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vs. お貴族サマ。

おやじ殿がなんだって?

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おやじ殿と同年代なハズなのに、やってるコトはそこらの食いしん坊な小僧と一緒なナガツキさん。

おやじ殿と同年代ってコトは、三十路のハズ……。

おっさんには見えない、年齢不詳な外見は、東輝蘭の出身の特徴っちゃ特徴だけど。
外見に精神が振り回されてるのか、単にナガツキさんが大人げないのか。
……微妙。

なんてコトをうっすら考えてる私を気にせず、ナガツキさんは。

「オンタリオ皇国としちゃあ、迷宮核と意思疎通可能な~んて希少な人材を皇国外には出したくない。冒険者組合としても、将来有望どころか現在進行形で即戦力な若手を余所にやりたくない。カサンドラ姫は、『妹の写し身』のお前を遠くにやりたくない。銀狼さんは、まぁ……ちょっと置いとくか」

スラスラしゃべっていたのが、おやじ殿のトコで言葉を濁したナガツキさん。
茶を入れ直して、一気に半分飲んだ。
目が次の鯛焼きをロックオンしてる。
この食いしん坊め。

食いしん坊は、湯飲みを空にすると続きを話し出した。

「……あ~、で。サルファー王国としては、だ。ブランシェット侯爵家の血を引く者を、国外に置いときたくない。お前にゃ無理でも、お前の子供に『ブランシェットの瞳術』が発現する可能性がなきにしもあらず……とか何とか」

最後適当だな。

「ブランシェット侯爵自身は、あのまんまだし。言ってる事が一切ブレないってのもまぁ、スゴいっちゃスゴいか。セリス伯爵は……どっちかってぇとお前寄りか。個人的には、嫌がる者を無理矢理連れて行く気はないけれど、老害が……って言ってたな。周囲の意見を一切聞かない、頑迷な年寄りって正直迷惑……だってさ。血の繋がった身内だから余計に迷惑だと」

お貴族サマ方の意見に変わりはなかったってコトか。

ナガツキさんは、どこか嬉しそーに鯛焼きを手に取り、かじり出した。

「お前、鯛焼きドコから食う?」

緑茶を満たした湯飲み片手に、鯛焼きかじってゴキゲンだなナガツキさん。
こっちはそれどころじゃないぞ。
ちなみに。
私は鯛焼きはアタマからかぶりつく派だ。
手のひらにすっぽり入るサイズの小鳥の形したまんじゅうも、何のためらいもなくアタマからガブっと行くさ。

……って、話がそれたね。



2匹目の鯛焼きも平らげて、なんとなく満足そーなナガツキさん。
で?
おやじ殿が、なんだって?

水を向けると、ナガツキさんは。

「いや、銀狼さんが言ってた事が、なかなかの衝撃を、だね」

え~? 

ウチのおやじ殿、知らないウチになんかやらかしましたかね?








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