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……で? っていう。

何かが激しく違う……。

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義妹と不愉快な仲間達の行く末が、だいたい決まった頃の話。

私は……とゆーと。

「……私は何故ナニゆえここに居るんだろうか」

ちょっと虚ろな目になって、遠くを見つめる私だ。

空が青いなぁ……。

「良い天気に恵まれまして、よろしゅうございますわねぇ」
「ほんに……」
「まことに……」

うふふ……。



う~ん。
場違い感が尋常じゃない。



何故ナニゆえか。
本当に、何故か。
王城で開催されてる、王妃様主催の茶会に参加しているこの状況。

屋外で催されるガーデンパーティーだそうで。

庭園の花々は、色鮮やかにかぐわし咲き誇り。
普段、絶対に交流しない──私にそんなヒマは無い──上位貴族のご夫人やらご令嬢やらが王族の女性陣と、きゃらきゃらとタワムレてオラレルのをただ呆然と眺めている今現在。

あの、義妹と不愉快な仲間達がやらかした時。

……半分くらいは私が騒ぎの元になったような気がする。

つか、騒ぎを大きくした一因だった気が、とてもしてるんだが。

王城に呼び出された時点で、お叱りを受ける予想覚悟はしていたんだが何かが違う……。

ああ。
お茶が……。

何の味もしない。

何の味もしないが、やる事が無いのでただひたすら茶を飲む。

ああ、早く帰りたい……。




「ゴルディアス様、楽しまれていらっしゃいます?」

途方に暮れてる私に、す……と近づいて来たのは、ケーリッシュ嬢。

相変わらず、美しく気品に溢れてらっしゃいますね。
愁いの元だったボンクラ王子と確実に縁切り出来たからか、晴れやかな笑顔を振りまいてらっしゃる。

「あら。あの折の貴女は、それはそれは凛々しくて。わたくしを庇ってくださって……うっとりしてしまいましたのに」

右手を頬に当て、ほう……と吐息を洩らす美女。

そんなつもりは皆無だったんだが。

ただ、義妹と不愉快な仲間達にぶちギレただけ、だ。

ちょっと……。
かなり本気でガマン出来なかっただけの話だ。

ケーリッシュ嬢。
貴女の心中お察ししたのは事実だが。
別に貴女の為に、あの連中を足蹴にした訳じゃない。

だから、その潤んだ目で私を見るのはヤメて下さい。

……いや、マジで。

私に女色のは、ありません。

だから、妙なカンジにすり寄るの、ヤメて下さい。

ヤ~メ~て~っ!







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