103 / 381
vs. お貴族サマ。
飽きたワケじゃない、多分。
しおりを挟む
いやはや。
尋問続けて喉が渇いたな~。
普通に何も盛ってない茶でも飲むかな。
……いや、茶の気分じゃないわ。
私は、自分の魔法収納袋から──いつも持ってますよ~──冷やした炭酸入りの水を取り出して、一口。
うん、さっぱりしゅわしゅわ。
「あ、コール、オレにも」
ナガツキさんがご所望だ。
はい、喜んで~。
只今の状況。
目の前で、オクスリと術がばっちりキマッテいる呆けたお貴族サマ2人。
口論とまでは言わないが、きゃんきゃんとじゃれてるおやじ殿と組合長。
部屋の隅っこで、寝トボけたまんまで放置されてるお付き2人──こっちも未だにオクスリが切れる気配なし。
そして。
そんな状況を眺めている、私とナガツキさん。
……なんだこれ。
思わず遠くを見る目になった私に、ナガツキさんは炭酸水を飲みながら。
「ま、ばーちゃんらが落ち着くまで一休みってコトで、いいんじゃね?」
そう言って、へらっと笑った。
……。
そーですね。
そーしましょー。
じゃ、炭酸に合うよーなしょっぱい系の菓子でも──。
きゃんきゃんと、しばらくじゃれ合ってたおやじ殿と組合長だったが。
途中で私とナガツキさんが飲んでる炭酸水の方に意識が向いたよーだ。
「コールや。婆にも分けておくれ」
「あ、コール。俺にも」
元気に騒いで、喉が渇いたらしい。
……あいよ~。
2人にも、炭酸水を渡した。
ら。
果汁で割りたいだの、酒はないかだの言い出した。
緊張感のカケラもないな。
とりあえず、状況の整理といこうか。
1。
サルファー王国から、どーやら私と血の繋がった父親らしいお貴族サマと、叔父さんらしいお貴族サマがやってきた。
と、言っても別に一緒に来たワケじゃないらしい。
どーでもいいけどさ。
2。
お貴族サマ達の目的は、私をサルファー王国に連行する事。
父親と称するなみなみ貴族は、私を娘として侯爵家に。
叔父さんらしい紳士は、姪として伯爵家に引き取るつもりらしい。
3。
なみなみ貴族は、ブラナンとか侯爵家の血を引く者がサルファー王国外に居るのはマズい、と思っての。
紳士の方は、手頃な政略結婚のコマが欲しい……ってトコかな。
まぁ、とりあえず。
ムカつく。
2人とも……っつーか、2家ともに、お亡くなりになった母の──クララこと、クラウディアの事なんか、これっぽっちも気にしてない。
そして私の意志なんか、マルっと無視だ。
それに、さ。
2家とも、私が素直に言う事聞かなけりゃ、本当に無理やりかっさらっていこうと企んでいたそーだ。
そりゃ、おやじ殿キレる(寸前)わ。
未だに過保護が抜けきってないんだよね、おやじ殿。
今も、真剣な顔して組合長に。
「……転移陣のミスで、どっかヤバい所に飛んだって事にして、この貴族ども何とか出来ねーかな。例えば、ニェスの蟲沼とか」
「お主……あの沼、好きじゃの~」
尋問続けて喉が渇いたな~。
普通に何も盛ってない茶でも飲むかな。
……いや、茶の気分じゃないわ。
私は、自分の魔法収納袋から──いつも持ってますよ~──冷やした炭酸入りの水を取り出して、一口。
うん、さっぱりしゅわしゅわ。
「あ、コール、オレにも」
ナガツキさんがご所望だ。
はい、喜んで~。
只今の状況。
目の前で、オクスリと術がばっちりキマッテいる呆けたお貴族サマ2人。
口論とまでは言わないが、きゃんきゃんとじゃれてるおやじ殿と組合長。
部屋の隅っこで、寝トボけたまんまで放置されてるお付き2人──こっちも未だにオクスリが切れる気配なし。
そして。
そんな状況を眺めている、私とナガツキさん。
……なんだこれ。
思わず遠くを見る目になった私に、ナガツキさんは炭酸水を飲みながら。
「ま、ばーちゃんらが落ち着くまで一休みってコトで、いいんじゃね?」
そう言って、へらっと笑った。
……。
そーですね。
そーしましょー。
じゃ、炭酸に合うよーなしょっぱい系の菓子でも──。
きゃんきゃんと、しばらくじゃれ合ってたおやじ殿と組合長だったが。
途中で私とナガツキさんが飲んでる炭酸水の方に意識が向いたよーだ。
「コールや。婆にも分けておくれ」
「あ、コール。俺にも」
元気に騒いで、喉が渇いたらしい。
……あいよ~。
2人にも、炭酸水を渡した。
ら。
果汁で割りたいだの、酒はないかだの言い出した。
緊張感のカケラもないな。
とりあえず、状況の整理といこうか。
1。
サルファー王国から、どーやら私と血の繋がった父親らしいお貴族サマと、叔父さんらしいお貴族サマがやってきた。
と、言っても別に一緒に来たワケじゃないらしい。
どーでもいいけどさ。
2。
お貴族サマ達の目的は、私をサルファー王国に連行する事。
父親と称するなみなみ貴族は、私を娘として侯爵家に。
叔父さんらしい紳士は、姪として伯爵家に引き取るつもりらしい。
3。
なみなみ貴族は、ブラナンとか侯爵家の血を引く者がサルファー王国外に居るのはマズい、と思っての。
紳士の方は、手頃な政略結婚のコマが欲しい……ってトコかな。
まぁ、とりあえず。
ムカつく。
2人とも……っつーか、2家ともに、お亡くなりになった母の──クララこと、クラウディアの事なんか、これっぽっちも気にしてない。
そして私の意志なんか、マルっと無視だ。
それに、さ。
2家とも、私が素直に言う事聞かなけりゃ、本当に無理やりかっさらっていこうと企んでいたそーだ。
そりゃ、おやじ殿キレる(寸前)わ。
未だに過保護が抜けきってないんだよね、おやじ殿。
今も、真剣な顔して組合長に。
「……転移陣のミスで、どっかヤバい所に飛んだって事にして、この貴族ども何とか出来ねーかな。例えば、ニェスの蟲沼とか」
「お主……あの沼、好きじゃの~」
11
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
【完結】『サヨナラ』そう呟き、崖から身を投げようとする私の手を誰かに引かれました。
仰木 あん
ファンタジー
継母に苛められ、義理の妹には全てを取り上げられる。
実の父にも蔑まれ、生きる希望を失ったアメリアは、家を抜け出し、海へと向かう。
たどり着いた崖から身を投げようとするアメリアは、見知らぬ人物に手を引かれ、一命を取り留める。
そんなところから、彼女の運命は好転をし始める。
そんなお話。
フィクションです。
名前、団体、関係ありません。
設定はゆるいと思われます。
ハッピーなエンドに向かっております。
12、13、14、15話は【胸糞展開】になっておりますのでご注意下さい。
登場人物
アメリア=フュルスト;主人公…二十一歳
キース=エネロワ;公爵…二十四歳
マリア=エネロワ;キースの娘…五歳
オリビエ=フュルスト;アメリアの実父
ソフィア;アメリアの義理の妹二十歳
エリザベス;アメリアの継母
ステルベン=ギネリン;王国の王
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
婚約していたのに、第二王子は妹と浮気しました~捨てられた私は、王太子殿下に拾われます~
マルローネ
ファンタジー
「ごめんなさいね、姉さん。王子殿下は私の物だから」
「そういうことだ、ルアナ。スッキリと婚約破棄といこうじゃないか」
公爵令嬢のルアナ・インクルーダは婚約者の第二王子に婚約破棄をされた。
しかも、信用していた妹との浮気という最悪な形で。
ルアナは国を出ようかと考えるほどに傷ついてしまう。どこか遠い地で静かに暮らそうかと……。
その状態を救ったのは王太子殿下だった。第二王子の不始末について彼は誠心誠意謝罪した。
最初こそ戸惑うルアナだが、王太子殿下の誠意は次第に彼女の心を溶かしていくことになる。
まんまと姉から第二王子を奪った妹だったが、王太子殿下がルアナを選んだことによりアドバンテージはなくなり、さらに第二王子との関係も悪化していき……。
断罪された商才令嬢は隣国を満喫中
水空 葵
ファンタジー
伯爵令嬢で王国一の商会の長でもあるルシアナ・アストライアはある日のパーティーで王太子の婚約者──聖女候補を虐めたという冤罪で国外追放を言い渡されてしまう。
そんな王太子と聖女候補はルシアナが絶望感する様子を楽しみにしている様子。
けれども、今いるグレール王国には未来が無いと考えていたルシアナは追放を喜んだ。
「国外追放になって悔しいか?」
「いいえ、感謝していますわ。国外追放に処してくださってありがとうございます!」
悔しがる王太子達とは違って、ルシアナは隣国での商人生活に期待を膨らませていて、隣国を拠点に人々の役に立つ魔道具を作って広めることを決意する。
その一方で、彼女が去った後の王国は破滅へと向かっていて……。
断罪された令嬢が皆から愛され、幸せになるお話。
※他サイトでも連載中です。
毎日18時頃の更新を予定しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる