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……で? っていう。

一旦解散?

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ケーリッシュ公爵夫人が意識を遠くに飛ばした。
慌てる公爵家の男ども。
君らがアワくっても意味ないから。
とりあえず、落ち着け。

あー。
公爵夫人は、思ってたよりもトンでもない引き出物になりそうな事実に、ちょっと意識飛ばしただけたから。
そっとしといてあげて。
とりあえず、公爵閣下。
そんなにぐらんぐらん揺すぶんないで。
むしろ揺すっちゃダメだったと思う。

多分。



次期殿が公爵閣下に代わり、執事や侍女達に夫人の世話を命じてナンとか収まりがついた公爵家の一室で。
いまだに薔薇色の世界から帰ってこないケーリッシュ嬢にいとま請いをしたんだが、まっっったく聞いてない。
ので。
両親を休ませ(物理)て一息ついてる次期殿に、ざっくりと挨拶して。
私は公爵家を後にした。

さ~、忙しくなるぞ~!

職人に依頼して、細かいところを詰めて……。
ついでに河の女神の神殿に、寄進して……。

そーいや、私の手元には飛竜の魔石だけじゃなくて、地竜の魔石や水竜の石なんかもある。
双頭蛇や多頭犬の魔石もざかざかと……。

いやだって道を塞いでる群れが悪い。
ので。
乱獲したヤツが、結構な量余っている。

バラまくワケにもいかないし、飛竜の魔石の一つは国に納める方向だし。

私が飛竜を二頭は倒してるって、自国のお貴族サマ達もイサナ公国のお貴族サマ達も知ってるワケだし。

じゃああと一つ、飛竜の魔石があるんだな。
買い取ってやるからありがたく差し出せ……とか考えるバカ貴族がまとわりついてくるじゃあないか?

いや買い取るんならまだいいが。
ナンの根拠も無く『差し出せ』とか言い出す阿呆が湧くカモ知れん。
うっわ、うざい。

と、ゆー理由で。
河の女神の神殿に、寄進ついでに何個か奉納した。

結果。

この先、私からの依頼は最優先で受けてくれるってさ。

ただでさえごん太いコネが、更に太くなった。
こりゃもう、さ?
使えるコネは使い倒すに限るね。

さあ、今なら河の女神の神使の手による最高級羽毛布団セットが、どこぞの大国の王族御用達の布団セットがお求め易くなっておりますよ~。

いかがですか?



なんて、ね。













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