
朝早い職業の方々も居るんだぞ。
パン屋さんとか。

「……それもそうだね」

俺らは黄金の夜明けの中、ラクナの街中をゆっくりと歩いて行った。



ラクナギルドに到着~。
マジでひと眠りしたい。
あ……アクビが……。
思いっ切り大口開けてアクビする。
ミヤさんもアクビした。
……このやろう。
美形はどんな顔しても美形だな、おい。
ついじとん、とした視線を向けるとミヤさんは、こぼれた涙を拭きながら。

「ウチの子達はどうしてるかな?」

……寝てんじゃないですかね? 銀竜以外は。

「そう言えば、銀竜も夜間活動メインだったよね。でも僕らと行動するようになって、比較的普通の時間帯に行動するようになったからね。やっぱり眠いんじゃないかな」

などと話しながらギルドに入ると。

「あ、お帰り~♪」

パンダが明るく出迎えてくれた。
その隣りには、ラクナギルドの支部長のカメさんが。
半分寝てるけどな。

カメさんは、寝ぼけまなこをこすりつつ。

「おぉ、首尾よく目的を果たして戻ってきたか。……で、どうじゃな? あの錬金術師、どんなじゃった? いったいどこから何しに来たんじゃ?」

途中から、くわっと目を開いて詰め寄ってこよーとするのを、さりげなくリーランさんに押さえられている。

あー……今じゃなきゃダメか?
そんなにあの変態の、来し方行く末気になるんなら、とっ捕まえて本人に聞けば?
今なら保護、という名目で捕獲可能だぞ。
危険ブツは、全部始末したからな。
ヤツの技術や知識が欲しいなら……今がチャンスじゃね?

「あぁ……確かに今なら精神的にも肉体的にも、地の底まで落ち込んでるだろうからね。簡単に捕まえられるんじゃないかな。館に残ってる人獣達も、愛玩系が多いようだし。特に抵抗もしないと思うよ」

カメさんの目が、きらん、と光った気がする。
……やっぱり爬虫類。
目が鋭い。

「ほうほう……。欲の皮の突っ張った貴族どもや、国がしゃしゃり出てくる前に確保すべきかのう……。色々と、役にたってくれそうじゃて……」

ふぇっふぇっふぇっ……と笑うカメさん。

……とらぬタヌキのナンとやら、になる前に動くコトをオススメする。
あの館、今はすっげー無防備だからな。

それもそーだ、とばかりに何度も頷いたカメさんは、受付で半分寝落ちしてる職員の人に。

「これ、起きんか! 待機しとる連中に、出番じゃ、と教えてやれい!」
「ふゃっ!」

人族の人だった。
受付の人は覚醒して言った。

「あぁ支部長~……。出番ですか~。すぐに出発させます~」

そう言うと、席を立ってギルドの地下へと向かった。

……え、皆で地下訓練場で待機してたのか?
ま、まあある程度の人数が余裕で雑魚寝出来るくらいの広さはあるよな?
……何人待機してたのかは知らんけどな。

うん。
あの変態についてはもう、ラクナギルドにおまかせ~……で、いい気がしてきた。



さて。
リーランさんや。
ウチの……スズ達は、今どーしてますかね?
アクビをかみ殺しながらパンダに問うと、リーランさんは。

「スズ君達と、ライカンの親子(?)は2階の空き部屋で寝てるよ。……君達も、眠そうだよね。少し寝てきたら?」

よしよし、とパンダに頭を撫でられた。
俺だけじゃなく、ミヤさんも。
大人っぽい男前が子供扱いされる図って、ちょっと笑える光景だ。
……ってミヤさん。
リーランさんから見えない所で、足蹴飛ばすの、ヤメて下さい。
大人げないぞ。

さて、リーランさんにも言われたことだし。
少し眠るコトにしようかねぇ……。








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