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ちょっとスッキリしたらしい。
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目を見開いて、プルプル震え出したセルマは、キッと俺を睨み付けて。
「お……お兄さまなんて……」
「何だ? じーさんばーさんに泣きつくか? お前に出来るコトなんてそんなモンだろ。自分じゃ何にも出来やしない。……あ、一つだけあったか。周りの迷惑顧みず自分勝手なワガママを押し通すコト」
「……っ!」
セルマは無言で部屋から出ようとしてる、ので。
「今度は追いかけて来ない……なんて、つまんない文句言いに戻ってくるんじゃないぞ」
追い打ちを掛けてみた。
セルマはさらに憤り。
「……バカっ!」
また音を立てて走り去った。
「あぁ、立派なレディはあんな風にジタバタと走り去ったリしないな」
あとプレゼントも土産もやらん。
何か腹立つからな。
ふ、と周りを見れば、父母は抱き合って涙目で俺を見ている。
その顔は満面の笑み。
ユナンはめっちゃ良い顔でうんうんと何度も頷き。
ガーフィールドとエルザは無表情を保とうとして失敗。
やはり笑顔になっている。
そしてユナンからの喜びの言葉。
「兄上! よくぞ言って下さいました! 胸がスッといたしました!」
「本当に、本当に良く戻ってくれたな、カイナン」
「この際、貴方の雑な言動には目を瞑ります。……いえ、この母が許します。その調子であの愚物と化した娘に、ビシバシと苦言を呈して下さい」
気付けば家族に取り囲まれて礼を言われ、もっとやれ、と煽られる状況。
ガーフィールドとエルザは目尻を拭いながら。
「本当に、良くお戻り下さって……」
「お爺ちゃん、良かったわね。これで……」
2人で手を取り合って喜びを噛み締めている。
……なんだこの状況。
まぁとにかく。
アレはダメだ……ってコトだけは理解した。
「お……お兄さまなんて……」
「何だ? じーさんばーさんに泣きつくか? お前に出来るコトなんてそんなモンだろ。自分じゃ何にも出来やしない。……あ、一つだけあったか。周りの迷惑顧みず自分勝手なワガママを押し通すコト」
「……っ!」
セルマは無言で部屋から出ようとしてる、ので。
「今度は追いかけて来ない……なんて、つまんない文句言いに戻ってくるんじゃないぞ」
追い打ちを掛けてみた。
セルマはさらに憤り。
「……バカっ!」
また音を立てて走り去った。
「あぁ、立派なレディはあんな風にジタバタと走り去ったリしないな」
あとプレゼントも土産もやらん。
何か腹立つからな。
ふ、と周りを見れば、父母は抱き合って涙目で俺を見ている。
その顔は満面の笑み。
ユナンはめっちゃ良い顔でうんうんと何度も頷き。
ガーフィールドとエルザは無表情を保とうとして失敗。
やはり笑顔になっている。
そしてユナンからの喜びの言葉。
「兄上! よくぞ言って下さいました! 胸がスッといたしました!」
「本当に、本当に良く戻ってくれたな、カイナン」
「この際、貴方の雑な言動には目を瞑ります。……いえ、この母が許します。その調子であの愚物と化した娘に、ビシバシと苦言を呈して下さい」
気付けば家族に取り囲まれて礼を言われ、もっとやれ、と煽られる状況。
ガーフィールドとエルザは目尻を拭いながら。
「本当に、良くお戻り下さって……」
「お爺ちゃん、良かったわね。これで……」
2人で手を取り合って喜びを噛み締めている。
……なんだこの状況。
まぁとにかく。
アレはダメだ……ってコトだけは理解した。
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