上 下
52 / 109
……で? っていう。

慣れ親しんだ場所になら、1~2人なら連れてける。

しおりを挟む
近衛のハニトラ要員ども、チャラ男とマジメの二人は、にっこり笑顔を振り撒くナルシッサことナルさんに夢中っポい。
視線が、ナルさんの後を追いかけている。
そして脳筋は、ハイドさんをロックオン。
脳筋をひっとうに、一部の近衛の連中は、どうやら本能で強者を感じとり、『一手ご教授願いたい』と……よーするに、『戦いたい!』とな。

……これだから脳筋は。

まあ、ね?
ハイドさんこう見えて、上位ランカーだもんな。
『力こそ正義!』なヤツが夢中になって追いかけまわすのもまあ……。

そんなハイドさん、本来なら私のような小娘が気軽に雇えるような人じゃないんだが。
私と縁を結んどきゃ、プラスアルファが期待できる。
実際、お近づきのしるし~と、ナルさんには糖蜜果を干したドライフルーツ──めちゃくちゃ甘い──を。
ハイドさんには、火酒……とは言わないが、なかなかの度数の古酒を渡してある。
二人とも、めっちゃ良い笑顔になった。

親密度が上がった。



このように、自分の特技を自分の為に有効活用しているワケだが。
労働の対価……と、ゆーか。
物事を円滑に廻す為に活用して何が悪い?
他人にどうこう言われる筋合いも、良いように使われる気も無い。
まったくない。

だからさ?
近衛のハニトラ要員も、それ以外のヤツも、余計な色気は出さない方がいいよ?
妙なちょっかい出されたら、礼儀として3倍返しにするから。

『面倒な事に巻き込まれそうになったらいらっしゃい♪』

そう、私の異能目当てであっても、私個人に良くしてあげる、と誘ってくれる有力者は。
商業、冒険者ギルドだけじゃない。
他国のお偉いさんにも居る。
一番盛んに誘ってくるのは、ごん太いコネがある西河の女神神殿かな。

そう言えば。
ゴルディアス領の老神殿長が、そろそろ引退? って時期だし。
この人には、めちゃくちゃ心労をおかけしたので。

「一度でいいから、西河の雄大な流れをこの目に……」

とか言ってたの、叶えてやろうかな。

ごん太いコネを使って、さ。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

(完結)親友の未亡人がそれほど大事ですか?

青空一夏
恋愛
「お願いだよ。リーズ。わたしはあなただけを愛すると誓う。これほど君を愛しているのはわたしだけだ」  婚約者がいる私に何度も言い寄ってきたジャンはルース伯爵家の4男だ。 私には家族ぐるみでお付き合いしている婚約者エルガー・バロワ様がいる。彼はバロワ侯爵家の三男だ。私の両親はエルガー様をとても気に入っていた。優秀で冷静沈着、理想的なお婿さんになってくれるはずだった。  けれどエルガー様が女性と抱き合っているところを目撃して以来、私はジャンと仲良くなっていき婚約解消を両親にお願いしたのだった。その後、ジャンと結婚したが彼は・・・・・・ ※この世界では女性は爵位が継げない。跡継ぎ娘と結婚しても婿となっただけでは当主にはなれない。婿養子になって始めて当主の立場と爵位継承権や財産相続権が与えられる。西洋の史実には全く基づいておりません。独自の異世界のお話しです。 ※現代的言葉遣いあり。現代的機器や商品など出てくる可能性あり。

結婚相手の幼馴染に散々馬鹿にされたので離婚してもいいですか?

ヘロディア
恋愛
とある王国の王子様と結婚した主人公。 そこには、王子様の幼馴染を名乗る女性がいた。 彼女に追い詰められていく主人公。 果たしてその生活に耐えられるのだろうか。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

処理中です...