留学してたら、愚昧がやらかした件。

責任逃れも甚だしい。

第二王子は顔を引き攣らせながら
「だってオリバーが……」
とオリバー殿に全責任を押し付けた。
「お兄様？」
リザ王女殿下が言う。
「王族に相応しく無い行動をなさいましたわね。いくら教皇猊下の甥御様と言いましても、あくまでも甥御にすぎません。教会の要職就いてるわけでも、高位の聖職者でもない方の言葉を調べもせず盲信するだなんて……」
「ま、やらかしたのが王太子殿下じゃなかっただけマシか」
「そうね……」
「第二王子もな～。セルマを上手い事利用して教会の支持を得て、王太子に成り上がるつもりだったかも知らんが、役不足だろ？　セルマを聖女に祀り上げるには、オリバー殿の言葉だけじゃ、な？　まず無理だろ」
あとセルマを聖女に……ってのもムリだな。
セルマアイツか聖女と呼ばれる程に善行を積み上げなきゃ、な。
アイツセルマ、聖女らしい善行なんか一つもやってないだろ。
役不足も甚だしい。