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よーやく出発?

あ、さて~……。

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イサナ公国へと向かう外交団一行。
王弟殿下を団長に、何人かの文管と近衛選抜の武官達。
王弟殿下の婚約者と、その侍女達、従僕達。
それと……本命の。



正直なところ、イサナ公国側が招待したかったのは、1人の侯爵令嬢だけである。

倒竜姫、と、一部で呼ばれている令嬢だ。



外交団の表向きの目的は、イサナ公国との交流である。

が。

実際には、自国の有益な異能持ちの令嬢(笑)。
倒竜姫と呼ばれているその令嬢(大笑)を、イサナ公国に引っこ抜かれないように無言の圧力を掛けているのである。
ついでに、イサナ公国への道中で、かの・・令嬢(爆笑)の心をわしづかみにするように王より命じられた近衛との触れ合い(物理的に)の為に、ゆっくりと時間を掛けた旅路になる予定、だった。



だがしかし。

目的の令嬢(笑い過ぎて苦しい……)が。

「なんだっでそんなまだるっこしい事に、付き合わなきゃならんのだ?」

と……。

私は私でイサナ公国に向かうから、現地集合でよろしく。
団体様がイサナ公国に到着する頃を見計らって、合流するから。

と、提案……と、ゆーか宣言。

令嬢が自腹切って個人的に雇った二人──実は強者な魔法剣士と美少女メイドを連絡役として残して、当人はさっさと国を後にした。

………。

自由過ぎやしないか?

国の思惑なんか、最初ハナっから無視してあっさりと別行動に出たのは、『倒竜姫』ことフェリシア・ゴルディアス侯爵令嬢。
『収納』と『転移』の異能持ちな『行商人』だった。



この異能持ちな令嬢を、国に縛りつける為に、王家は婚約者候補を用意した。
近衛の中から特に優秀、と評判なモノを3人ほど身繕って。

だが。

国の認識と、令嬢の認識の違いよ。

国としては、良き縁組を用意したつもりである。

が。

令嬢曰く。

「……チャラ男とマジメマザコンあんど脳筋とか(笑)。ないわ~。余計なコトしないで、放っといてほしいわ~。とりあえず、若くて顔の良い男何人かあてがっときゃ、ナンとかなるだろってぇ発想がもう、ね? 全力で拒否したいわ~」

……だ、そうな。






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