上 下
4 / 109
巻き込むんじゃない!

私は他人……。

しおりを挟む
いきなり前触れもなく、とーとつにほざいた義妹の発言。
何も知らないギャラリーの方々は、さわさわと情報収集を始め。
多少ウチゴルディアス家の事を知ってる方々は、義妹の言い分に疑問を感じ。
ケーリッシュ嬢と私、それとウチの内情を知ってる方々は、むしろ義妹を嫌悪の混じった目で見た。

父と母御は、茫然とした後蒼白になった。
そして、ケーリッシュ公爵を探して全力で謝罪している。



義妹よ。
お前、母御にあんな事言わせんなよ。
母御、泣きそーな顔になりながら、『あんな人前で愚かな真似をするような娘に育てた覚えはないのに……! どうして!』ってさ。
私の生母が儚くなって3年後に子連れで再婚した母御は、父と仲睦まじく、私にも気を配ってくれて。
父の留守中は領地の采配をしっかりやってくれて、領民とも良好な立派な人なのになんでお前は残念なんだ?

父は父でケーリッシュ公爵に宣言してる。
『あの娘は、我がゴルディアスの血を引いておりませぬ。早々に、我が家侯爵家とは縁切りして、どこか遠くの修道院に入れる事にいたします』って言って、義妹を貴族籍から抜く事を確約してた。
 
まぁね?
父もさ、今までは母御の両親──娘が産んだ女孫可愛さに甘やかしまくって、とんだ金喰い虫でくっそワガママな愚か者を生み出した原因老害──に、気兼ねしてたんだけどね?
あり得ない場(王家のイベント)で、あり得ない事(男ども引き連れての婚約破棄)やらかして、あり得ない発言(公爵令嬢への冤罪)してるからね、現在進行形で。

それに……。

アレ義妹、私と違って何の特技も持ち合わせてないんだよね~。




泣き真似しながら私を貶める発言したのに、私が何の反応も見せないのが気に入らなかったのか。
義妹は声高に、如何に自分がかわいそうな立場にいるかを涙ながらに語っている。

が、義妹よ。

……お前、演技ヘタだなぁ。
なんでそんなヘタクソな演技に引っ掛かるヤカラがいたのか。
本気で疑問に思う。

そして、ヘタクソな演技にまんまと引っ掛かったヤツの頭の中身が心配になる。

……正気か? お前ら。

ま、ボンクラ王子は以前からボンクラだったからな。
放置で。

義妹の取り巻きこと『不愉快な仲間達』の中に、神官長の息子と魔術師長の息子が混じってない理由……なんとなく理解した。
お2人とも、根本的に婚約者の方々と仲良しだもの。
いわゆる両想い。
義妹がつけ入る隙なんかありゃしないってコトさ。

……なんか、いい気味。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢らしいのですが、務まらないので途中退場を望みます

水姫
ファンタジー
ある日突然、「悪役令嬢!」って言われたらどうしますか? 私は、逃げます! えっ?途中退場はなし? 無理です!私には務まりません! 悪役令嬢と言われた少女は虚弱過ぎて途中退場をお望みのようです。 一話一話は短めにして、毎日投稿を目指します。お付き合い頂けると嬉しいです。

【完結】些細な呪いを夫にかけ続けている妻です

ユユ
ファンタジー
シャルム王国を含むこの世界は魔法の世界。 幼少期あたりに覚醒することがほとんどで、 一属性で少しの魔力を持つ人が大半。 稀に魔力量の大きな人や 複数属性持ちの人が現れる。 私はゼロだった。発現無し。 政略結婚だった夫は私を蔑み 浮気を繰り返す。 だから私は夫に些細な仕返しを することにした。 * 作り話です * 少しだけ大人表現あり * 完結保証付き * 3万5千字程度

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?

つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです! 文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか! 結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。 目を覚ましたら幼い自分の姿が……。 何故か十二歳に巻き戻っていたのです。 最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。 そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか? 他サイトにも公開中。

【完結】未来の息子がやってきた!?

海(カイ)
ファンタジー
 グラン国内、唯一にして最高峰の魔法学校。『ジャン・クリフトフ魔法学園』のアッパークラスに在籍しているエイデン・デュ・シメオンはクラスメイトのソフィアに恋心を抱いていた。  しかし、素直になれないエイデンはソフィアにちょっかいをかけたりと幼稚な行動ばかり…。そんなエイデンの前に突如未来の子どもだというパトリックが現れる。母親はまさかの片思いの相手、ソフィアだ。 「…マジで言ってる?」 「そうだよ。ソフィア・デュ・シメオンがぼくのママ。」 「……マジ大事にする。何か欲しいものは?お腹すいてない?」 「態度の変え方エグ。ウケる。」  パトリックの出現にソフィアとエイデンの関係は少しずつ変わるが――? 「え…、未来で俺ら幸じゃねぇの…?」  果たしてエイデンとソフィア、そしてパトリックの未来は…!? 「ねぇ、パパ。…ママのことスキ?」 「っ!?」 「ママの事、スキ?」 「………す………………」  やっぱ言えねぇっ!!

武装世界の片隅で

クライン・トレイン
ファンタジー
武装世界 世界はそういう時代に突入していた 武装という武器を各々が纏っている 武装は自動発動、手動発動、誓約発動とが存在する 武装覚醒する事で武装を所持する事が出来る この世界は 惑星の模型を巨人が置いてから始まった そして惑星は自動発動した武装によって惑星を構築していった この武装世界とはそういう世界だ リゾート地と海とがあり 武装少女レーラは、リゾート地の片隅で暮らしていた 友達が欲しいレーラはリゾート地へと足を踏み入れようとしていた 武装世界の片隅から 武装世界に入り込む武装少女レーラの物語

【完結】追放された実は最強道士だった俺、異国の元勇者の美剣女と出会ったことで、皇帝すらも認めるほどまで成り上がる

岡崎 剛柔
ファンタジー
【あらすじ】 「龍信、貴様は今日限りで解雇だ。この屋敷から出ていけ」  孫龍信(そん・りゅうしん)にそう告げたのは、先代当主の弟の孫笑山(そん・しょうざん)だった。  数年前に先代当主とその息子を盗賊団たちの魔の手から救った龍信は、自分の名前と道士であること以外の記憶を無くしていたにもかかわらず、大富豪の孫家の屋敷に食客として迎え入れられていた。  それは人柄だけでなく、常人をはるかに超える武術の腕前ゆえにであった。  ところが先代当主とその息子が事故で亡くなったことにより、龍信はこの屋敷に置いておく理由は無いと新たに当主となった笑山に追放されてしまう。  その後、野良道士となった龍信は異国からきた金毛剣女ことアリシアと出会うことで人生が一変する。  とある目的のためにこの華秦国へとやってきたアリシア。  そんなアリシアの道士としての試験に付き添ったりすることで、龍信はアリシアの正体やこの国に来た理由を知って感銘を受け、その目的を達成させるために龍信はアリシアと一緒に旅をすることを決意する。  またアリシアと出会ったことで龍信も自分の記憶を取り戻し、自分の長剣が普通の剣ではないことと、自分自身もまた普通の人間ではないことを思い出す。  そして龍信とアリシアは旅先で薬士の春花も仲間に加え、様々な人間に感謝されるような行動をする反面、悪意ある人間からの妨害なども受けるが、それらの人物はすべて相応の報いを受けることとなる。  笑山もまた同じだった。  それどころか自分の欲望のために龍信を屋敷から追放した笑山は、落ちぶれるどころか人間として最悪の末路を辿ることとなる。  一方の龍信はアリシアのこの国に来た目的に心から協力することで、巡り巡って皇帝にすらも認められるほど成り上がっていく。

悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん
ファンタジー
 人気乙女ゲー『月と共に煌めいて~キラキラ魔法学園、ラブ注入200%~』略称『とにキラ』の世界。  エステリア・ハーブスト公爵令嬢はゲーム内の最大ライバルである悪役令嬢でどのルートでも悲惨な運命を辿る。ある日、前世の記憶を持って転生した事を知ったエステリア(5歳)は悲惨な運命を回避する為に動き出す!

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

処理中です...