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……で? っていう。

公爵家御一同は。

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背後に花でも舞い散ってんじゃね? って浮かれた雰囲気のケーリッシュ公爵家の御一同──ケーリッシュ嬢は空でも飛びそうな雰囲気だが──が、わざわざ私をお茶会って名目で呼び出した理由なんだが。

娘(妹)の婚約祝いに何か良いモノを送りたいのだが、珍しくて良いモノはないか?

だ、そうな。

商業ギルド所属の商人への依頼だったもよう。

仕事ですね。
何かおめでたい、縁起物をお求めですね。はい、毎度あり~!

よーし。
何がいいかな~?
消えモノよりは実用品だよね。

……夫婦雛……夫婦茶碗……やっぱり子宝希望ですよね?

む~ん。
縁起物を柄にした高級羽毛布団セットとか。
別名子作りセット。

「……子作り……」

おや? ケーリッシュ嬢?
真っ赤になって、どーされました?
おお、耳まで赤い。
の、わりにどことなく嬉しそうな。

そして父君と母君──ゴルディアス公爵閣下と夫人は、孫マゴ孫とふわふわし始めたよ。
気が早いな。



そーか。
後嗣殿──ケーリッシュ嬢の兄君のより先に、ケーリッシュ嬢の子が見たい、と。

期待に答えようか?

サービスとして、個人的なツテを使って羽毛布団セットに一撃必中な子宝祈願をしてもらってもいい。

「「「ゑ」」」

妙な声で鳴いた公爵家の御一同の目の色が、変わった。

ケーリッシュ嬢が、ピンクに染まってほんわかしてるのをそのままに、真剣な様子で。

「一撃必中って、どのくらいの……?」

と、聞いてくる公爵閣下にサラッと答えた。

その羽毛布団セットを使っている限り、毎年確実に子宝に恵まれる。
もちろん、布団としては最高級品で、金糸銀糸をふんだんに使用した比翼連理の鳳凰柄とか?
そのあたりは、職人がいい感じに仕上げてくれるはず。
差し入れに、イサナ公国よりも更に東のに位置する『東方燐華』の菓子を渡せば、ある程度の無理無茶無謀……までは言わないが、結構融通聞かせてくれる。
ついでに、北の魚介類──大宝ウニとかも一緒に差し入れれば、文句なんか出やしないさ。
むしろ更なる差し入れを期待して、納期前倒しで頑張ってくれるさ。

「あの職人達と魔女の弟子殿は」

なんて、サラッと暴露したところ。

「東方燐華の菓子ですって……?」
「超、高級品だろう?」
「……北の大宝ウニも……」

布団の時とは違う意味で、目の色が変わった。

そして、職人達への差し入れを用意する時には、一声かけてくれ、だって。

自分達も、高級食品食べたいってコトですな。

なるほど。

で。
布団は発注していいのかな?

ちなみに。
職人達は、西河の河の女神に使える神殿の神使達だ。







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