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兄視点。5
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で。
とりあえず客間に移動して、ステラが作り置きしていった焼き菓子と氷菓子…アップルパイとアイスクリームを、紅茶とセットで出してみた。王都にも焼き菓子は普通にあるけど、氷菓子は珍しいからな。
案の定、考え込みはじめたので、
「悩むんなら、帰ってから悩めよ。マジでキリがないぞ」
印章魔術で、良いカンジの温度を保ち続けているポットから紅茶を注いだ。
「とりあえず、溶けるから食べろよ」
温め直して、アツアツにしたアップルパイの上のアイスクリームがとろ~りと…。
こーゆーの食べている時は、本当にステラが妹で良かったと思う。
色々とやらかしてるけど、きっちり結果出して周りに恩恵を与えているし、アイツのやらかしを領民が歓迎するワケだわ、うん。
「フリード…お代わりいるか?」
しみじみと菓子を眺めていたと思ったら、一口食べた瞬間、気のせいかヤツの周囲に花が咲いた。
スゴい勢いで平らげたと思ったら、空になった皿を見てしょんぼりしてる。
何、お前甘党なの?
なんか面白いから、色々と食べさせてみようか?
…コイツにかき氷とか食べさせたらどうなるかね…。
ウチのメイド軍団に視線を向けると、心得ております、とばかりにフリードの前に新たな皿をすべらせる。
…焼き菓子ーータルトにジェラート、プディングの盛り合わせとか。
やるな。
さすがはウチのメイド軍団。
「フリードよ…誰も取らないから、落ち着いて食べろ」
言っておくが、これに魔術は関係ないからな。
技術のみ、です。
『冷』とか『凍』とかの印章魔術使った魔道具で作っているけどな。
「…失礼、子供みたいに夢中になっていました…」
相当恥ずかしかったのか。
耳が赤くなっているぞ、フリード。
「今までこんなカンジの菓子、食べたこと無かったのか?」
ウチの連中が、初めて食べた時みたいだったぞ。
今度は落ち着いて、しみじみと味わいながら食べているフリード。
「両親共に魔術オタクですからね…。食事については…」
「あー、生きてりゃあ良いや、てか」
フリードは、どこか遠くを見ている。
「執事やメイド長、料理長が気をつけてくれなければ…どうなっていたか…」
それはそれで怖いな…。
とりあえず客間に移動して、ステラが作り置きしていった焼き菓子と氷菓子…アップルパイとアイスクリームを、紅茶とセットで出してみた。王都にも焼き菓子は普通にあるけど、氷菓子は珍しいからな。
案の定、考え込みはじめたので、
「悩むんなら、帰ってから悩めよ。マジでキリがないぞ」
印章魔術で、良いカンジの温度を保ち続けているポットから紅茶を注いだ。
「とりあえず、溶けるから食べろよ」
温め直して、アツアツにしたアップルパイの上のアイスクリームがとろ~りと…。
こーゆーの食べている時は、本当にステラが妹で良かったと思う。
色々とやらかしてるけど、きっちり結果出して周りに恩恵を与えているし、アイツのやらかしを領民が歓迎するワケだわ、うん。
「フリード…お代わりいるか?」
しみじみと菓子を眺めていたと思ったら、一口食べた瞬間、気のせいかヤツの周囲に花が咲いた。
スゴい勢いで平らげたと思ったら、空になった皿を見てしょんぼりしてる。
何、お前甘党なの?
なんか面白いから、色々と食べさせてみようか?
…コイツにかき氷とか食べさせたらどうなるかね…。
ウチのメイド軍団に視線を向けると、心得ております、とばかりにフリードの前に新たな皿をすべらせる。
…焼き菓子ーータルトにジェラート、プディングの盛り合わせとか。
やるな。
さすがはウチのメイド軍団。
「フリードよ…誰も取らないから、落ち着いて食べろ」
言っておくが、これに魔術は関係ないからな。
技術のみ、です。
『冷』とか『凍』とかの印章魔術使った魔道具で作っているけどな。
「…失礼、子供みたいに夢中になっていました…」
相当恥ずかしかったのか。
耳が赤くなっているぞ、フリード。
「今までこんなカンジの菓子、食べたこと無かったのか?」
ウチの連中が、初めて食べた時みたいだったぞ。
今度は落ち着いて、しみじみと味わいながら食べているフリード。
「両親共に魔術オタクですからね…。食事については…」
「あー、生きてりゃあ良いや、てか」
フリードは、どこか遠くを見ている。
「執事やメイド長、料理長が気をつけてくれなければ…どうなっていたか…」
それはそれで怖いな…。
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